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新聞大好き

みつき、新聞が大好き。
東京新聞を定期購読して、時々コンビニで朝日新聞を購入している。
新聞は衰退産業だ、将来消滅するなんて週刊誌でけなされているけれど、情報、知の宝庫ですよ。

例えば12月19日(火曜日)付の朝日新聞。
こんなにたくさんの記事が気になったり、ためになったり、切り抜いたりした。

まずはニュース。
「安倍派・二階派きょう捜索」「自民支持率下落」。
当然よ。この十数年、政治に関する記事は不愉快なものばかり。こんな自由でも民主的でもない腐敗政党、さっさと滅びなさい。
「脱毛サロン 倒産トラブル」。脱毛屋だけじゃないよね。強欲な経営者、資本屋の悪行・跋扈(ばっこ)にはもううんざり。
「ベツレヘム、クリスマス行事中止 ガザと連帯」。
恒例のキリスト生誕フィギアの赤ちゃんがガザの子どもなんですって。今年のクリスマスは静かに過ごしましょう。(今年も、だろ←ひとりツッコミ)

なんですと? 「どうする家康」視聴率過去2番目の低さ(11・2%)。あはは。
ちなみに過去最低は「いだてん」(2019年、8・2%)。 この宮藤官九郎さんのドラマ、私的にはベスト・オブ・大河ドラマなんですけどね。関東大震災における虐殺、軍部・特高の暴虐の数々をきちんと描いていたし、クドカン流笑いのツボ満載だし。雑誌やネットが低視聴率を批判していたけど、「こんな素晴らしいドラマを堪能しているのはほんのひと握り、このドラマの良さをわかっているのは私らだけなんだ」って、むしろ誇らしかったわ。
なにより金栗四三の走る時の呼吸、「すっすっはっは」はウオーキング・ジョギングの時に取り入れるほど、影響をいまだに及ぼしているのです。
なお、みつきのベスト・オブ・ドラマはやはりクドカンさんの「あまちゃん」(2013年)です。

読者投稿欄も読み応えあり。この日は「裏金も文化なりとや自民党」「文化なら大革命で追い払え」の川柳が秀逸でした。

宝塚歌劇団問題(オピニオン面)。「私が初めて宝塚歌劇を見たのは小学6年生の時。そろそろ初潮で、女という性のままならなさに揺れていたころだ。目の前がぱ〜っと開けた」のくだりからぐいぐい読ませる記者の評論。
わかる、わかる。

100回目を迎える箱根駅伝。青学大監督と早大教授の問題提起(スポーツ面)。出場校の受け取る分配金がたったの300万円というのは初めて知ったし、収益を選手、大学に還元すべきという指摘には、読売・日テレ・関東学連はどんだけ儲けているんだ、と想像をたくましくした。箱根は、母校がいつもシード権なるか!レベルなので応援に力が入るのよねえ。

朝ドラ「ブギウギ」のオープニングで歌い踊る人形の仕掛けを教えてくれたラ・テ面。人形は木製で、顔は、のっぺらぼうなんですって! ほっぺがこけているのが毎回気になるので、ふっくらさせてほしかったなあ。

「文章の書き出しは凝りすぎるな、短文でわかりやすく」。「新聞記者の文章術」(地域総合面)より。なるほど。
ヘミングウェイも同じようなことを言っていた。「文は短く。最初の段落は短く。ムダな言葉は全部削れ」。ヘミングウェイも新聞記者でしたね。

くらし面の「脚立 正しく使ってますか 天板に立たず・座らず・またがらず」の記事は切り抜いた。実家に送ってあげよう。「天板に……」の見出しは五七五になっていてお見事。

「包括的性教育 人権から説く性教育『法整備を』」(教育面)は大いにうなずいた。
ウヨ・カルト・政治屋は「寝た子を起こすな」なんて寝ぼけたことを言ってるけれど、ネットに無修正画像・動画があふれているご時世ですよ。女性蔑視・LGBTQ差別を煽る間違った有害情報を真に受ける前に、きちんと学校で教えた方がいいでしょ。ユネスコなどがガイドラインを示して海外では普及しているのに、日本には足を引っ張るブルシット野蛮人がウヨウヨいる。実に嘆かわしい。

沖縄出身のラッパー、Awich(エーウィッチ)さんのことは初めて知った。「だから、Awichにひかれる。なめんなよ、と代わりに言ってくれている気がするから。わたしのなかにある反骨精神に気づかせてくれるから」(文化面)と女性記者。
Spotifyで聞いた。ヒップホップとはほとんど無縁だったので、ぶっ飛んだ。
「Bad BITCH 美学 Remix」、気に入った!
♪相手する暇ないの スケジールもpussyもめちゃタイト
♪見たい? 私のプライベート ならあなたは必要アップデート
♪しかもお前誰? 知らなーい!
♪文句があるならやってみろ 子育て仕事にピース・トゥ・ザ・ワールド
気にいったゾ!

