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マインドフルネスストレス低減法(MBSR)講師養成講座を受講中。中間地点での気づき

マインドフルネス心理臨床センター代表の小林亜希子です。今、現在、米国カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)マインドフルネスセンターにおいて開催されているマインドフルネスストレス低減法(MBSR)の講師養成講座を受講中です。ちょうど半分が終わったので、中間地点での気づきをまとめておこうと思います。

今回、MBSR講師養成講座を受講しようと思ったのは、MBSRを人に教えたい・伝えたい!というニーズももちろんあるのですが、自分自身の「急ぎすぎてしまう傾向」をスローダウンし、「内側の平安」につながる術を磨きたかったからです。

前回MBSRを受講した際の気づきは下記記事に。

講師養成講座は、10週にわたり開催され、火曜日の午前中に、2時間半のMBSRを参加者として受講し、木曜日の午前中には、今度はMBSRを教えるためのトレーニングを受けます。原則的に、マインドフル・セルフ・コンパッションの講師養成講座(オンライン)と構造は似ています。

安心なコミュニティー、体とつながることで全体性を感じること、ゆっくりすること、心の平安につながることについて書いて行きたいと思います。

安心なコミュニティー

今回のMBSR担当の先生は3人ともとてもおおらかです。細かいことは気にしない感じがオーラからも態度からも伝わってきて、そして受容的なのでホールド力があるというか、安心して、そこに身を置ける感じがあります。時間通りに始まらないことも結構あったりして(汗)、わたしたち(日本人)真面目すぎ?と思ったり思わなかったり・・・(笑)

マインドフルネスプログラムでは、コンテイナーという言い方をしますが、プログラム自体を支えている「器」がすでに、「受容的」かつ「治療的」です。

多様性や、包括性を重視したグループの雰囲気・ガイドラインがあるので、安心して自分の色々な気づきを分かち合うことができます。心理的安全性の高いコミュニティーなのです。

自分自身の精神的な傾向についても、(ADHD傾向など)日本人ばかりのクラスよりも、さまざまな国からいろんな方が集まっているまさに多様性や包括性を体現しているからか、かかわってくださる3人の先生方のお人柄なのか、自分の脆さを分かち合いでシェアしたあとも、日本人ばかりのクラスでシェアした時よりも恥の感覚が惹起されませんでした。第二言語の英語だから、話すのも聞くのもちょっと温度差があってそれが逆にいいのか、日本人の同士の方が、ちょっとした差異に敏感に感じてしまうからなのかはよくわかりませんが・・・とても、安心して「どう思われるか?」を気にしないシェアができているようです。

体とつながる

MBSRの前半は、とにかく体への気づきが増すようにプログラムされています。ボディスキャンが、2、3週続けてあるのと、マインドフルヨガで体をゆっくり動かします。ボディスキャンは苦手科目ですが、今回は先生のボディスキャンに癒されて、のんびりとボディスキャンに取り組むことができました。

「実践は、好きじゃなくてもできるもの」という助言もタイムリーでした。好きじゃなくてもやることで、癒しが促進されることもあるんですね。

ちょうど、ソマティック・エクスペリエンス(SE)を受け始めたこともあり、体への気づきや労わりが増したように思います。特に足の裏や股関節を硬くしないようなストレッチをしたり、ヨガをしたり、エクササイズをするようになりました。

どんな時でも、下半身に安心してつながることで、グラウンディングが明確にできるようになる感じがあり、それは「落ち着き」「安定感」をもたらしてくれます。

不思議と今回はトラウマ反応はまったくでませんでした。(前回受講時はかなり出た)

次のスローダウンともつながりますが、体の声をより聞くようになる、というか聞かざるを得ないようになりました。2〜4週目くらいに頭痛がひどかったのです。

ゆっくりする

受講して、しばらくたってから、頭痛がどうにもひどくて、ゆっくりせざるを得なくなりました。頭痛薬を飲んだり、肩こりかと思って温湿布したりとか、ヨガしたりとかしてみたのですが、どうも頭が回転しすぎてる感じというか。多少の風邪などもあったと思うのですが・・・

よく、仕事をやりだすと、がーっと過集中して、2、3時間脇目も振らず仕事し続けるみたいな感じがあったんですが、それをすると吐き気や頭痛がするようになってきたように思い。過集中をすこし止めるように・・・

お医者さんに相談しながら飲んでいた薬を調整して、少し減らしました。頭痛薬も、この頭痛時期を通り過ぎたら頭痛が減ったので飲む機会が減りました。あと、なぜか体重が2キロくらい減りました。多分早食いが減ったからかも。

どういうことなのか?はよくわかりませんが、ソマティック・エクスペリエンスの先生がいうには、MBSRで覚醒水準が以前より下がったので、(薬など)効きにくかったものが、効くようになったのかもしれませんねと。

さすが、「エビデンス王MBSR」ですね。薬と体重が減りましたよ。といっても、長期経過をみないとわからず、またMBSRが終わったら元に戻ったり?する可能性もあるので、あまり大きな声では言えませんが、今のところの経過です。

ADHDとマインドフルネスの本の最終章にも、「ゆっくりすることがほんと大事だから!」と書かれているので、特にADHD傾向のある私には、ゆっくりは大事なんですね。

内側の平安

45分のボディスキャンや、静坐瞑想では、眠ってしまうこともありますが、かなりリラックスして、内側の平安につながることができることもあります。(毎回ではない)

日によっては、45分間どうにもこうにも仕事やとらわれのことがずっと出てくる日もありますし、集中できて、途中から心がしーんとしてくる日もあります。

内側の平安につながることができる時は、心がしーんとして、穏やかな気持ちになり、すでにこれが完全だ・・というような「ありのままの受容」「これでいいのだ、そのままなのだ」という感覚が現れ、それは落ち着きます。

深い森でキャンプしてる時も、こういうありのままでいいのだ・・・感がでてくることがありますが、「全体性」とつながるとかそいうことなのかしら?と思っております。

終わりに

「スローダウン」「内側の平安とつながる」という当初の目的をすこしずつ体験しているように思います。大事なのは、忘れなずに、日々日々実践していくことです。

マインドフルネスストレス低減法の英語のタイトルは、「Full Catastrophe of living」厄介ごとだらけの人生です。

マインドフルに生活や、自分の傾向を見つめると、あら、結構人生つらいことが多いな・・ってことに気づきます。「思ったようには、いかない」ってことに、気づくからです。まさに「人生は苦である」というブッダの教えに気づいてしまうわけです。

それでも、ゆっくり、今この瞬間を味わい、辛さをコントロールしようとしすぎず、受け入れて、気づいて手放していくことができると楽に生きられるようになる。これが、マインドフルネスストレス低減法なのかな?と今回は思うに至っております。

ちょうど今週は6週目のMBSRで、残りリトリートといよいよ後半戦となっていきます。こうあるべしとコントロールしようとせず、思いやりをもって、自分のあらゆる傾向を受け入れ、執着しない・・という生き方を瞑想の実践を通じて、歩んでいきたいと思います。(どうか、忘れませんように) 

順調にいけば、来年の春頃?からMBSRを教えられるようになります!もうしばらくお待ちくださいませ。







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