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妄想レビュー返答

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こちらは、企画「妄想レビューから記事」の返答をまとめたマガジンになります。 企画概要はこちら。 https://note.com/mimuco/n/n94c8c354c9c4
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#妄想レビュー

「かぎ当番の小さなネコ」 ミムコさん「妄想レビュー♯19」参加作品

ね(ねずみ) うし とら う(うさぎ)  たつ(りゅう) み(へび) うま ひつじ さる とり いぬ い(いのしし)。 そのむかし、12ひきの動物たちは、「十二支」として、一年ごとに交代しながら、その年の「大将」にしてもらうことを神さまと約束しました。 * 12月の終わりに近づくと、毎年、足音が聞こえてきます。 その年の干支の動物が、新しい年のとびらを開ける「かぎ」を持ってやって来るからです。 その「かぎ」でとびらを開けると、次の年の干支の動物が待っていて、 また次

ミムコさん企画「妄想レビュー」より…いぬいゆうた:作『夜の笑い声』/朗読してみたよ

タイトルがわかりにくい! note内で無双の活躍を続けるミムコさん。つい先日は「縦スク文庫」なる新コンテンツも発表されるなど、世の一歩先を行く感覚の鋭さには舌を巻くばかりです。 私の「いぬいのラジオ(仮)」にも以前ご出演いただいたのですが、その時にラジオ内で朗読したミムコさん発の企画「妄想レビュー」に関連した自作小説をあらためて朗読コンテンツとして掲示いたします。 ちなみにミムコさんをお迎えした「いぬいのラジオ(仮)」はこちら! 聞き返してみると、改めて勉強になる部分が

【王来る】#妄想レビュー返答

僕らはカタッポスと呼ばれている存在。カタッポスはもともと「ふたつでひとつ」だったものが、その片割れと逸れてしまったものたちだ。 片割れと逸れ、且つ、持ち主にも忘れられている。それがカタッポスとしてこの世界にやってくる。 もしも相方が持ち主の手元にあって、ある日、部屋の隅--ソファの後ろや、引き出しの奥--にいるのを見つけて貰えると、カタッポスの世界から元いた世界に引き戻される。たまに忘れられたまま、相方が「片っぽだけになっちゃった」といって捨てられる時がある。相方もそれで生涯

【洲淡麗博士の研究記録】#妄想レビュー返答

■■■ はじめまして。我々は洲淡麗貞治研究会。我々の研究、いや我々が現在引き継いでいる研究を多くの皆さんに知ってもらうべく、この配信チャンネルを開設致した。 洲淡麗貞治博士は元はジョージ・スタンリーという日本に帰化したイギリス人生物博士である。 帰化する際スタンリーを「すたんれい」読みにしたのは「りい」という漢字で好みの文字がなかったからと聞く。そしてジョージを貞治にしたのは、偉大なるホームラン王から戴いたとのことだった。 「イギリスは野球が盛んではなかったのでは?」 「

芸術家の卵 【名探偵コスティーナ x ミムコさん妄想レビュー】

 立札には威厳があった。 「この下に私の最高傑作が埋まっている」 「事件の匂いがする。掘り出してはならない、だと」  ポアロに憧れる警部は、風に歪むつけ髭を気にしている。 「あの方の遺言でありますから」  町長は気が気でない。芸術家が亡くなって一週間。世界中から愛好家が訪れ悼んでいるというのに。 「一帯の土地を買い占めとは。埋まっているのは、利権がらみで死体、あるいは脱税の証拠」 「そんな」 「かばいだてするなんて、あんたもグルかね」  怒りで真っ赤になる町長。  はえとり

いつでも心は晴天で。【#才の祭】

「おひさまの下に出られないの」 夏なのに長袖の服。その手には、しっかりと日傘の柄が握られている。 彼女は、青空の下を歩くことができない。 彼女とは、偶然図書館で出会った。 僕の仕事は司書。予約していた本を取りに、そして読み終わった本を返しにくる彼女は、とても印象深かった。 夏でも、肌の露出が一切ない。 きっちりと肌を覆うかのように、黒色のロングワンピースにカーディガンを羽織り、あまり空調が効いているとは言えない図書館で、静かにハンドタオルで汗を拭っていた。 その

月の満ち欠け(#妄想レビュー参加作品)

まあるいまあるいお月様 今宵は満月 優しく明るい光が君の横顔を照らす 僕は、吸い込まれるように、君の細い手をとる 手をつないで歩こう いろんな話をしよう どこまでも続く散歩道 ふたりで過ごせる幸せを、まあるい月が優しく照らす ちょうど半分お月様 今宵は半月 あなたの声を聴きたくてドキドキしながら電話をするの こんなに長く一緒にいても、不思議ね、少し緊張する そんな私に気づかぬあたなは電話の向こうでおどけてる つられて笑う私をお月様も笑ってみてる カミソリみたいに細い月 今

