連載小説「天の川を探して」(5)出逢いの橋(ミムコさん企画「妄想レビューから記事」参加作品)
「三途の川」と聞いて、私はどきりとした。
子どもの私は「三途の川」が何か詳しくは知からなかったけれど、亡くなった人たちが渡る川だということをどこかで聞いていた。三人と一緒にいると不思議なことが起きてわくわくしていたけれど、そんなところへ連れて行かれるのだとしたら話は別だ。急に背筋に冷たいものが流れていく。
カズキが足を止めたのは、祠(ほこら)のすぐ近くにある山から流れる湧き水でできたような細く小さな川だった。狸川がゴーという音だとしたら、こちらはチョロチョロだ。ただの