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山歩き 夏の暑さに イライラと 怒り挨拶 アイスで宥め

「河内長野の秘境だなこれ、住んでる人間もここから行かないぞ」原は大阪市内から遊びに来た、寺元が行きたいと言ってきた石見川に向かって歩いている。「昔はバスも走っていたんだけどな」バス路線は現在小深までしか行かなくなっていた。

 そのため石見川に行こうと思えば片道1時間ほどの緩やかな上り坂を上る必要がある。「来るまで来ればよかったなあ」原はすでにバテていて、正直イラついている。

 だが寺元は地図であるスポットを見つけており、「あそこで休憩しよう」と言い出した。そこは行者湧水と呼ばれるスポットで、車でみんな水を汲みに来ているが、売店やトイレもあるので徒歩の人間も休憩ができる。「暑いなあ、アイスクリームがあるよ」と寺元、だが原の怒りは最高潮に達していた。

「もういい、こんな歩かされて、いい加減にしろ!あいさつ代わりだ!」そう言って原は担いでいたリュックを寺元に投げつける。
「そんなに怒るなよアイスクリームおごるからさ」と寺元に言われ、原は少し機嫌がよくなり好きなアイスクリームを手にした。それを見た寺元は思わず短歌をつぶやいた。

山歩き 夏の暑さに イライラと 怒り挨拶 アイスで宥め
(やまあるき なつのあつさに いらいろと いかりあいさつ あいすでなだめ)

今回は趣向を変えて、毎週ショートショートnoteの企画に参加して短編小説を書きました。(お題:イライラする挨拶代わり

今日はこちらの記事「小深から石見川まで歩いた」をモチーフにしています。

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