見出し画像

【ドラマ感想】ミセンー未生ー

「未生」とは囲碁用語で、弱い石のことだそうだ。

”道”とは歩むのではなく
前へ進むためのものだ。
前へ進めない道は道ではない。
誰にでも道は開かれるが
全員が持てるわけではない

ミセン第一話より

20話まで、しかも1話の長さが平均1時間を超えているのに
全然長く感じない。
サラリーマンの話だ。
商社の仕事は華やかと言えば華やかだが、
それでもサラリーマンの話だ。
それなのに20話という長さがあっという間に感じるほどに
話に引き込まれた。
みんなが「面白い」というものは
観ておくべきだなと改めて思った。

私の中のイメージソングはミスチルの「彩り」だった。
このミスチルの「彩り」、私の大好きな歌だ。
ミスチルの桜井さんはあんなに華やかな世界で
目の前の仕事に虚しくなることなんてないだろうに、
どうしてこんな歌詞が書けるんだろう、と不思議に思う。
それとも、彼も虚しく感じることがあるんだろうか。
やはり天才のなせる技だろうか。
多くの人々は目の前の仕事をただ淡々とこなし、
日常に小さなことに幸せを見つけ、
それに色を見つけたり、時々虚しくなったりして生きている。

そんな歌みたいなドラマだなと感じた。

ところがどっこい、このドラマの毎話最後に流れるのはバンドによる切ない曲調ではなく、昭和の歌謡曲のような
コテコテな哀愁漂う、拳の効いた歌だ。
歌詞は何を言っているのかは分からない。
これまた私のイメージとしては
「マイウェイ」。

実際は何と言っているか分からないドラマ主題歌だが、
なんともこのドラマに合っていて、
オ次長にぴったりな曲だなと思っていた。
最終話でまさにオ次長が砂漠の風景をバックに
BGMとして聴いている、という演出にふんふんと鼻息が荒くなった。
このドラマですっかりオ次長(イ・ソンミン)に骨抜きにされてしまった私。
砂漠でテンガロンハット?を被ってるなんて可愛すぎるじゃないか。

そして、キムデミョンさん!
「賢い医師生活」のソッキョンでもすでに大好きだったけれど、
完全にキム・デミョンさんのファンになった。
モジャモジャ頭も何もかも素敵すぎる。
彼が泣くとこちらの涙腺も崩壊してしまう。

主人公を演じるイム・シワンはだんだん息子に見えてくる。
似ているわけではない。
愛着が湧きすぎて、オーバーラップしてしまうのだ。
健気に耐えている姿を見ると、
我が子のように辛くなる。
私にできることは何もない。

愛すべきキャラクターが多すぎる。

同期のみんなも年数を経るごとに愛着が湧き、
それぞれに応援したくなる。

ラストシーン。
一つ一つはミセン(弱い石)のわたしたち。
道なき砂漠の道を駆けていく。
道は見えなくとも、
前へ進むのだ、と。
一つ一つは弱くとも、共に進んでいくのだ、と。

商社に勤めていなくても、
サラリーマンでなくても、
いずれにしろ私たちは




この記事が参加している募集

#ドラマ感想文

1,497件

よろしければサポートお願いします!サポートいただいたお金は、新刊購入に当てたいと思います。それでまたこちらに感想を書きたいです。よろしくお願いします。