マスクの下で修行中。筋肉痛よ来い。
笑顔には筋肉が必要だ。
うつになってからこっち、どんどん笑顔がなくなっていった。まだ仕事が出来ていた頃、接客業なので笑顔は作れていたけれどコロナが流行し、マスクで口元が隠れ出してからは「笑顔」がおざなりになっていたように思う。
目元だけで笑っていても、口角が上がらないままだと本当の笑顔になりきれない。実は見ているとそれがなんとなく分かってしまう。目だけ笑っていてもなあ、って。
そこで改めて笑顔を鏡の前で作ってみた。
にっこり口角をあげ、頬を持ち上げる。
お、おおう、つ、つら、辛い
仕事を始めた頃に習った笑顔の作り方を思い出してしっかりやってみれば、頬がぴくぴくする。口の周りがぶるぶるする。
表情筋が死んでいる。否、衰えていた。
一分ほど保ってみたら、その後、頬が痛い。引きつっている。
これは駄目だ、と察した。仕事とかそういうことはさておき、笑えないようになっているのはとても寂しいことだと思った。
うつで辛くて俯いて、パニック障害で電車の中で発作を起こして顔を歪めて落ち着こうとして、そんな半年を過ごしてきたから、表情を形作る筋肉も一緒に鬱になってしまっているのだ。
まだ頭の中は治りきれていない。
就活をはじめてみたけれど、実は主治医からはまだ早いと言われていたりします。けれど病院に行くにも薬をもらうにも、働かないとそれが出来ない。
正直、すでに外に出るだけでも、面接を受けるのも、面接のために連絡を取るのもかなり辛く、毎回息も途絶え途絶えになっている状態です。
けれど、やるしかなくて。
それならば、せめて笑う練習をしようと思ったのです。
鏡の前で口角を上げるだけでも、脳が錯覚を起こして楽しくなるというし、口角を下げて暗い顔をしていても前に進めないし。
つら、と思ったとき、マスクの下で無理やりに頬を引きつらせて、笑顔の筋トレをしています。
いつかどうか、これが本物の笑顔になってくれますように。
にこにこ笑っていられる筋肉が身につきますように。
笑顔に伴った心に変化できますように。
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