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【ニンテンドーダイレクト感想】俺はカプコンにアメコミを教わった世代だ!

「アメイジング・スパイダーマン」を観た千原ジュニアは
「ロボット出てけえへんねや」と言った。

予備知識が東映版とすりかえておかれるぐらい、マーベルが来る前のぼくらはアメコミを知らなかった。俺はストⅡのキャラを描いたあきまんさんのパッケージでX-MENを知った。

検索したらこの絵。ウルヴァリンを見ただけで「こいつがヤバイ奴」だと思ったし、サイロックとストームって人は主力じゃないの?スクリーンで活躍してないの?といまだに思ってる。

アイアンマン、ハルク、キャプテンアメリカもカプコンに教えてもらった。デッドプールも、デビルメイクライのダンテと撃ちあいしてる姿で「はじめまして」だ。

記憶をたどれば、信じられないけど「ジョジョの奇妙な冒険」すら、カプコンが教えてくれた。
子供たちにとっては「ドラゴンボール読みたくてジャンプ買ったら入ってた、気持ち悪いけど記憶に残ってるマンガ」で、長い連載をずっと追うのは相当変わった子供だけだったけど、格闘ゲームになったから、
「そういえば、あのマンガ、ちゃんと読んだら面白いんじゃないか」
と気づけた。
カプコンってすごかったんだよ。時代だったんだよ。今でもすごいよ。

ゲームやってなかった人が、スト6と餓狼伝説とメタルギアを
「なんかこの人、スマブラで見たことある」って言うでしょ。ちらっと見た記憶があるだけでも、初対面とは全然違う。

ニンテンドーダイレクトの感想

リメイク作品の新情報の多さに、「90年代語りたい欲」がボコボコと頭の圧力釜で煮立っている。若者よ、避けてくれ。
加齢臭がシュールストレミングの汁のように散り、その真新しいブラウスを汚す前に。

カプコンが「2Dドット絵格ゲーの神」から「3Dゲームブームで結果が出せず苦しんでる時期」の、見過ごされがちだけど評価は低くない作品群が復活!

おじさんの先生が波動拳や昇竜拳で委員長にコンボをくらわせ、「生徒に手をあげてしまった…」と悩む、ジャスティス学園が復活です。
島本和彦の影響があるゲームで成功したのは、「LIVEALIVE近未来編」と「私立ジャスティス学園」このふたつしかない。

それだけ島本和彦という男の世界観はマンガであり、マンガから抜け出すととたんに寒いノリになってしまうのだ。
と書こうとしたらブンブンジャーってので大好評なんですね。じゃあ前言撤回。

「マーヴルVSストリートファイター」では、露骨に「ノリマロ」を前面に出して、任天堂の意図を感じた。
アメコミヒーローとストリートファイターのキャラが戦うゲームでありながら、とんねるずの番組とコラボして、木梨憲武デザインのキャラが登場した。
特定の世代には強烈なインパクトなんだけど、当然海外版ではカットされてたから、ノリマロを見せるだけで、
「あ、プレステやXBOX版ではカットされてたのに、任天堂がサポートするゲームは日本人ファーストになるんだ!」
そんな印象を与える。

ぼく個人の印象では、かっこいいマーヴル(当時はマーベルじゃなかった)に異物が入ったみたいで好きじゃなかったけど、時代の記録としてはいいかも。

コナミの復活もすごい。一時代を築いた「ときめきメモリアル」も「悪魔城ドラキュラ(キャッスルヴァニア)」も復活。
ドラキュラはデッドバイデイライトともコラボ開始。

Vtuberの周防パトラ、博衣こよりの同時視聴も見ていたけど、ときメモの藤崎詩織は、ゲームヒロインの枠におさまらずCDもヒットしたバーチャルアイドルの先駆けである。あなたたち全員の大先輩だぞ。
ときのそらちゃんが歩んだ道は・・・20年以上前に藤崎詩織がナタとノコで開拓したけもの道だ。

「悪魔城ドラキュラ」シリーズのニンテンドーDS時代のリメイク集が発表。初期作のリメイクも入っている。

初期は、タイミングをはかって撃たないと即落下、からの一発死。シビアなゲーム性と、重厚かつ脳汁がバカ噴き出る音楽が魅力。

探索型にジャンルを変えてからは、ルックは同じでもゲーム性は全く別物になった。
話題性が薄くなってきた理由は、タイトルが「悪魔城ドラキュラ」から「キャッスルヴァニア」になったのも大きいと思ってる。

今検索したら、こんなんもあった。初期が偉大すぎてどう頑張っても迷走扱いされる。

新作ではストレイチルドレンは期待作。
名作「moon」のスタッフ復活作というけど、moonこそ今やると「?」かもしれない。
あれはドラクエとファイナルファンタジーがゲーム界のてっぺんにいた時代性と関わっている。
ザコ敵を何度も切り刻んで人の家からアイテムをあさって、敵とされてるやつを殺せばほめられる。それが当たり前だった時代に、違う視点を持ち込んだ。

今はアンダーテイルがmoonと同じ方向性のことを、すごい完成度でやってしまった。
ゲーム実況を見るとJRPG知らない人でもアンダーテイルめっちゃ好評ですごいの。
どんだけいいゲームなんだと俺も遊んでみたけど、宿屋で暗転したら一晩たったことになるRPGのお約束をギャグにするなんて!
マザー2と弾幕シューティングの影響をモロに受けてるゲームを今やるなんて!
90年代からのゲーム好きおじさんの同窓会みたいなゲームやん!!
これ若いゲーマーに大人気なの?なんで? と思ったが、かわいさと不穏さのまじったキャラクター、大規模なプロジェクトじゃなくて一人の作家性が出ているかっこよさとか、いろんな要素がある。

ほかは何だ。

ああ・・・PS5の値上げが発表されてしまった。
ずっと若者の味方で最先端のおもしろいものを届けてくれた「俺たちの」プレイステーションが、遠くなっていく。
「いつか小型化して値下げするだろ」は甘えだった。ファイナルファンタジー7や13を遊ぶためにみんな本体ごと買う時代じゃない。

だけど、個人製作でもスマッシュヒットが出るし、来月のトレンドが何になるか予想がつかないのは面白くもあるな。
これだけ気になるのがあって、実は予約を決めてるのは、
「日本版初代XBOXに最初から付いてたコントローラの復刻版」だったりします。昔のXBOXの頭の悪さがほとばしるぞ。当時ちょっとだけ握って、不格好だけどしっくりくる!って感動した。

PSより任天堂よりXBOXの故障報告を聞かないのは、売れてないからじゃない。そういう細かいネジのゆるみを見逃さない、いいゲーム機になった。

ノードリフトを自信満々に宣言。発売は一か月後。


読んでくれてありがとうございます。 これを書いている2020年6月13日の南光裕からお礼を言います。