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ドラムレッスンとスクランブルエッグ


わたしの、ドラムの先生アダム。ジャズドラマー。
毎週木曜日の朝、レッスンを受けている。


これまでギター、ベース、少しキーボードを少しやってきたが、長続きしなかった。良い先生に巡り合わなかったのもあるし、これらの楽器を直感で弾けなかった。頑張って頑張って、集中して、ようやく弾けるというか。それでも音楽が好きなので、どうしようかなと思っていたところ、ドラムを始めた。まずはジャンベから。ジャンぺを楽器屋さんで買った時、店員さんに買おうと思っていたジャンベを叩いてもらった。

ワォ。

すごい良い音だった。のでお家に連れて帰った。週に一回くらい、ジャムできるバーでジャンベを弾き、私とはレベルが全然違うミュージシャンたちとなんとなく一緒に演奏出来て、あ、楽しい、これは続けたいとなった。んで、友達にgoodジャズドラマーがいるからと紹介してもらい、レッスンを受けるようになったのだ。

ようやく自分の楽器にたどり着いたと思う。あとは、前に進むのみ。思い返してみると、小学生の頃の学芸会で、情熱大陸を弾いた時、タンバリンを任されたっけ。なかなか重要な音とリズムだった。興奮したのを覚えている。20年くらい経って、ようやく自分の好きなことに戻ってきたのかな。



アダムとのレッスンは、基本居心地が良い。正直何かを人前で学び、それを人前で披露するのが苦手だ。例えば、数学とか、こっそり一人隠れて計算したい。誰か横にいると、なんとなくわかっていても、恥ずかしくなったり不安になり、うまく答えが出せない。子供の頃にピアノを習いたくて、見学に行ったのだが、先生の真横で楽譜を読んだり、言われたことをすぐに弾かなくてはいけないと分かり、これは自分には無理だと思って、怖気付いた。

アダムは「鳥がそこらでピーチク鳴いていて、それだけで完璧。人間の音楽は複雑で完璧主義なところがある」とか言っていて、もちろん基礎をしっかり教えてくれているけど、基本、何かを足していくという感覚で、「それは間違い!失敗」ってことは言わない。私が「間違え」ても、それをうまく「何か」に変化させたら、それで良し。笑っている。

学びの環境はこうあるべきだと思う。リラックスして、楽しむ。それでいて新しいことを学べたのなら、あら素敵。私は学ぶことが好きなのかな。数時間のレッスンの後、さっきまで出来なかったことが出来たり、新しいグルーフを身体にインプット出来るのは楽しい。大人になって、そんなにすぐに、成長することを感じることって難しいと思うので。
エニウェイ、ドラムは私の人生をボンボンと前に躍動感を持って進めてくれているような気がする。

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先週、彼のコンサートに初めて行ってきた。驚きで口が開いたまま、閉じなかった。私は彼の家で、彼のドラムでレッスンを受けているのだが、コンサートでも同じドラムが使われていた。私が普段演奏しているあのドラムから、こんなものが出てくるのかと、仰天した。アダムは様々なソフトウェアをプログラミングされたロボットのように、身体をカクカクさせながら、けど滑らかな音を奏でていた。ちょっと凄すぎて、仰天しました。とりあえず、彼についていけば、私もあんなのが弾けるのか?貴重な時間を割いてくれているアダムに感謝しつつ、もっとたくさん練習しようと誓った夜であった。

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アダムはよく、レッスン中に洗濯とか、洗い物とか、最近は料理までしている。それが好きだ。この、程よいアテンションが好ましい。私がドラムをたたき、アダムが時々歌いながら、家事を進める。家事が終わって、私の横に座ってレッスンモードになると、私は緊張して、さっきまで出来ていたことが、出来なくなったりする。ドラムを叩いている時(弾く?叩く?)の脳みそは、不思議な感覚だ。何かを信じて突き進むというか、一瞬の迷いがあると、どこかへ消えてしまう。とりあえず続けたい。エニウェイ、アダムは料理も好きなようで、色々食べさせてくれる。お茶にもこっており、レッスン後はジャズを聴きながら、うまいお茶を啜る。今日はスクランブルエッグとフルーツの香りがするチーズをあてがってもらう。音楽の私にとっては、全くもってあたらしい世界の話も話してくれるので、実技と座学が混ざったような贅沢な時間。


毎回ルンルン足で帰宅する。帰り道、たまたま友達に会い、ドラムのレッスンに行ってきたと告げると、お前のコンサートが楽しみだと言われた。10年後かなと言った。いい計画な気がする。

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