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OISTのサマープログラムOCNCに参加した感想・学びまとめ

6月24日から7月12日まで開催されたOIST Computational Neuroscience Course(2019)に参加をしてきたので、その内容と、感想・学びをまとめたいと思います。

OISTとは

沖縄科学技術大学院大学(通称:OIST)は、沖縄にある大学院大学です。最近だと、Nature Index年間ランキング(質の高い論文数における世界の研究機関ランキング)にて、東大や京大を上回り、日本トップの10位になったことで知名度が大幅に上がっている大学ではないでしょうか。
(参考:https://www.oist.jp/ja/news-center/press-releases/34019)
個人的に、OISTは、以下の3点において、日本の他大学と大きく異なる非常にユニークな大学だと思います。(手書きあまり綺麗じゃない。。。)

OIST Computational Neuroscience Course(OCNC)とは

そんなOISTで開催されたOCNCとは、その名の通り、計算論的神経科学にフォーカスを当てた三週間のサマープログラムです。
(参考:https://groups.oist.jp/ocnc)
本ブログのトップ画像が今回のサマープログラムの参加者なのですが、見て頂ければ分かる通り、ほぼ外国人です。まさにOISTの国際性を存分に活かしたプログラムとなっており、参加者32名中、日本人は私も含め3名、プログラム中の授業や、コミュニケーションは全て英語で行われるという純日本人の私からしてみれば泣きたくなるようなプログラムでした(笑)。ちなみに、週末ももちろん英語なのですが、英語のガイドさんと共に沖縄を観光したのはなんとも不思議な経験でした。

さて、そんなOCNC、プログラムの内容としてはざっくりと言うと、大きく講義と、参加者の個人プロジェクトに分かれます。
まず、講義は3週間を通じて、計算論的神経科学にて用いられる様々なツールのハンズオンや、世界各国から集まった教授陣によるレクチャーが行われました。具体的には以下のようなスケジュールでした。

Week 1: 主に各種ツールのハンズオン
Python, MATLAB, NEURON, Brian, Nest, STEPS, NetPyNE, Git

Week 2/3:教授によるレクチャー
脳の各機構の機能のモデリング、ニューロンの分類、ニューロンの可塑性のモデリング、脳機能イメージング技術、Brain-inspired AI、強化学習等々

内容は本当に盛りだくさんで、正直なところ全てを理解することは難しかったです。しかし、計算論的神経科学という分野がこれほど多岐に渡っているということ、またその全体マップが何となくですが、掴めたことが個人的には大きな収穫でした。


次に個人プロジェクトでは、参加者32名にそれぞれメンターがつき、メンターに相談をしながら計算論的神経科学におけるミニプロジェクトに取り組みました。このプロジェクトの内容も講義と同様、多岐に渡っていました。私は、ratの選択行動をモデリングするために強化学習モデルの構築に取り組んだのですが、初めて取り組む内容だったため、メンターとして一緒に取り組んで下さったCliffさんの知見を借りながら進めれたことが本当に有り難かったです。サマープログラムでは、講義を聴く形式だけのものも多くあると思いますが、やはり自分で手を動かして得る学びに勝るものはないなと感じました。

最終的には、三週間でのミニプロジェクトの成果を英語で5分間のプレゼンテーションで発表をします。これも純日本人にとって非常にハードルが高い訳ですが、留学前にこのような経験ができ、私にとって非常に貴重な機会でした。

感想・学び

最後に、この三週間を通じての感想と学びをまとめます。
まず感想としては、日本にいながら、このような国際的な環境で三週間も学ぶ機会を得ることができるOCNCは、海外に何かしら興味を持っている日本の研究者にとって、これ以上ない学びの機会だと心から思いました。さらに言うと、実は、このプログラム、参加費が一切かかりません(本当に驚き)。こんな最高な学びの場はなかなかないと思うので、(もちろん英語にハードルを感じられる気持ちはとてもよく分かりますが)興味のある方は是非申し込んでみてください。

また、学びとしては、ありふれていますがやはり英語でコミュニケーションをすることの大切さを強く感じました。プログラム中印象的だったのは、日本人を含め、アジア系の参加者は本当に真面目なんですよね。夜な夜な勉強するし、すごくハードワーキング。それだけ頑張っているのですが、やはり最後アウトプットするところで、どうしてもうまくいかない部分があり、すごく勿体ないなと感じました。このハードルさえ超えれれば、きっと研究者として日本人が生き残っていく道は大きく拓けるのではと強く感じました。
そして、そのためにも私はやはり留学。ここで自分自身の道も切り拓き、また将来の研究者の皆さんにも何かしら貢献できるよう頑張っていきたいと改めて思いました。

留学まであと約一ヶ月。これからは留学準備頑張ります!!

P.S. 以下の写真は三週間滞在した沖縄で撮った素敵な写真達。


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