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今日のごはんと本 妊娠8ヶ月編 2/3(土)〜9(金)

妊娠29週目。
妊娠後期のマイナートラブルがあれこれと。
そして突き出るおなか。
へそのふちが盛り上がってきた。
前回の妊娠ではそこまでいかなかったけど、今回はへそが裏返るかも。ちょっと楽しみ。

2/3 土曜日 くもり時々雨

朝ごはん
みそ焼きおにぎり、ゆかりおにぎり、納豆。
睡眠2時間少しで、やむなく起き出す。
子どもの保育園参観があるため。
頭が重い。
それでも夫のおにぎりはおいしい。

保育園の参観は、保護者ひとりが子どもと一緒に過ごせるシステム。
夫と変わりばんこで子どもの横についた。
楽しそうに過ごしていて、ほっとした。
ただ、引っ越す前に都内で通っていた保育園がものすごくすばらしかっただけに(運営理念や方針、その実現方法、子どもとの向き合い方に、心から賛同できたし、子どももわたしも夫もに肌に合っていた)どうしても比べてしまう。
通ううちに、価値観が合わないところも見えてきた。
すべては子ども次第だけど、今後このまま通い続ける以外の選択肢も視野に入れておこう、と夫と話し合う。
このへんの肌感がパートナーと合っていることは、とてもラッキーだなといつも思う。
とりあえず、「節分に鬼が来て全力で子どもを怖がらせるイベント」はなかったから、その点はほっとした。
自分のときにはあって、恐怖体験として刻まれているから、もしあったら保育園は休ませると決めていた。
鬼などおらん、いるとすれば人間の心の中や、とわたしの心のなかに棲むナニワのおっちゃんも言っている。

昼ごはん
さばの塩焼き、白米、白菜と豆腐のお味噌汁。
参観後、くたびれたからどこかお店に寄って食べていこうかとも思ったけど、今にも雨が降りそうだったので、食材の買い出しを済ませて寄り道はせずに帰宅。
米を炊き、古くなってきた白菜と残りものの豆腐でお味噌汁にし、安くてピカピカだったさばを焼いて、定食風ランチにした。
焼いたさば、うまい!
お味噌汁であったまった。
がんばって作った甲斐があって、いい昼ごはんになった。

おやつ
ブラウニー、コーヒー。
昨日買ったブラウニーをおやつにつまむ。
そして、コーヒーがうまい。
幸せ。
ハニー珈琲のドリップバッグ、すごく便利。
香りがとてもいい。
昨日テイクアウトして飲んだカフェラテも真剣においしかった。
ファンになった。

夜ごはん
れんこんとスペアリブのスープ、さばの南蛮漬け、きのこの塩漬け、春菊のナムル、もち麦入り白米、いちご。
昨日読んだ『「ダメ女」たちの人生を変えた奇跡の料理教室』の影響で、骨付き肉を煮込んでスープにしたくてたまらなかったので、さっそく実行する。
ただし作るのは中華料理の蓮根排肉湯。
『あたらしい家中華』というレシピ本で読んで、いつか作ろうと機を見計らっていたのだった。
煮込む間、スペアリブ下処理の茹でこぼしが甘かったのか、くさみが気になったので、レシピにはないけど酒をどぼどぼ追加、しょうがもプラスで投入。
味付けは塩だけ、ひたすら煮込む。
その片手間に、副菜もあれこれ仕込む。
丸ごと買った白菜は半分を割いて、また塩漬けにする。
昼間使ったさばがまだ半身2枚あったので、明日の夕食用に南蛮漬けにする。
そんな感じで、午後は料理に没頭した。
昨日おとといと寝不足だから、気を抜くと寝落ちしそうで、とにかく料理しまくり体を動かしていた。
スープは最高の出来。
お肉はほろほろでやわらかく、れんこんもしっとり。心配していたくさみもしっかり抜けている。
南蛮漬けも上出来。がまんできなくて一切れ夕食に出した。
夫もおいしいとたくさん言ってくれて、うれしい。
食後にはいちごも食べた。あまい!
はずれなしなので安心して買える。
大満足。

その一方で、あんまりごはんを食べない子どもに、なんとか食べてくれと説得を続けて、ぐったり疲れた。
保育園でいろいろコメントされたことが、引っかかっている。
わたしが送りと迎えに時々しか行っていないので(仕事のため)先生はそれも気にしているみたいだった。
夫と密に連携を取ってるんだけどなあ。
育児を主導しているのはママ、という考えは、その状態がその地域のマジョリティとなっているから地域内に根付いているのであって、先生個人の問題ではない。
ただ、育児をママが主導していないケースもある、という視点がない場所に居場所を構えるのは、わたし自身がきつい。
子どもがのんびり過ごせるのなら、ある程度はがまんするけども。
人間は、内面(価値観や感情や考え方)を変える苦痛に耐えるより、内面に合わせて外面・外側を変えようとする傾向にある、という、ある本で読んだ一節を思い出した。
それを読んだときも深く納得したけど、改めて、ほんとにそうだなー人間、と今日まざまざと実感した。

