自分を対価に、引換券にしてでもあなたが欲しかった。

今年初投稿か、あけましておめでとうございます。正直特におめでたいとは思ってない。2023年と2024年の間に段差もドアも階段もないし、私には何も変わった感じがしない。うちのカレンダーはまだ2023年12月のままだ。

最近あった、元彼との恋愛と破綻について書く。今日カウンセリングなので早起きしないといけないのに、何やってんだろね。

昔好きだった宅録アーティストの曲聴きながら書いてる。再生数少ないし、YouTubeのコメント欄じゃゲロボとか酷評されてたけど、私はずっと好きなんだ。

元彼から3ヶ月ぶりくらいに連絡が来て、しばらく話してて、意外と向こうは私にまだ魅力を感じてくれてるように思えて、なんだか元に戻れるような感じがしてた。あんなひどい別れ方したのにね。

生活を正すために通いだしたはずの作業所だったが、そこは思ったような所ではなく、あまりの虚無さに心が死んだ。人とも関わりを持てなかった。また引きこもるようになって、通わない日は昼夜逆転して、体も疲れていたが、魂が疲労しているような感じがした。誰にもわかってもらえないような孤独を感じてた。

ほんとにほんとに虚無で、虚ろで、私は何をやっているんだろうといつも思ってた。これは生きてると呼べるのだろうかって。すり減っていく感じがしてた。

そんな時、元彼からの連絡。もう関わることはないと思った人だった。別れてから胸に穴が空いて、何をしても塞がらなくて、何ヶ月か経ってもう忘れられそうと思い込んでいたけど、それでも毎日思い出していた。体重もかなり減った。ズボンのSサイズもゆるくてはけない。

私は虚無な作業の後、退勤して、途方に暮れたような気持ちで中古ショップをうろうろしてた。欲しいものも興味湧くものも特になかった。でも、なんだか何もせずこのまま帰りたくなかった。中古のゲームやらフィギュアやらを見ながら、これらはどれも誰かからいらないと思われたものばかりなんだなと思ったら、少し寂しかった。

ショップの中で、LINEで元彼と話した。淡々とした口調、ともすると冷酷に思えるような、疲れきったような雰囲気。でも私の気持ちを分かってくれるのはこの人だけだと思った。今までそれなりに生きてきて、いろんな人と話してきても、この人しか私の感覚を本当には分かってくれないと思った。

最近魂が疲労してるのを感じるよ、と言ったら、そうだろうな、と彼は答えた。私の人生は7歳でもう終わっていたのに、引き伸ばし漫画みたいにここまで生き延びてしまった、という話をした。

私は自分のことなんてどうにもなんないと思っている。より良く変えていけるとはあんまり思っていない。普通の人はそこでそんなことはないよとか、もっとこうしたらいいよとか言ってくるだろうけど、彼はそうではなかった。ただ、お互い疲れ切っている感じがした。

性懲りもなく、私は彼に秋波を送った。駆け引きなんかできない私は、とても単純な手段を使った。この女、やれる、と思われただけかもしれなかった。それでもよかった。下心でもなんでも、そばにいてほしかった。この人が欲しいと思った。

彼は別れる直前会った時、私が置いていった貝殻をまだ持っていると言った。海で二人で歩いて、彼が私にくれた小さな白い貝殻。それを思い出すたび切なかった。

私は彼に会うときに持っていったリュックを中身そのまま、部屋に置きっぱなしにしていた。もらったプレゼントも捨てられなかった。それから回想するかのように、会った時の話をした。

私はなんだか嬉しくて、少し泣きそうになった。まだ途切れていない、繋がっているような気がした。本当に完全に終わった、もう二度と関係ない人と思っていたから。

それから毎日話すようになって、私はまた前のように彼に依存してしまってるのを感じてた。一日中というくらいLINEしていた。かじかんだ指先をお湯に付けた時みたいに、じんわりと、でもはっきりと胸の中が温まって、穴が塞がっていくような感じがした。死んでいた感情が蘇ってくるような…久しぶりに胸がドキドキした。私にまだ人を好きになれる感情があったのかと思った。別れて以来、そんなことは一度もなかった。

彼はきっと、私のことを性的対象としか見ていないのだろうというのは見て取れたが、それでそばにいてくれるのなら、味方でいてくれるのなら、たとえずっとそばにいてくれないような人でも、付き合ってくれなくても、私だけにしてくれないような人だとしても、体を差し出すべきなんだろうかとか、結構葛藤した。

