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理想郷建設へ②

今回のトップ画は、前回の投稿で紹介した輪島市のフランス料理の名店ラトリエデュノの池端シェフに送ったワイン『シャングリ•ラ』のエチケットに描かれた絵画です

作家名はわかりませんが、ニュージーランドのワインに相応しくニュージーランドの現代作家だそうです

理想郷へ

理想郷へ向かうのではなく

理想郷を作り上げる

そんなイメージでこれからのラーメン屋人生を進んでいきたい

そんな話を綴っていきたいのですが、今回もそのワインを贈った池畑氏との会話の続きから話は始まります

このシリーズ、おそらくめっちゃ長くなります

グリーンスターを獲得したラトリエデュノト、グリーンスターを貰えるとどえらい勘違いをかましたらーめん南(恥ずかしい)

今回のミシュランガイド2021北陸特別版において、一つ星と共にグリーンスターを獲得したラトリエデュノトと池端シェフ

池端シェフは僕にこう言いました

「南さんも次のミシュランはさ、グリーンスター獲得を目指すべきだよ!そんなラーメン屋どこにもないし、南さんしかできないじゃん!」

「いや…あの…池端君…俺、てっきりらーめん南はグリーンスターで評価されるものやと思っててんやん!!恥ずかしい!!」

池端氏「…(絶句)」

こんなやりとりがあったとか、なかったとか…

らーめん南のこの五年間の取り組みと歩みとは?

ミシュランの評価がどのようにつけられるのか?に関しては僕も正直なところ、よくわかっていません

僕の一般の友達の中には、まるで【日本レコード大賞新人賞】のように突然発表されて戸惑いと驚きと感動の涙でステージに上がる新人アイドル歌手(アレもほんまは事前に知らされてんのちゃうんかなぁ?知らんけど)の如く、青天の霹靂のように突然知らされると思っていた友人がいましたが、きちんと調査員が

「ミシュランです」

と名乗って、きちんと取材をしてくださいます

らーめん南が初めてミシュランの調査員から挨拶を受けた日は、当時(2020年11月)まだ木曜日は牛泡パイタンらーめん『蘇るピカレスク』のみを提供する、というスタイルを取っていた時でした

つまりその日は定番のらーめんは一切食べれない日だったのです

だから僕は

「ピカレスクだけを食べてうちをジャッジされては叶わない!」

と思い、

「今日のらーめんはスペシャルです。定番も食べてから掲載の判断をしてください」

と伝えました

すると調査員はニコッと笑って

「心配しないでください。らーめん南さんに訪れている調査員は私だけではありません。正確なことは言えませんが、何人かがきた上で総合で判断した上で、掲載に相応しいか決めさせて頂いています」

との事でした

一部の飲食店から

「たった1人の味覚で決められてたまるか」

「ミシュランの評価が上がった下がったで人生を左右される人がいるんだ。けしからん」

という声を聞いたことがあります

ならば、最初から

「ごめんなさい。うちは掲載は結構です」

と丁寧に伝えればいいだけの話です

ミシュランの調査員の方にべらんめいで啖呵を切ったことを武勇伝にしている飲食店を知っていますが、それは恥ずべきことです(ミシュランの調査員の方もお金を払って食べてくれたお客様でもありますから)

少し話が脱線しました

そして取材が始まった時に、僕は味や素材へのこだわりだけではなく、らーめん南が取り組んできたフードロスのメニュー(限定らーめんの『蘇るピカレスク』や『Garden』、平日ランチサービスの『牛すじ丼』、テイクアウトメニューの『タコスミート』や『ミートソース』etc)についてや、地元石川県の天然醸造の醤油や、珠洲市の揚浜式塩の歴史を伝える啓蒙活動、地域の心ある生産者を消費者へと繋げる活動などを説明しました

調査員の方はこうおっしゃられました

「こうした話は最近のレストランではよく聞きます。でもラーメン屋では初めて聞きました」

その調査員の表情は、どこか嬉しそうで、どこか合点のいったような雰囲気でした

そこで僕は…

なるほど…らーめん南はグリーンスターで評価されるのだな…

という盛大な勘違いを起こしていたのです

発表当日

妹とYouTubeのミシュランのチャンネルに合わせ、2人で皿の洗い物をしながら発表を待ちました

一番最初にグリーンスターの発表がありました

何度も名前の出ているラトリエデュノトや、親交のあるレ•トネル等々、一流のレストランの名前が連なる中、らーめん南は呼ばれることなくグリーンスターの発表は終わりました…

盛大な勘違いをしていた僕は完全に虚脱…

もうあとはなんでもええわ

この際らーめん南の名前なんぞ呼ばれなくてもええわ…

と不貞腐れてビールの栓を開けようとした時、

「お兄ちゃん!ビブグルマンだよ!」

と妹が叫び、僕はギリギリ栓を抜かなかったビールを冷蔵庫に戻し、

「ま、ええんちゃう?」

と精一杯の強がりを言って画面を見ました

そこからたくさんの方からメールが届き、SNSにはお祝いの言葉が溢れ、皆様が自分の事のように喜んでくれている事を知り、僕は

「あぁ…俺の感情なんてちっぽけなものだな。この方達がどんな時もらーめん南を支えてくださったのだな…。ビブグルマンはこの方達に捧げよう」

とすぐに感謝の気持ちへと変わりました

そして、そのメール群の中に前回の投稿に書いた池端氏からの

「明日らーめん食べに行きます」

というものもあったのでした

僕の頭の中はこの時点で次へ進む事へと切り替わってました

え?切り替わってるのにやけに説明長いって?
そんだけミシュランに浸ってるって??

ちゃうちゃう!

これからの目標や道筋を説明するのに、必要な顛末なのです!

なので、次回も池端氏は登場します

池端シェフのファンの皆様も乞うご期待です(さらに活躍します)

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