「そんなあなたの国防システム」/妄想レビュー返答

『そんなあなたの国防システム』を読んで   甘利真里 著者はTUさん。 タツミユウだという人もいれば、辰田由衣だという人も、内田十緒子だという人もいて、正体はいまいちわからないのだが、そのかたが言うには、わが国の防衛は、とある組織が担っているらしい。 簡単に言ってしまえば超能力少年・少女を飼い殺して、常時国防を担わせているらしいのだ。 こどもたちはみなしごの中から選ばれるが、そんなに都合よく、超能力を持つこどもがみなみなしごなわけはないので、親はひそかに処分されたりとかもし

「月の缶詰1」作:望月みや/朗読してみたよ

念願かなって、望月みやさんの「月の缶詰」朗読をスタートします。スタート、というのは1~3に分かれているからです。 「月の缶詰1」から順に公開させていただきます。2と3は絶賛編集作業中ですので、少々お待ちください。 望月さんの原作はこちら! 実はこのお話、生まれるきっかけとなったのがミムコさんのコチラの企画でした。 で、私が投稿した【妄想レビュー】がこちら。 望月さんの手で描かれる、ユーモラスながらもちょっと泣けちゃうハートフルストーリーは「新しいお月見」企画で「三日

「月の缶詰3」作:望月みや/朗読してみたよ

望月みやさんの「月の缶詰3」の朗読をアップいたします。 5年の一度の「世代交代」のチャンスに向け、満月へと成長した「缶詰の月」。新月が迫る中、月と美晴はそれぞれの思いを胸に、ついに‶その時”を迎えます。 望月みやさんの原作はこちらから。心にきゅんと響く素敵なお話を朗読させていただき、本当にありがとうございました! そして、1話目と2話目の朗読はこちらから。 この3作は一気に続けて聞けるように、まとめたものをポッドキャストにも置かせていただこうと思います。続けて聞くと3

「月の缶詰2」作:望月みや/朗読してみたよ

望月みやさん作の「月の缶詰2」です。 缶詰から出てきて幼かった「月」が、次第に成長を遂げ、見守る「美晴」の心境にも変化が・・・。物語が動く、中編です! 望月さんの原作はこちらから! 「月の缶詰1」と「月の缶詰3」の朗読はこちらからです!「妄想レビュー」企画についても少し説明しています。 朗読お好きな方は、こちらもお試し&チャンネル登録していただけると嬉しいです。

月の缶詰 スピンオフ5

美しく晴れた夜 「そろそろかなあ。」 だいぶ細くなった月を見上げて呟く。 月とひと月を過ごしてから5年が経った。 あまりにあっという間の出来事だったことと5年間も普通の生活を送ったことで、あのひと月が夢だったのか現実だったのかは曖昧になりつつある。 この5年で変化したことは大してないけれど、あの頃よりは大人になったし、仕事もほんの少しできるようになったと思う。 今の生活に不満はないけれど、ふとした瞬間、ドレッサーの上に目をやってしまうこと自分を自覚している。 またねと言えな

妄想レビュー返答。痴話喧嘩をギターで再現した

妄想レビューへギターで返答するあそびに最近ハマッてまして。。。 (言ってる意味が分からないという方はこちら参照ください) 今回、返答する妄想レビューはこちら ユーモラスかどうかはさておき、空き缶をきっかけに揉めてる男女の会話をギターで表現してみました。 左右のチャンネルに振っているので、イヤホンで聞くとわかりやすいかもしれません。右が男で左が女です(←聞いたら、言ってる意味わかると思います)。 ケンカなんで、割れてる音もキンキン響く高音も何も処理せずそのまま出しました

「音缶」【痴話喧嘩】/妄想レビューからの合作(ミムコさん・ジユンペイさん・いぬい)

はい、やっちまいました! きっと私に対するアンチが発生することでしょう。ミムコさんとジユンペイさんの作品に何してくれたんや!と。 でもね、一応私も朗読する権利は主張できると思うんですよ。ここに至るまでの経緯はぜひ、ミムコさん・ジユンペイさんの原作記事でご確認いただくとして・・・。 これはね、私的には「挑戦」だと受け止めたわけですよ。「お前、自分で振っといて、読まんのかい!」と。 まあ、負け戦なんですよ。それはわかってるんです。でも「不戦敗は恥である」という春風高校光画