https://open.spotify.com/track/0ldJSvsmLivbEDWjMl5K2d?si=nL9ItrTeTdqzr59giE_XMw

同じ文化面。「二審判決が確定していたら、どれだけ恐ろしいことになっていたか。愛国心を公益性の観点として使えばどんなことになるか。そんな二審判決への断固たるアンチテーゼを示した」。映画「宮本から君へ」への助成金取り消しは裁量権逸脱とした最高裁判決の意義。
「国からカネをもらうなら国を批判するな、国を賛美しろ」なんてほざく香ばしい方々がいるけれど、なに言ってんのゲロゲロって感じ。金は出すが口は出さない。これが芸術を理解しリスペクトする成熟した大人の文明国ってものよ。
大金持ちのロケット道楽や、某政党の万博遊び、口を開けばヘイトを垂れ流す自民党国会議員らに多額の税金をちゅーちゅーさせるぐらいなら、芸術を支援しなさい。

「秀吉の兵糧攻め後 おかゆ過食で大量死 」(社会面)。1581年の「鳥取の渇(かつ)え殺し」はリフィーディング症候群(低栄養状態から急に栄養補給すると発症)の、記録に残る国内初の発症事例だったんですって。少しずつ食べた者は問題なかった、と。一気食いはやはり体によくない。ためになるわ。
そういえば、私の大好きな映画「男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花」(1980)にも、沖縄から三日三晩飲まず食わずで柴又に帰ってきた寅次郎が鰻重に食らいつくのを、さくらや博が必死に止めるシーンがありました。

「しつもん!ドラえもん」(4939回)を読むと、ちょっと物知りになれる。今回は「超大型のパワーショベルが一度にすくうことができる量」。

広告も貴重な情報源です。とくに書籍。「女性自身」「女性セブン」「週刊女性」「週刊東洋経済」は見出しを見るだけでも十分おもしろい。「毎日の支出も見える化 クロワッサン家計簿2024」「遂に刊行!!大改訂 認知行動療法実践ガイド」は欲しくなった。「続窓ぎわのトットちゃん」。正・続一緒にクリスマス・プレゼントとして買おうかしら。もちろん自分用に。

28ページ、180円で、これだけの多種多様な知識を吸収できる媒体ってほかに思いつかない。
ここにあげた例だって、ほんの一部ですよ。ネットでこれだけの情報を知るにはどれだけの時間と手間がかかるでしょう。バッテリーをどれだけ消費するでしょう。目にどれだけ負担がかかるでしょう。
毎朝届く新聞には「250ページの文庫本1冊以上にあたる約20万字」(朝日新聞ちょい解体新書)の情報が詰め込まれているんですって。

定期購読の東京新聞も、記憶したい記事、コトバが満載です。マーカーでチェックして、iPadのメモに保存しているの。
朝夕刊の連載小説も楽しみ。あの作家がこんなおもしろい作品を書くんだって、他の作品を読むきっかけになる。「つながるオピニオン」は沖縄、宮城の地方紙の投稿が読めるし、時事川柳は「早すぎた歴史が証明あの国葬」(12月23日付)なんて皮肉の効いた投稿がたくさん。毎日掲載される「数独」は適度な脳トレになる。

「新聞ってすごいね」って、幼なじみで新聞記者のナツコに言ったら、
「でしょう。でも紙媒体はネットに押されて青息吐息よ」ですって。まさか週刊誌が書いているように消滅しちゃうの?

ナツコ(以下ナ)「消滅しないとは思う。取材して記事書く私らが消えたら、ヤッホーニュースもグルグルニュースも載せるネタがなくなっちゃうでしょう。
情報を掘り起こし、きちんとウラをとって報道する、権力の監視機能を果たす。こういうジャーナリズムの使命を貫くメディアがなくなったら、この国の民主主義は終わるよ」
みつき(以下み)「アメリカでは地方紙がなくなって、行政や議会の腐敗がひどくなったって記事読んだことある」
ナ「ニュース砂漠でしょ。メディアの監視がないと堕落するのよ、政治は。で、そのスキマをついて跋扈し始めたのが極右ネットメディア。トランプ元大統領のフェイク・デマや捏造ニュースを日々垂れ流し、政敵を攻撃している」
み「この国も他人事と言ってられない」
ナ「だよね。ところで、新聞好きのあなた、私んところの新聞は読んでるの?」
み「社論がねえ。私に合わない」
ナ「そっか。仕方ないわね。でも、そこで働いている記者が全員社論を容認していると思わないでね。私みたいに辟易(へきえき)している記者もいっぱいいるんだから」
み「そうなんだ」
ナ「そうよ。そもそもうちの記者って、私もだけど第一志望の新聞社に落ちて、ここしか受からなかった手合いがほとんどだからね。チャンスがあれば他社に移りたいって、みんな思ってるんだから。あーあ、地元に帰って新報かタイムスでバリバリ記事書きたいなあ」
み「それいいんじゃない。そしたら電子版で購読するよ」
ナ「チャレンジしてみようかなあ」
み「なんか、私も帰りたくなっちゃった」
ナ「帰りたいねー」

♪海の青さに 空の青 南の風に 緑葉の♪ 故郷を思い浮かべる二人でした。

が、突然見つめ合い、ため息をつく。
二人の脳裏に次に浮かんだのは、わした島ウチナーの風景を切り裂く爆音でした。

※参考
芭蕉布(作詞:吉川安一、作曲:普久原恒夫)

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