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「みんなの進路委員会」がはじまります!

みなさんはじめまして!
「みんなの進路委員会」代表の谷村一成と申します。
この度、私が大学3年生の時に設立した「中央大学変人学部(現:変人学部)を「みんなの進路委員会」に名称変更し、NPO法人として登記を目指すに至った背景をお話したいと思います。

私は香川県出身の27歳です。朝は船の汽笛に起こされ、窓を開けると瀬戸内海の島々が見える。そんな環境で育ちました。野球漬けの日々から引退したあと、進学校に在籍していた私は大学受験の勉強をしましたが、特に疑問に思わず、国立大学でより偏差値の高い学校への合格を目指して励みました。

残念ながら希望の大学には合格することができず、東京の私立大学に入学したのですが、そこで出会った同級生の話を聞いて驚きました。AO入試、推薦入試などの多様な入試形態。国立大学こそが全てだった自分と全く違う「いい大学」に対する価値観。いかに自分が狭い世界にいたかを痛感しました。

さらに、インターンシップやボランティア活動などを通して、「中学生で起業した」「高校生でテレビのレギュラー番組を持っていた」「大学生で本を出版した」など、自分のこれまでの生活からは考えられないような進路や成果を出している同世代を目の当たりにしました。

また、大学2年生の夏休みのことです。上海外国語大学に短期留学した私は、そこで高校卒業後、日本の大学に進学せずに直接上海外国語大学に進学している日本人学生と出会います。「え、日本人って海外の大学に進学できるの!?」と、大変衝撃を受けました。

こうした経験を通して、環境の重要さを強く認識するようになります。まず、情報がない。多様な受験方法。多様な学生生活。世界に広がる進学先など。情報がないので思いつきもしないのです。たまたま思いついたとしても次のハードルが立ちはだかります。身近なロールモデルの欠如です。周りに海外進学した人がいない、周りにAO入試を受けている人がいない、など。身近に感じられないため、自分達とは別世界の出来事としか捉えられないのです。

環境を変えなければいけない。まずは、多様な選択肢を示そう。そして、身近なロールモデルを可視化しよう。そうして、2016年4月。大学3年生だった私は「中央大学変人学部」を設立しました。

当時の主なターゲットは大学1〜2年生でした。高校までは先生や親が、正解や模範を示してくれます。それを一生懸命目指せばそれでよかったのです。ですが、大学生になったとたん、自由だと言われる。授業は何を取るべきだろうか、課外活動は何をするべきだろうか、そもそも大学生活何を目指せばいいのだろうか、誰も教えてくれない。路頭に迷う新入生は少なくなかったように思います。これはひとえに、主体的に考え行動する力の欠如が原因だと思いました。そこで、自ら考え行動している同じ中央大学の学生が、自らの活動のきっかけや想いなどを話す授業をしようと考えたのです。授業を通して、考え方や行動を多くの1〜2年生は参考にすることができるだろうし、自分もできるかもしれないという勇気を与えることにもつながると思いました。当時、自ら考え行動する学生は、揶揄され、変人扱いされる風潮がありました。だからこそ、あえて自ら変人と名乗り、自ら考え行動することの何が悪いのかと開き直る、そんな意図を込めて変人というワードを選びました。

その後、私は社会人となり、変人によりアカデミックなアプローチを行う東京学芸大変人類学研究所と出会いました。そして、単独あるいは共同で勉強会を行うことを通して、変人という現象の面白さを知るようになります。多義的な変人。人々が変人に対して抱く印象の多様性。社会の中心化の圧力や異質な存在に対する排除の理論など。変人を探求することは大変奥深いものでした。これらの学びは、柔軟な価値観の構築や自らの行動を省みる際に有効なのではと感じるようになります。

また、引き続き大学1〜2年生の主体性の情勢にイベントなどを通して取り組んでいましたが、ある程度進路選択をしてきた大学生ではなく、まさに自らの進路に悩み、正解や模範・常識といったものの影響を強く受ける中高生の段階で、柔軟な価値観を構築すること、自らの行動を省みること、そして主体的に考え行動する経験を持つことが重要なのではないかと考えるようになりました。そこで、今回「みんなの進路委員会」を設立し、主要ターゲットを中高生へと変更することになったのです。

まだまだ知識も経験も足りない状況ですが、少しづつ支援してくれる仲間が増えてきており、今月からさっそく座談会やワークショップを開催する学校が決まりました。ぜひたくさんの方のご支援やご指導のほどよろしくお願いいたします。

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