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よく変わる介護職員

認知症グループホームの介護職員はよく変わる。
「家庭的な雰囲気・馴染みの職員や環境の中で生活する」
な~んて定義されてるけど、馴染みの職員は、ほぼいない。

一番多いのは退職。
だいたい1ヶ月に1人は辞める。
馴染みになったぁ、と思う頃退職してしまう。

これって介護?

入居している人が転ぶことを「転倒事故」という。
怪我がなくても、その場にいる職員がまるで加害者かのように扱われる。
だから、転ばないように、って座っててもらう努力をする。
すると、本来のその人の自立をサポートする介護ができなくなる。
次第に「いったいここは何?」
「私、イライラしてしまって、介護者として失格やと思う。」となる。
監視員かストーカーのように、入居している人の行動を随時チェックすることに疲れてしまうのだ。

リビングというオリ

日中、入居している人が居室へ戻ろうとしようものなら、さて大変!
リビングで過ごしてないと、ケアマネや上司が来た時に小言を言われる。
「こうしたら、出てきはるから。」
「こう言ったら部屋に戻らへん。」
「何もしてへんから部屋に帰るんちがう?」って。

でもさ、部屋に戻るくらいえぇやん、余生やでと。
だから、適当にできない真面目な介護職員ほど辞める。

人事異動にかけもち

二つ目は異動がすぐある。
新しい施設が次々と建てられてる。
今いる職員数名を引き連れて、新しい施設へ。
施設長ですら、1年経たずに異動になることも。

人が辞めてるのに異動もあるから、どんどん新しい人ばっかりに。
職員と入居している人の相性が悪い時も異動。
ケアマネと相性が悪いからと言って異動。
新しい人が来るまでの間、フロアをかけもちする職員も。

あれよあれよで、いつの間にか全員総入れ替えなんてことも。
その結果、今いる職員が身体を壊して休職していなくなる。
「無理したらあかんで。」
って言っても真面目な介護職員は頑張ってしまう。

夢物語

いくらいい政策を作っても、どんな素晴らしい理念を提唱しても、なかなか実現しない。
認知症グループホームの介護職員は、介護については知ろうとする。

でも、彼らが社会生活をする手段を知らない。
社会福祉協議会や認知症サポーターを知っているのはごく少数。
オレンジ(認知症)カフェは喫茶店と思ってる。
「コーヒーを飲んでもいいけど、誰もが集えるサロンみたいなもの」と説明しても、ぽか~んとしてたり、で。

だから、なぜ認知症グループホームが地域密着型の施設として建てられているのか。どういう役割をもって作られたのか、などはさっぱりさんちゃん。
だってさ、そんな研修ないから、当然っちゃぁ当然。

結果、書いてあること全ては夢物語。
施設での生活だけが社会生活になってしまう。

研修の内容、工夫した方がよくない?