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【本】ものごとに対し共感ではなく感銘をする「影裏 沼田真佑(著)」

あまり芥川賞は人気がなく最近は面白くないといわれてしまうが、読みやすくて読書離れした人や1-2時間時間が空いた人などには最適だと個人的には思っている。てか面白いし

影裏を読みました。予備知識がなく読んでいたので

「あれ?女性が主人公? ロートレック的な何かがあるのか?」

と思ってしまった。頭が固くていやになる。100頁もなく3回読み返しても新たな表現が発見できる物語でした。

川の流れ、釣り、着ている服それぞれを美しい表現で書きたてており釣りをしているシーンは見ている人たちは大体同じ景色を想像することができるきれいな文章だった。

書いている文章は「説明」に近く、日記のように物語を説明していく。しかしながら手法的には説明ではないので、裏側にある人の性格、性問題、家族と友人、3.11・・・しっかりとした説明はない。表で進んでいく会社のこと、日常のことをしっかりと説明し裏側を読者に読ませていく手法をとっていくことで何倍も読書の楽しさを伝えられた気がした。


「住宅1棟が全焼する火災には見向きもしないが、数百ヘクタールの土壌を焼き尽くす森林火災となると一転強い感情をみせ焼け跡を見に行った。」

「ものごとに対し共感ではなく感銘をする。そういう神経を持った人間なんだと思う」


うろ覚えですが、この表現おおおと思ったのですが僕だけでしょうかね。美しい表現はいっぱいあったんですが個人的にそうそうそうと思った表現でした。

なんと映画化するんですね!見に行かなくては。


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