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「かわいい」と「可愛い」

「わ、その洋服かわいい♡
花柄ってえぇねぇ。めっちゃよう似合ってはる!」
と入居している人と話してたら、介護職員に注意された。
なんと!認知症グループホームでは「かわいい」は使用禁止。

高齢者の方に「かわいい」と言うのは「失礼」とか「家族さんが聞いたら嫌でしょ。」とか。
えぇ~~!洋服がかわいい♡って感想言っただけなんですけど。
ちゃんと聞いてた?

かわいい♡んだもん

洋服に限らず、昔のスタイルって正直かわいい。
デザインも今と違って、小さな花柄やバラの花が主張してないで、生地の一部としてある洋服。
私なら着こなせないけど、要らなくなったらちょうだい!って言いたくなるような洋服も。

素材も選ぶセンスもやっぱりいい。
中にはヒョウ柄が好きな人もいて、小物のセンスがいい。
最近買った洋服はほとんどない人ほど、洋服や小物のセンスがいい。

表現は色々あるけど、「素敵」とか「美しい」とか「綺麗」とかじゃなくて、「かわいい」んだもん。
日本語、間違ってないと思うんですけど( *´艸`)

自分が一番可愛い

介護歴が長い人ほど、一般社会のコミュニケーションを忘れてる。
「介護」なんだから、と。

「可愛い」と高齢者に言うのは失礼、とある介護職員。
でもさ、認知症グループホームって「小規模で家庭的な雰囲気」を求められてるところ。

なにをもって「家庭的」というかは人によって違う。
「うちのじいちゃん、めっちゃ可愛いねん。」
とか言う若い子もいる。

確かに、人に対して使う時、その表現は配慮が必要。
それは分かる。
でも、多くの介護職員って「自分(施設)が一番可愛い」と保守に走り過ぎてるんじゃないかな、って。

それって入居している人の生活を豊かにすることと反比例してるって思う。

「可愛い」は「愛おしい」

多分、多くの介護職員は、入居している人を「愛おしい」と感じている。
今の日本で「愛おしいわぁ」なんて言う人、見かけたことない。
「可愛い」という言葉を使って、愛情表現してる部分もあると思う。

「可愛い」という言葉を使用禁止にするくらいなら、ご家族が納得できる表現を使える対話力がほしいかな、って。

「今の人たちは『愛おしい』という気持ちを『カワイイ』と言う人が多いんです。
『愛おしい』なんて表現、ご家族さん会話で使われますか?
とっても愛されているんですよ。」くらいのコミュニケーション、できるんじゃないかな、と。


#未来のためにできること