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台に乗り ホルモン眺め 師走かな アニバーサリー 決まらず迷い

「アニバーサリーにどうしよかな」師走から年末にかけたある日、まもなく来る記念日を前に、どうするか迷っていた。何かプレゼントしようと思うのだが、まだ決まっていない。
「消去法で行くか」歩きながらふさわしくないものを捨てていく。アニバーサリーだと花だがまずそれは違う。次に考えたものは食べ物であった。いや捨てるのではなく、食べ物にしようと考える。だがケーキは対象外、甘いものが嫌いだからだ。

「スタミナが付きそうなものがいいんだけど」消去法を続けるとずいぶん絞られてきた。スタミナがつくものとなれば肉が良い。「肉か、何の肉だ」と思っていると、ホルモンを販売しているお店が目の前に見える。
「ホルモン!それだ」ひらめいた。アニバーサリーのプレゼントはホルモンに決める。理由はアニバーサリーでプレゼントする相手が大のホルモン好きだからだ。

中に入る。「あれ、誰もいない」誰もいない代わりに監視カメラが数台こちらをにらみつけていた。「でもどれがいいのかなあ」無人のお店のホルモンはいっぱい種類があるようだが、ホルモンに詳しくないからどれにすればよいかわからない。

さて困ったと思ったら、無造作に台が置いてある。「台に登って高いところから見ればいいかな」ということで、台に登ってみると全体がよく見えた。

「台に乗ってアニバーサリーにふさわしいホルモンはどれ」と思いながらもう一度ホルモンを眺める。ところがなぜか浮かんできたのは短歌だった。

 台に乗り ホルモン眺め 師走かな アニバーサリー 決まらず迷い
(だいにのり ほるもんながめ しわすかな あにばーさりー きまらずまよい)

今回は趣向を変えて、毎週ショートショートnoteの企画に参加して短編小説を書きました。(お題:台にアニバーサリー

今日はこちらの記事「無人ホルモン直売所が富田林にできた」をモチーフにしています。

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