店舗は賃貸か？購入か？

　さて、まず初期段階で悩むところかもしれない物件についてです。好立地で自分の思い描く店舗で起業したい。皆さんそう思います。
　けれど、そんな物件に出会えるのは奇跡に近い。早く起業したいし建てるか？

　そうですよね。物件は借りるべきか購入するべきか悩んだこと一度はありますよね。どちらにもメリット・デメリットがありますのでしっかりと考えて判断する必要があります。
　ちなみに、今回の記事は初めて飲食店で起業する場合のケースです。２店舗目や他事業からの参入の場合は少し話が変わってくる場合もありますので必ずしも当てはまるわけではありません。

物件や業態を選ぶ前に考える事

　起業すると決めたら早くしたい。もう業態も決まっているし早く物件探したい。そう思う気持ちは十分にわかります。けれど、ちょっと待ってください。その前に考えておいた方が良いとても大事な事があります。そこをある程度決めてしまうと、この先凄く楽になります。

　それは、今起業を考えている店舗の将来像です。繁盛させるとかこういうお店にしたいとかではありません。５年後１０年後それ以上でも良いですが、自分の立ち位置だったり、店舗展開の話です。意外とここを考えずに開業する人が多く、後々余計な経費が掛かったり、無駄な時間を取られたりすることが多いです。

　将来像として

体が動く限り、自分がその店に立ち、経営していこうと考えている。
順調にいけば多店舗展開やフランチャイズ化を考えている。
スタッフに任せ、経営していく。
飲食店を基盤に他事業に進出する。
順調にいけば好立地に移転し大きくしていく。

　こんなイメージですかね。ここが決まっていれば必要な物件が見えてきます。ここを決めるのは難しいかもしれませんし、実際オープンして想いが変化することもありますがここだけは押さえておいてください。むしろこの記事の一番大切なことかもしれません。

　それともう一つ考えていないといけないことがあります。それは、軌道に乗らなかった場合はどうするかです。潔く辞めるのか、移転したり業態を変えて再スタートするのか。心構えの問題です。年齢にもよりますが、例えば５００万程の借金をして起業したが失敗。月々６万程度の支払いです。普通に勤めたら返せない額ではないですし、車を買ったぐらいの気持ちでいれば店を閉めてもどうにかなる気がしませんか？
　失敗するかもとか考える必要はないですし、そんな不安なら起業しないほうがよいと思いますが最悪のケースは想定しといて損はないでしょう。

借りるべきか買うべきか？

　店舗の将来像が考えられたらいよいよ物件選びです。まずはどちらにもメリット・デメリットありますので簡単に説明します。

借りる場合のメリット

・初期投資を安くすませることができる（居抜きならなおさら）
・移転しやすい
・家賃が経費になる

購入する場合のメリット

・店舗を設計が自由にできる
・資産となり担保にお金を借りやすくなる場合がある
・辞めても賃貸し家賃収入を得ることができる

　メチャクチャシンプルにメリットを書きました。詳しく調べたい方は「店舗　賃貸　メリットデメリット」ぐらいでGoogle先生に聞いたら詳しく出てきますが意見は様々です。

借りる場合のデメリット

・良い物件がすぐに見つからない場合がある
・改装するのに許可が必要であったり出来ない場合もある
・辞める際は元に戻す必要がある場合がある
・前店舗のイメージを引き継いでいる場合がある

購入する場合のデメリット

・初期費用がかさむ
・借入の返済は経費にならない
・辞めにくい
・意外と様々な費用がかかる（固定資産税や修繕費用、保険など）

　ご覧の通り、簡単にですが、どちらもメリット・デメリットがあるのがわかりました。ここで重要なのが最初に考えた将来像です。
　例えば、移転を考えているのに購入する必要はないでしょう。その場所で自分一人や家族で一生経営を考えているなら購入を考える余地もあるでしょう。その将来像に合ったプランを考えるべきだと思います。

結局どっち？

　ずばり、賃貸です。

　理由はいくつかありますが、まず、その店舗で１００％成功するかわからないということです。ダメな場合次のプランに移行する必要があるわけですが購入していたら簡単にはいきません。
　辞めても賃貸したらいいと思うかもしれませんが、あなたがダメだったお店を誰かが借りてくれると思いますか？余程の好立地や好条件でないとかりてくれませんよ。
　こだわった内装で営業したら繁盛する。その内装の知識がありますか？確かに飲食店の内装を専門にしている業者もありますがそれなりに資金もかかります。そして１００％成功する内装なんてありません。

　あとは経費になるかどうかも重要なポイントです。どういうことかと言うと、家賃の場合１００％経費になります。自分の持ち物の場合はもちろん経費になりません。

【家賃が２０万の場合】
年間で２４０万の経費の計上が可能

【ローンで購入して支払いが１５万の場合】
年間で１８０万の支払い

支払いは購入の方が安いが・・・
その支払いを抜いて、年間１，０００万の利益があった場合
【家賃の場合】
１，０００万ー２４０万＝７６０万に対して税金の支払い
【購入の場合】
ローン返済は経費とならないので１，０００万に対して税金の支払い
さらに固定資産税等の支払い

７６０万だと、所得税＋住民税が年間およそ、１６０万ほど
１，０００万だと、所得税＋住民税が年間およそ、２４０万ほど

つまり、
【家賃の場合】
２４０万＋１６０万＝４００万
【購入の場合】
１８０万＋２４０万＝４２０万＋固定資産税

簡易計算ですが、家賃の場合の方が結果的に安くなってしまいました。

　いかがでしょうか。購入が悪いわけではないですが、様々なリスクを考えて検討しましょう。

まとめ

　今まで色々書きましたが物件との出会いは「一期一会」。借りたい物件が見つかった時は迷わない事が大切です。１カ月考えます。１年考えます。その間に借りられることも十分にあります。それに似た条件の物件は次にいつ出てくるかもわかりません。
　お金に十分な余裕がある方は購入でも構いませんが、何が一番大切かというと、これから経営を考えている方はこの判断力、いや判断のスピードが大切になってきます。正解なんてありません。ここと決めたら迷わない。迷っている時間があるならどうしたらこの場所でお客様に喜んでもらえるか考えましょう。迷っている間にお客様はいなくなります。

賃貸で物件選びに悩んだら

終わりに
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