未収束の原発と、現実と、希望

東京電力福島第一原子力発電所の事故に関して、
業務上過失致死傷罪の刑事訴訟を行っていた件。

9/19、旧経営陣３名全員無罪の判決が出た。
詳しくはこちら。

この判決には思うことがある。

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昨日までフワフワポエムってたのに
今日はこれかっていう迷走ぶりには自覚有り。

でも、私がこれまで日常を綴ってきたとしたら、
そこからはみ出るものではない。

原発事故とその収束作業は、
私にとって日常に含まれるのだから。

とにかく、
浜通り出身者としては、納得がいかないので、
問題提起と、希望を綴りたい。

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個人的感想

今後の日本の電力事情を考えたら
今回の判決は、やむを得ないのかもしれない。

民事訴訟じゃなくて刑事訴訟っていうのにも
無理があったかもしれない。

「当時の法」に照らせば、
対策の義務は無かったかもしれない。

でも、個人的には実に不当に感じる。

首都圏の利を取って、
福島の土地と住民は使い捨てかい？

判決にそういう意図が無いとしても、
私はそう感じてしまった。

原発から40kmの人間さえこう思うのだから、
原発に近接する町の人々の怒りは計り知れない。

でも葛藤する。

結局自分も電気頼みの生活してるし、
現状として原発は容認せざるをえない。

でもやっぱり納得いかない。

感情でなく大局を見た判断なのだろうけど、
理解できても納得できない。

心は揺れるけど、
浜通り出身であるから、
私は中立的な考えはもうできない。
悲しみとか悔しさ抜きで判断できない。

綺麗な海を返せって思う。
稲穂揺れる平和な田園を返せって思う。

…ちょっと落ち着こう。

私は原告ではないし、関係者でもないけど、
ただ、この判決でいいのか？と疑問に思う。

ちなみに原告の方々については
福島原発告訴団と検索すると知ることができる。
（リンク先は告訴団を支援する団体）

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本当に想定外？

ところで、判決に際して
あれほどの大津波は「想定外」であるとされた。

ここで、2011年の日経新聞の記事。

福島第1原発、10メートル超の津波想定　
東電が08年試算　震災4日前に保安院へ報告
2011年8月24日 日本経済新聞
（抜粋）
福島第1原子力発電所に最大10.2メートルの津波が来て、押し寄せる水の高さ（遡上高）が15.7メートルになる可能性があることを2008年に社内で試算していたことを明らかにした。東日本大震災後、東電は福島第1原発を襲った津波の大きさを「想定外だった」と説明してきた。試算を踏まえて対策していれば原子炉が炉心溶融するという最悪の事態を回避できた可能性があった。

このことは9/19読売新聞や9/20中日新聞も指摘している。

「試算」であって「想定」ではないなんて、
言い訳にしてもほどがあると感じる。

裁判長の言い分も分からなくはない。
自然災害ばかりは未然に防げない。
危機や驚異を想定し始めたらきりがない。
限られた予算を、
起こりえない事象への対策には割けない。

でも！

別の事例で、東北電力の女川原発は、
貞観地震を想定して高台に作られ、
津波の被害を受けながら最悪の事態を回避した。
（出典はこちら）

メチャクチャな意見だという自覚はあるが、
宮城県民の安全を守った仙台にある東北電力と、
福島県民を危険に晒した首都圏にある東京電力、
という対比の構図を、
私の勝手な被災者意識が妄想させてしまう。

タラレバを言い出したらきりはないけど、
東北電力が発電所の設置段階で
津波を想定していたように、
東京電力も、どこかの時点で、
事故を防ぐ機会はあったはず。

そのうちの一つはは2008年だ。

事故は業務上の過失と言っていいと、私は思う。

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未来に望むこと

もし、
原発まだ揉めてんの？諦めわるっ
とか思ってる人がいるなら、
ガッツリ現在進行形だって知ってほしい。

補償とかそういうんじゃないんだ。
根こそぎ奪われたんだ生活も家族も。

誰かが罪を認めることよりも先に、
人を罪に問うことも相当の覚悟が必要なのだ。

その覚悟が報われる判決であってほしい。

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原発は嫌い。

でも無くしてはまだ生きていけない。
このまま電気に頼る社会が続いたら
再稼働するしかないとは思ってる。

ちなみに今の東京電力の電源構成は
火力が８割で、水力や太陽光は及びもしない。
二酸化炭素排出削減とか問題は山積み。
（出典はこちら）

生きるために共存はするけど、
許したわけでは決してない。

原発に替わるエネルギー開発が
早く進展しますように。

廃炉も、汚水処理も終えて、早く
人工的な汚染が浄化されますように。
（生きてるうちに見られたら幸運だろう）

双葉の、大熊の、浪江の、飯舘の、葛尾の、富岡の、小高の、避難を余儀なくされた人達や、その近隣で自主的に避難した人達の苦労が報われますように。

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あとがき

私怨…じゃなく私見をつらつら書きました。
正直言うとムシャクシャしてました。
読んでいただき、ありがとうございます。

うーん、結局感情論になってしまう…

この前自分で書いたばかりなのに。
感情論で安易に情報を広めてほしくないと。

なるべく出典を出すようにはしたけど、
自分が大衆報道を半分程度しか信用してないので
矛盾している気もするし…

まあ、とにかくムシャクシャしてました。
書いてスッキリしました。

共感しなくてもいい。
応援しなくてもいい。
批判してもいい。

ただ、現状を知っていてください。
電気を使う生活をしているのなら。

とりあえず夜ふかしダメだね…
電気消そうね…もったいない…本末転倒…
9/19 22時、もう寝よう、反省。

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参考

原発事故 東電旧経営陣に無罪判決
「津波の予測可能性なし」
NHK　News web 2019年9月19日 17時30分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190919/k10012089251000.html

福島原発刑事訴訟支援団
https://shien-dan.org/

福島第1原発、10メートル超の津波想定　
東電が08年試算　
2011年8月24日 20:38: 日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2403D_U1A820C1CR8000/

東電旧経営陣に無罪判決…
巨大津波対策、刑事責任問えず
2019/09/19　読売新聞オンライン 14:01https://www.yomiuri.co.jp/national/20190919-OYT1T50131/

「人災」の疑問は残る　東電旧経営陣に無罪
中日新聞ウェブ　2019年9月20日
https://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2019092002000137.html

福島原子力災害を経た原子力のあり方
女川原子力発電所が助かった理由
http://oceangreen.jp/kaisetsu-shuu/Onagawa-Tasukatta-Riyuu.html

TEPCO　電源構成
http://www.tepco.co.jp/ep/power_supply/