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Week 3-3 ストレス反応

私たちの脳は、進化の過程において生存競争に優位な役割を果たし得るように作られています。

生き延びた祖先、つまり私たちは脅威を察知し即座に反応して外敵から身を守ることができた種といえます。常に周囲に目を凝らし、不安要因に対して警戒心を巡らせていました。

木の中を歩く鹿を見たことがあるでしょうか?

彼らは聞き耳を立て、警戒しながら歩き、脅威を感じた途端に走り出すのです。このように危険にさらされた時の鹿の習性と私たちの行動パターンに共通点を見出すことができます。

これは、「闘争-逃走反応」と言われ、他の生物から脅威を感じた際、体の中の反応が起き、生存のために、体が「戦うか」「逃げるか」の準備をしているのです。

瞳孔は散大し、心拍は増え、血圧は上昇します。
一方で、唾液・胃液分泌は抑制され、消化管運動は低下します。

この時に作動しているのは、主に「自律神経」です。

自律神経には、「交感神経」と「副交感神経」があり、簡単に言うと「交感神経」は興奮し戦う時に働き、「副交感神経」はリラックスする時に働きます。

「闘争-逃走反応」の時には、自律神経の中の「交感神経」が働いています。

自律神経は、「不随意」に活動する神経と言われ、自分でコントロールすることはできません。

このように、生体変化は全て外部の刺激(ストレス)に対する「反応」として起こっているのです。
 

我々人間は、生きていく上で、様々なストレスにさらされます。

「暑い」「寒い」「飢餓(低血糖)」「痛み」、、、

「人間関係」などの心理的なストレスの要因があるかもしれません。

このストレスの要因のことを、「ストレッサー」と言います。

生体が「ストレッサー」に刺激され、生体内で起こる反応を「ストレス反応」と呼びます。

ストレス反応には、「自律神経の反応」ともう一つ「内分泌(ホルモン)の反応」があります。

「内分泌(ホルモン)の反応」としては、脳の視床下部からCRH(副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン)が分泌され、それに伴い、脳下垂体前葉からACTH(副腎皮質刺激ホルモン)が分泌されます。ACTHは副腎皮質を刺激し、コルチゾールを分泌させます。

コルチゾールは、ストレスホルモンとも呼ばれ、エネルギー産生を向上させたり、炎症反応を抑制するなどストレスに対する抵抗力を上げる働きがありますが、長期に分泌されると、記憶を司る「海馬」を萎縮させるなどの悪影響もあります。

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このように、様々なストレッサーがあるにもかかわらず、人間の生体内では「ストレス反応」として、自律神経系や内分泌系の同じ反応が起こっているのです。これらの、ストレス学説を発表したのが、カナダの学者である、ハンス・セリエ先生です。

ストレス反応は、適度であれば、ほどよい緊張感で、能力が上がることも期待できます。

しかし、強すぎたり、長期におよぶと、心身に悪い影響をもたらします。

この時に、顕在化する心身の変化(症状)としては、身体面、心理面、行動面の3つがあります。

身体面:頭痛、肩こり、動悸、胃痛、下痢など
心理面:集中力の低下、イライラ、抑うつなど
行動面:過食、多弁、逃避、飲酒、引きこもりなど

これらの身体や行動の変化は、人によってどのように出るか、特徴があると言われています。また、症状があってもストレスが原因であると認識されていない場合もあります。

あなたが、ストレッサーにさらされた時に、出やすい変化(症状)はどれでしょう?

マインドフルネスで、毎日、自分の心や身体の声を聞くことで、変化に気づき、冷静な対応が出来るようになるはずです。


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