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ジョージア | ミュージック・ジャーニーvol.22

皆さん、民音ミュージック・ジャーニーへようこそ。
今回は、黒海とカスピ海に挟まれたコーカサス地方に位置する魅惑の国ジョージアへ、駐日ジョージア大使館の皆様とともにご案内いたします。

ジョージアは、ヨーロッパとアジアの文明が交差する“民族の十字路”と謳われ、旧ソビエト時代はグルジアの名称で呼ばれていました。

かつて国内で180万年前の初期のドマニシ原人の遺骨が発掘され、これは人類がアフリカ大陸からヨーロッパ大陸に移り住んだことを示唆する、人類史にとっても価値ある発見といわれました。

経済面でも、世界銀行グループが毎年実施する「ビジネスの行いやすさランキング」において、世界第7位(2020年)にランクインし、近年、著しい成長を遂げています。

歴史ある温泉の街・首都トビリシ
トビリシは、ベネチアの商人マルコ・ポーロが「絵に描いたように美しい街」と称え、5世紀の創設以降、ジョージアの首都として国の発展を支えてきました。トビリシの“トビリ”とはジョージア語で“温かい”を意味し、温泉が湧く土地に由来しています。当時のトビリシ王が天然の硫黄泉の効能に驚き、この場所を選んだという伝説も残されています。以来、100カ所以上の湯治場と2,400カ所以上のミネラルウォーターの水源地によって自然の温泉郷が築かれ、市民生活の糧となってきました。マルコ・ポーロも訪れたという市街地の公衆浴場は、観光客にも人気のスポットとなっています。

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4世紀頃に造られた美しい古代遺跡ナリカラ要塞に連なるソロラキの丘には、「ジョージアの母」の像がそびえ立っています。高さ20メートルほどの巨大な女神像は、右手に剣、左手にワインの杯を持ち、「敵には剣を、友には盃を」という民族の精神を誇示しています。市街地のどこからでも目にすることができ、トビリシのシンボルとして市民に親しまれています。

またムツクヴァリ川に架かる「平和橋」は、2010年に完成した、旧市街と新市街を結ぶ歩道橋です。波がうねるような斬新なデザインで、橋の上から街を一望できることからトビリシの新しい観光名所となっています。

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年間500万人が訪れる観光大国
人口約430万人のジョージアには、年間500万人以上の観光客が訪れ、観光大国としても注目が集まっています。ジョージアには「お客様は神様からの贈り物」という諺があるように、人々は、どの地でも来客を温かく迎え入れ、おもてなしの精神にあふれています。

国内には、1994年に世界遺産に登録された「ムツヘタ歴史的建造物群」や、同じく1996年に登録された先住民が暮らす地域「上スヴァネティ」があり、近年では、新しくリゾート地も開発され、見どころが満載です。

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伝統に彩られた食文化
ジョージアは、温暖な気候と肥沃な大地に恵まれた農業国で、特にワインは8,000年の歴史があり「ワイン発祥の地」と呼ばれています。ジョージアワインは、大きな陶器を地面に埋めて熟成させるクヴェヴリという伝統的製法が用いられ、2013年にはユネスコの世界無形文化遺産に登録されました。

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ジョージアの食文化は伝統に彩られ、地域によって特色のあるハチャプリ(チーズ・パン)やヒンカリ(ジョージアの小籠包)のほか、鶏肉をニンニクとチーズのホワイトソースで煮込んだ日本でも親しまれるシュクメルリなど、多彩なメニューが揃います。

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ジョージアの音楽文化と民族衣装
コーカサスの山岳音楽ポリフォニー(多声音楽)は、紀元前1世紀頃から歌われ始めたジョージアの伝承文化です。その独特で調和のとれたハーモニーは、今に至るまで形を変えずに歌い継がれ、2001年にはユネスコの世界無形文化遺産に登録されました。

また、ヨーロッパとアジアの文明が交錯するジョージアが、さまざまに東西の影響を受けてきたことは、伝統的な民族衣装からも伺えます。多くの民族衣装のなかでも特に人気を集めているのは、“チョハ”と呼ばれる男性の正装で、その歴史は9世紀頃までにさかのぼります。ベルトに短剣、胸には“火薬入れ”という装いは、ジブリアニメ「風の谷のナウシカ」に登場する軍服のモデルにもなり、話題を呼びました。現在は、お祭りや結婚式など、特別な行事で着用される衣装となっています。

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民音では、2018年、ジョージア国立民族合唱舞踊団「ルスタビ」を招聘し全国で公演をおこないました。
「ルスタビ」は、1968年に創立されてより、これまで世界80カ国以上で5000回ものステージを成し遂げています。男性は、跳躍しながら空中で回転することで勇敢さを増し、女性は民族衣装“カバ”を身にまとい、直立で腕を水平に伸ばし優雅さを表現します。心の奥底に響く伝統音楽の音色、神秘的なオーラと超絶技巧が織りなす演目の数々は、世界で絶賛されています。

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今回は、同公演より、「女性の踊り・ナルナリ」、「チャクルロ」、「アブハジアの踊り」の3曲をお楽しみください。

1.「女性の踊り・ナルナリ」
「ナルナリ」とはジョージア語で「余りにも優美な。美。」を意味します。ジョージア人の女性の柔らかさや上品さを表すための踊りです。

2.「チャクルロ」
ジョージアポリフォニーの傑作で、1977年にアメリカ航空宇宙局(NASA)のボイジャー計画によって宇宙へと送られた曲です。ジョージア人の愛国精神が遺憾なく描かれています。

3.「アブハジアの踊り」
アブハジアは、ジョージア北西に位置する地域です。この踊りは非常に早く複雑な動きが特徴的で、つま先や膝を使った踊りが見どころとなっています。

ジョージア大使館推薦の音楽家
最後に、駐日ジョージア大使館より推薦いただいた「ジョージア国立バレエ団『スヒシュビリ』」をご紹介いたします。

ジョージア国立バレエ団「スヒシュビリ」は、1945年にバレエダンサーのイリコ・スヒシュビリとニーノ・ラミシュヴィリによって設立された舞踊団です。世界中でツアーをおこない、これまで9千万人以上が鑑賞しています。
クラシックバレエの特徴を活かしつつ、現代的な要素を加えた斬新なジョージア舞踊をお楽しみください。

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1.「忘れられない自由のエネルギー」
ジョージアの様々な都市を背景にした舞踊です。

2.「サミア」
タマル女王の歴史をテーマとしたダンスです。

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皆さん、ジョージアへの音楽の旅はいかがでしたでしょうか。
音楽の旅はまだまだ続きます。次回もどうぞお楽しみに。

協力:駐日ジョージア大使館
写真提供:ジョージア政府観光局(GNTB)

Min-On Concert Association
-Music Binds Our Hearts-

この記事は英文での提供もしています。
https://www.min-on.org/10260/min-on-music-journey-no-22-georgia/

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