約束を守ることは命を守ること
「薬を飲んでくださいね」
「必ず欠かさず飲んでくださいね」
病院の先生は2度言った。
その時はその意味を深く考えはしなかったけれど、
「絶対薬は飲まないといけないんだな」と思い、これは先生との約束と認識し、私は律儀にそれを守っている。
薬は食後に飲むものなので、朝は残念ながら食後に飲むことはかなわないが、夜は、何かを食べてから飲まなければならないと「思いつく」ことができ、今からようやく本日1食目の食事をとる。
何を見ても食欲は湧かず、食べても食べなくてもそんなすぐに死ぬことはなかろうし、腹はすくけれど寝っ転がっていればすぐに忘れてしまわれる。
忘れてしまわれるから食べなくても、面倒だ、食べる食べないが私の問題ではなくなってしまった。
動くための燃料として必要に駆られない限り、食べることは私の義務ではなくなった。
そんな中、薬を飲むことは義務であり今の私が唯一守るべき約束である。
とすれば、先生は食後に飲めと言ったのだ。朝は守れていないが…。
せめて夜は約束を守るべきではないか。そうだ。
夜ご飯、何か口に入れて、薬を飲もう。薬を飲むのだ。
それが私の義務であり、約束だから。
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