![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/127842200/rectangle_large_type_2_5f2bdf82dd9781b6a5124004cb9f5dc5.jpeg?width=800)
サークルの 町を歩いた 冬の空 見上げ聞こえる ドローンの音
営業活動のためにある町に訪問した。住宅地だが町が個性的な形をしているという。「公園が中心でサークル状になっているのか」唸りながら町を見た。確かに曲線を描いた建物の造りになっている。「ヨーロッパ風なのかなあ」だとすれば勝算があるような気がした。「まあいい、やってみよう。さてどこから攻めてみるか」さっそく契約をとるために気合を入れる。
仕事を始める前に、まずは中央の公園を見ながら大きく深呼吸した。すると音がしたかと思えば、晴れ間の見える冬空の上空に何かが飛んでいる。「ど、ドローン、ま、まさか!」一瞬鳥肌が立った。すぐにドローンの操縦者を探してみる。
![](https://assets.st-note.com/img/1705408942249-FfB9GpZT3T.jpg?width=800)
すると案の定、公園の端のほうでドローンを捜査している男がいた。「あれは!」そう、あの男はライバル会社の名物課長だ。ドローンを駆使して上空から町の様子を確認して、効率よく営業活動を行うらしい。それなりに成績を収めていることから「ドローン課長」の異名を持つ男だ。ゆえに同業者からは恐れられている。
「ドローン課長が来ているのか、これは負けてられないぞ」当のドローン課長は操作の関係で、こちらのことに気付いていないようだ。一瞬課長を睨みつける。そして心に誓った。「ドローンがなくてもいい、足で稼ぐんだ」と。
![](https://assets.st-note.com/img/1705408898008-WGTG9rjN7o.jpg?width=800)
「やった。こんなに契約が取れたとは」想像以上の結果に思わず笑いがこみ上げる。さて、ドローン課長はどのくらい営業の成績を得たのだろう。結果はどちらが勝ったのかわからない。とはいえ、少なくとも彼の姿を見てこっちも必死に頑張ったから、期待以上の結果が出せたのだ。
思わず上機嫌になって帰りのバスを待つ。バスを待つ間、鼻歌のように短歌をつぶやくのだ。
![](https://assets.st-note.com/img/1705408915877-novLc8ziMC.jpg?width=800)
サークルの 町を歩いた 冬の空 見上げ聞こえる ドローンの音
(さーくるの まちをあるいた ふゆのそら みあげきこえる どろーんのおと)
![](https://assets.st-note.com/img/1705408999775-Sgse69TVKD.jpg?width=800)
今回は、毎週ショートショートnoteの企画に参加して短編小説を書きました。(お題:ドローンの課長)
ちなみに今日はこちらの記事「北青葉台のサークル」をモチーフにしています。
#小説
#短歌
#今日の短歌
#散歩日記
#毎週ショートショートnote
#ドローンの課長
#サークル状の町
#北青葉台
#河内長野
#南河内
#奥河内
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?