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チェコちゃん日記 1 チェコとの出会い
チェコ、プラハでの生活も2年目。もう少し長く住むことになる気がする。
「なんでチェコなんですか?」「なんでチェコに来たの?」とよく聞かれる。日本人からも、チェコ人からも。10年前の私に「今チェコに住んでいるよ」と言っても、きっと驚かないだろう。チェコに来るのは、あまり意味のない自然な流れだった。
友達のお姉さんがチェコに留学していたり、留学先で出会ったチェコ人の青年が「?」と心に何か突っかかるような優しさをくれたり、妹が何度かプラハを訪れ「いい場所だよ。みーもきっと好き」と言ってくれてたり。チェコを訪れる前から、なんとなく縁を感じていた。あと、元彼のお姉さんも長年チェコに住んでいた。いつかチェコを訪れるとは思っていたが、特に急ぐ理由もなかった。
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そしたら、周り巡ってきた縁。映画を作り始めて1年半くらい経った時、もう少し映画の勉強がしたいと思った。世界の映画大学を探して、ここなら行きたいと思えたのがチェコの映画大学だった。で、プラハにやって来たわけである。なんとなく感じていたチェコとの縁も、私を後押ししてくれた。
あまり深く考えずプラハにやって来て、あっという間に映画大学での1年間の集中コースは終わった。人生、3度目の留学。そんなに長くプラハにいるとは思わず、一年目はチェコ語を全く勉強せず終わった。南米に住んでいた頃、スペイン語が話せることでどれだけ人、文化、社会との距離が縮まり、どれだけ現地の言葉を理解する、触れるということが大切か知っていたのにも関わらず。英語でやりきれるプラハなんだから、超難解なチェコ語は勉強しなくても良いと思っていたのだ。失念。ここ半年は、スペイン語を学んだ10代の頃のように、会話に耳を澄ませ、気になる単語をノートに書き留め、知っている言葉を増やしている。やはり言葉がわかると、見える世界の解像度が全然違う。逆に言葉を学んだら、言葉がわからなかった頃の世界はもう見えなくなるのだなと。少し不安になったりもしている。
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とにかくプラハ2年目。チェコに一歩近づけば、近づくほど、よく分からなくなるような感覚。昨日、彼と街を散歩していたら「この道の名前は政治犯って言うんだよ」(Politických vězňů)って教えてくれた。あの綺麗な中央郵便局の建物がある通り。その建物は共産党の本部だったらし。今もそうなのかもと。街ではちらほら、ナチス犠牲者を追悼するプレートを目にする。
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この国が、ほんの少し前にナチス、ソ連に支配されていたことに驚きと同時に、すとんと落ちるような感情が入り乱れる。そして、その時代をくぐり抜けてきた人々の国に住むことに、自分の中では意味があるような気がしている。
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