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コミュニケーションが上手な人の話し方「Power of AND」

新年度を迎えるにあたり、人事異動や転勤、あるいは新入社員が入ってきたり、昇進・昇格があったりと、仕事の環境が変わる方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。

最近は、リモートワークも増えて、なかなか新しい職場の仲間と打ち解けられないことや、部下とのコミュニケーションがうまくいかない。という方も増えているように思います。特に、リモートワークだと業務でのミーティング以外ではなかなか話す機会がありません。

昨年、職場で「世代間ギャップを感じる年齢差」という調査が発表されました。もっとも世代間のギャップを感じる年齢差は、10歳から14歳。ちょうど上司と部下くらいの年齢かもしれません。現代のように変化スピードが速くなると、世代間のギャップはこれからもっと近い年齢でも発生します。

しかし、そのなかでも世代間のギャップを感じさせず話せる人がいるのも事実です。

今回は、部下や後輩、同僚など、いろんな相手に対して、コミュニケーションがうまくなっていく方法について解説します。

1on1で部下からホンネを引き出すコツ

リモートワークが普及して以降、1on1ミーティングを導入する企業が増えています。

部下の様子がわからない分、上司と部下で意識的に時間をとって話をすること自体は意味がありますが、お互いにホンネの話ができなければ「ただの業務進捗確認ミーティング」に変わってしまいます。

私はこれまで人事として1on1ミーティングを何度も導入してきましたが、そのなかで確信していることがあります。

話す内容が決まっていない1on1ミーティングほど部下にとってストレスになる時間はない。

話す内容が事前に分からないなかであれこれ質問ばかりされても、聞かれた側は準備もできていませんし、逆に質問の意図がわからず、余計に話しづらくなります。

1on1ミーティングを成功させるひとつのコツは、毎回「何について話すのか」を事前に決めて、メンバーに周知しておくこと。

そうするとメンバーも準備ができますし、余計な緊張をせずに始めることができます。もちろん準備ができる分、ホンネが最初から出てくるとは限りませんが、最初の余計な緊張感がないだけでも、話しながらホンネを引き出しやすくなります。

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部下がホンネを話しやすい上司とは

1on1ミーティングをしたからといって、急に部下がホンネでいろいろと話してくれるということはありません。では、「部下がホンネを話してくれる上司」とはどういう人でしょうか。

それは、「部下のことを理解してくれている上司」です。

どんなに仕事ができる上司よりも、どんなに物わかりのよい上司よりも、部下は「自分のことを見てくれている、わかってくれている」と思える上司に、ホンネを話します。

これは上司・部下の関係にとどまらず、人は「自分をわかってくれている」と思う相手に信頼を置くものなのです。みなさんも振り返っていただくと、先輩、友人、家族、前の上司や同僚、人事の採用担当者など、ホンネを話せる人がどういう人かイメージできるのではないでしょうか。

しかし、部下の性格や考え方、仕事ぶりのすべてを理解しようとすると無理があります。それよりも、まず、部下の普段の仕事の様子、発言、周囲との関係をよく観察しましょう。会議のときにどんな発言をしているか、仕事以外の話題でどんなことに関心をもっているのか、また、同僚との関係はどうか、など小さな情報を集めることです。

そして、部下を褒めるタイミングをつくり、それまで自分が実際に見た事実に基づいて話をします。

「あの時こう言ってくれた。この時にはこういうことをしてくれた。」本人も忘れているような小さな事実を話すことで、部下は上司が自分のことをきちんと見てくれていることを理解します。

「上司が部下を理解するのには3カ月かかるが、部下が上司を理解するのは3日」

とはうまく言ったもので、実際この通り、上司が思うよりも部下は上司のことをよく見ている一方、上司はなかなか部下のことが見えてきません。まず「部下や後輩のことをしっかり理解する」ことに徹することが、部下のホンネを聞ける近道です。

相手が話しやすくなるコツ「Power of AND」


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いざ、話をするという場面になったときに、相手が話しやすくなるコツがあります。皆さんの会社や友人にも、不思議と話しやすい相手というのがいるのではないでしょうか。そういう人の話し方にはある共通の特徴があります。

それが「Power of AND」という手法です。とても単純なことですが、実はほとんどの人が無意識にまったく逆のことをやってしまっています。世界ではこの手法をトレーニングすることで、相手が話しやすい状態をつくる訓練をしています。

やり方はとても簡単で、会話のなかで相手の意見に対して返答するときに、逆説的な接続詞から始めないということです。
「けど」
「でも」
「しかし」
「とはいえ」

実際やってみると、自分が無意識に逆説の接続詞をたくさん使っていることに気づくと思います。とくに日本人は、口癖のように「けど」から話を始めてしまう人が多くいます。
その代わりに、
「そうすると」
「付け加えると」
「そのうえで」

といった「AND」の意味となる接続詞から必ず会話を始めるようにしてください。相手と反対の意見を言うときでも、あえて「AND」の接続詞から話を始めるだけで、相手はあなたの意見を聞きやすくなります。

人間は、相手に自分の意見を否定されると、仮に相手の意見が正しいことが分かっていても、逆の意見を探したくなるようにできています。しかし、お互いに否定しあっていると、「なぜか話しにくい関係」がいつの間にか出来上がります。

自分の会話のなかの「BUT」を注意深く見つけて取り除いてみましょう。仕事以外の場面でも普段から気を付けてみると、より効果的です。ぜひ取り組んでみてください。


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