朝のバス 一番乗りを 目指す冬 気付き焦せった 時計の一枚
目を開けて時計を見た。朝5時になろうとしている。早く寝たがどうも眠りが浅い。理由は分かっている。今日日曜日は早起きして出かけるからだ。
「寝よう寝ようとしているんだが」と言いながら気ばかり焦るのか、あまり寝付けないでいる。だが多分寝ているはずだと思う。でなければ時計が刻み続ける1秒がこんなに早いはずはない。
なぜこんなに早起きをと言うと、日曜日にダム湖に登山口がある山を登るからだ。
登山仲間の話では、休日朝一番に出るバスは急行運転をするらしく、余計な途中の停留所は通過するという。
つまり、朝一番のバスに乗れば、到着が早いので山の頂上に一番乗りできるかもしれないと思ったのだ。冬だしそんなに多くの人は登らない。仮に同じバスに乗り込んで同じようなことを考えている人もいるだろう。だがそれには自信があった。
こう見えても山登りは人よりも早い。歩くのではなく、小走りのように山を登るのだ。「まるでマラソンをしているようだな」と言われたことが何度もある。
「バスにさえ乗れば、一番乗り確実だ」もう一度目をつぶる。6時30分に起床すれば朝一番のバスに間に合う。「後1時間半、山登りだから少しでも寝ておいたほうがいい」と自分自身に言い聞かせて目をつぶった。
「ふ、ふぁああああ!うん、良く寝たなあ」ようやく眠ったという実感がわいている。
今から出かけて朝一番のバスに乗ろるために布団を出た。ふと時計に視線が入った時、全身に電気が走り、直後に脱力感に襲われる。
なぜならば、眠りすぎたのか予定時間よりはるかに寝坊をしてしまい、時計は午前11時を10分ほど回っていたのだから。
「ダメだこりゃ」登山をあきらめもう一度寝ることにした。悔し紛れに時計の画像を1枚撮影すると、布団の中で浮かんだ短歌をつぶやく。
朝のバス 一番乗りを 目指す冬 気付き焦せった 時計の一枚
(あさのばす いちばんのりを めざすふゆ きづきあせった とけいのいちまい)
おまけ:
あこはるかさんの企画です。撮ったのは、自宅にある時計でした。河内長野市内にあるある100均で買ったものなので、100円ではなかったものの値段は知れていますね。
さて、「時計の想い」とのことですが、やはり早起きするときに限って眠りが浅くなって何度も見てしまう存在が時計です。
目覚ましかければいいのですが、目覚ましで起こされるのは、眠りが邪魔されてしまいあまり好きではないので、めったにかけません。
また今日の記事「河内長野で休日朝一番にのみ走る急行バス」を参考にしました。
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