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十二月 師が走れど 鳥止まる 池で佇む 楽園の主
十二月になったからってとひたすら戸惑うのは弟子のひとり、ここはいつも山で囲まれた優雅な奥河内だ。なのに12月に入った瞬間、お稽古ごとの師匠は急に慌ただしくなる。
「何も師走に合わせなくても」弟子歴5年になるがいつも十二月ははこうなのだ。「あ、あ、年末の挨拶や年始の準備でというのはだけど、今年まだ1か月あるのにさ」師匠の慌てぶりに振り回されながらもどうにかこの日は師匠と別れて家に戻る。
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「ああ、いい夕暮れだ」弟子はようやく気持ちが落ち着く帰り道、いつも横には大きな池がある。「お、あれは?」弟子が見つけたもの、それは池で佇む鳥たちだ。ため池はこの時期水の量が随分少なくなるが、その少ない水を求めて鳥たちが佇んでる。それに鳥たちはその場から動かないのだ。
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「師匠とは大違いだ」弟子は対照的に見える鳥たちを見てほほ笑む。弟子はしばらく鳥を眺めた。青鷺、白鷺が見える。思わずスマホで撮影をした。撮影には成功したが、とたんに鳥たちは飛び立ったかと思うと、巣があるのか?南の山のほうに飛んで行った。
「さてと、帰ろう」弟子は家に向かって帰る。帰りながら短歌が浮かんだ。
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十二月 師が走れど 鳥止まる 池で佇む 楽園の主
(じゅうにがつ しがはしれど とりとまる いけでたたずむ らくえんのぬし)
今日は、こちら小牧幸助さんのシロクマ文芸部という企画に参加しました。
こちらの本日の記事、「河内長野の市役所前のため池が鳥の楽園になっている」というの内容を参考にしました。
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