今時そんなことはあまり重く考えるようなことじゃないんだろうか? みんなもっとカジュアルラブしてるの? 私は貞操観念が昭和なのだった。そんな人間がそこで葛藤するのは、割とかなりの重みを伴っていることだってことは分かってほしい。

人からはあいつの酷さを忘れたのか、馬鹿だ、愚かだと言われたし、自分を大事にしろとか言われたけど、自分を大事にするなんてどういうことなのかよく分からなかった。このどうにもならない気持ちをどうやって捨てたらいいのか分からなかった。彼でしかこの慢性的な孤独は埋まらないと思った。あんな人、今まで一度も見たことがない。これからも二度と出会わないと思った。もう二度とないチャンスなんじゃないかって……

ただ、起きた時おはようを言ってくれて、私の誰にも分かってもらえなかった変な思考も、抽象的な言葉も、説明なしにスっと理解してくれる。それは私の人生においてとてもとても貴重なことで、ほんとに奇跡的でありえないことで、それだけで依存してしまう、惹かれてしまう理由としては充分だった。

それに彼はとても知的だった。天才と言って差し支えない人だった。私ははっきり言って、知能の高い男性がとても好みだ。面食いとか、身長高いのが好きとか、そういう好みと同じ感じで、私には、「知能の高い異性と繁殖しろ」という脳からの命令が自分の意志とは関係なく、本能的に下されているのを強く感じるのだ。

心も、体も、分かりやすく反応する。私は自分が動物なんだと理解した。私は自分を引換券のように使うことで一時的にでも彼を拘束することができるなら、それでもいいかなと思った。対価もないのにそばにいてもらえるとは思えなかった。

親が病気かもしれないこととか、私の精神障害とか、どうにもならない現状とか、孤独感とか未来の不安とか。苦しくて苦しくて、逃げ場がなくて、それらは私の心を確実に押し潰し、今にも死へと追いやられるような気がしていた。彼だけが唯一救いで、神様で、他に頼れるものなんか、楽しいことなんか、なんにもなかった。

彼はそんな私の話を聞いてくれて、真面目に答えてくれた。味方になると言ってくれた。その言葉に私がどんなに、どんなに救われたか……。

来年会うか、と、ある日彼が言った。

いいよ、と私は答えた。

でも、そのうちに彼は私に好きで会いたいわけじゃないんだなというのはなんとなく感じるようになった。付き合っていた時と態度が違う。扱いがなんだか雑だし、よく分からないところで不機嫌になったり、話していて苦しくなることがたびたびあった。私は本当に彼に会っていいのか?と悩んだ。

やがて、私に本当に会いたいと思っているのか、そうでないなら会えない、私のことを好きじゃないでしょと言った。不機嫌になることでコントロールしようとしないでと。

私はいつも彼に思ったことを言えなくて我慢してばかりだったから、これはほんとにすごい勇気が必要だった。自分なりに成長を見せたつもりだった。彼は私に成長すること、自立することを勧めているようだったから。

でも、それで彼は爆発した。それならもういい、疲れた、そういうことを言うならもう付き合えないと言われた。彼の心が一瞬で冷めきってしまったのを感じた。私が何を言っても聞いてくれなくて、どんどん不機嫌になって、私は苦しくて泣いた。

彼はいろいろ言っていたけれど、私は彼の言葉の意味がどうしても理解できなかった。俺が不機嫌な理由を考えろ、一週間やるというようなことを言われた。あまりにも理不尽で、私は何を頑張って考えたらいいのか分からなくて、途方に暮れた。

翌日、私は一日中寝込んだ。もうあの人とは無理だと思った。きっとまた捨てられたようなものだ、また何もなくなった、辛い現実だけが残った、私は死ぬんだと思った。本当に本当にもうダメだと思った。

夕方、スマホを見て、大地震のことを知った。彼の居住地、布団から飛び起きた。

もう連絡しちゃいけないのかもしれない、終わったのかもしれないと思っていたけど、どうしても心配で連絡した。すごく短文だけど、安否確認は取れた。

私は彼のことなんかもう、死んでしまえ、あんな奴最低、嫌だと思っていたのに、結局心の中から消すことが、無関心でいることができなかった。情けなく思ったけど。

これからどうなるかは分からない。私はきっと、もう彼とは付き合わないと思う。だけど私は弱いから、また支配されてしまうことがあるのかもしれない……。分からない。今日はもう寝る。また何か思い付いたら書きにきます。それでは。

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