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編集者の役割ってなんだろう?

「編集者」の仕事のイメージって、なんかぼんやりしていますよね。よく言われるのは「作家さんのところに原稿を取りに行ったりするんでしょ?」とか。伊佐坂先生のところに原稿を取りにくるノリスケおじさんのイメージでしょうか。

でも、漫画や文芸の編集者だけでなく、ビジネス書や実用書、雑誌、WEB媒体などの編集者もいますよね。「編集者に共通する役割とはなにか」って、実はけっこう難しい気がします。私の名刺には「編集者」と書いてありますが、自分のことを「編集者です!」というのは、なんだか恐れ多いんです。

それで今日、柿内さんがおっしゃっていて「なるほど!」と思ったのが、「作家の才能が、作家や編集者の意図を超えていく瞬間に寄り添うのが編集者の役割だ」ということです。

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こんなイメージです(手書きの雑な図でごめんなさい)。どういうこと? という感じだと思うので、詳しく説明します。

「キャラが勝手に動く」ためのお手伝い

よく、漫画家さんや作家さんが「キャラが勝手に動いていく」とおっしゃっていますよね。

本や映画などの作品を作るとき、ほとんどの場合は先に企画があります。「こういう企画で、こういうメッセージを込めた作品を作りましょう」というところから始まる。

しかし「キャラが勝手に動いていく」というのは、予定していた枠を「作者の才能」が超えていっている状態だと柿内さんはおっしゃっていました。そして、そういう作品ほどおもしろくなるのだと。

でも「元々の予定していた方向性や伝えたいメッセージがあるし……」といって、作者自身や周りが、作者の才能を枠内に押し込めてしまいそうになるときがある。

そんなときに、「いいんですよ、枠を超えて!」と言えること。それが編集者の役割なのだとおっしゃっていました。それから、枠からはみ出た才能をなんとか形になるように、でも良さは消さないように、誘導する。そうすると、予定調和でないおもしろい作品になるのだそうです。

いかに作者の才能を引き出せるか

これはキャラクターが登場する物語に限らず、ビジネス書や雑誌、WEB記事などにも通ずることだと思います。

作者や取材対象の才能を引き出し、ストッパーをはずすお手伝いをする。

「そう言うのは簡単だけど、じゃあどうすればいいんだよ!!」という感じですが、

作者さんや取材相手がのびのびと発言できるように取材を進めたり、余裕をもったスケジュールを組んで、印刷所やデザイナーさんに連絡したり……。

編集者が普段やる業務の「目的」として、「作者の才能のストッパーをはずす」ことを意識すればいいだけなのかも、と思います。

それがすごく難しいし、体力も精神力も使うのでしょうけれど……。

私も、クライアントさんへの取材や原稿整理など日々の業務の中で「予定調和になっていないかな?」「この人の才能が一番発揮されているかな?」ということをつねに意識していきたいです。



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