読んだ本
読まず。
布団に入っても寝付けず。
妊娠のマイナートラブルに加え、寝不足、日中のあれこれが引き金になって、情緒がぐらぐら。
ふだんはフタをしている、やりきれないことや許せないことが、ぶわっと吹き出し、謎に大泣きした。
寝入りにぐずっている子どもといっしょくたに、夫にあやされて寝落ち。


2/4 日曜日 くもり

起きたら嘘みたいに気持ちがすっきり。
寝不足はまじでよくない。
参ったときはとにかく寝る。

朝ごはん
トースト、ベーコンエッグ、牛乳。
ベーコンエッグをトーストに乗せると『天空の城ラピュタ』のまねをせずにいられない世代の夫とわたし。
スルーする子ども3歳。
この子は宮﨑駿作品とともに育つわけではないんだな、という事実の大きさを朝からちょっぴり憂う。
けれど新しい世代の星が、きっとこの子たちを照らすはず、とも思う。

おやつ
チョコレートシュークリーム。
出がけに寄ったコンビニで、つい手が伸びる。
じっと腹を見る。

昼ごはん
魚介とトマトのバジルソースパスタ、サラダ、コーヒー。
出先でランチ。
キャナルシティのピエトロ。
おいしかったけど食べきれず、夫に1/3ほど食べてもらう。
日々子宮がふくらんでいくので、お腹のたまり具合を見誤りがち。

櫛田神社へ。
節分の時期だけ鳥居の前に飾られる巨大おたふくの口の門をくぐりに。
歩いていたら、咲きはじめの梅がふわっと香って、肌の細胞がそぞろにざわめき、春が来てる、と気持ちが一気にたかぶった。
四季が壊れかけいることに危機感を覚えていても、春を感じるとオートマティックに体は喜ぶ。
人間もとことん動物。

おやつ2
ホットチョコレート。
天神のシティーベーカリーにて。
妊娠してなかったら絶対飲めない甘さだけど、飲み干してしまい、嗜好がすっかり変わっている自分にワーオと驚く。
都内から引っ越したことに後悔は少しもないけど、徒歩圏内に大好きなシティベーカリーがないことだけが残念。
近所に出店してくれないかなあ。

おやつ3
いちご塩バニラ生どらやき。
前におすすめされて以来ずっと食べたかった、伊都キングのどらキングという名前のどら焼きにありつく。
おいしい!
誠実な味わい。
リーフレットの文章が熱量が高く愛に溢れていて、ついつい熟読した。
自分の言葉で率直に思いを綴った文章は、気持ちがいいし、胸に刺さって残る。
みにつまされる。

夜ごはん
れんこんとスペアリブの煮込み、春菊のナムル、きのこの塩漬け、野菜煮込みラーメン。
歩き倒してくたくたなので、昨日の作り置きで簡単にごはん。
生麺を買って帰り、れんこんとスペアリブのスープを、ラーメンにアレンジ。
具を取り出して、白菜とにんじんを投入し、ゆでた麺を入れ、塩こしょうで味を整えて完成。
やさしいおいしさで、するする入った。
しかし、今日はさすがに食べすぎである。

読んだ本
『黄色い家』
読みたくて楽しみにしてた積読本に、ついに手を出す。
のっけから熱中。
偶然ながらサイン本。
川上未映子さんは、自分にとって特別好きな作家さん。
昔、なにげなく立ち読みしていた早稲田文学に『わたくし率 イン歯ー、または世界』が載っていて、その新しさ、むきだし加減、言葉の正確さと繊細さに衝撃を受けて、そのまま読み通してから買って帰った。
歌手時代の楽曲の歌詞も、広がりがあって切実で好き。
大事に読みたくて、買ったあとにしばらく積んである本たちを、機は熟した、と思えたときに開く幸せ。


2/5 月曜日 雨

冬の朝のMacBookは、凍った石みたいに冷たくて、いつもわたしの指を拒む。
例年のことながら、慣れることがない。
キーをたたいているうちになじんでくるけど、毎日はっとする。
自分の一部みたいにいつもいつも触れていても、異物どうしなのだなあ。

朝ごはん
はちみつバタートースト、オムレツ、牛乳。

昼ごはん
トマトパスタ。
トマト缶とベーコンで作る、いつものやつ。
寒いから辛くしたくて、唐辛子とハリッサ多めで。
食べても食べてもまた食べたくなる。
トマト、罪なやつ。

おやつ
いちご、ブラウニー。
いちごってこんなにおいしかったっけ?
移住した先のいちごがおいしいからなのと、妊娠中で嗜好が変化しているからなのと、両方ありそう。
しかし理由はどうでもいい。
いちごをわたしはやまもり食べたい。

夜ごはん
ねぎとろ丼、納豆、さばの南蛮漬け、かつお菜となめこと豆腐のお味噌汁。
かつお菜のお味噌汁、だしが味わい深くて、好きになった。
ねぎとろもおいしい!
作り置きしておいた南蛮漬けも、しっかり浸かっている。

読んだ本
『黄色い家』
夢中で読みすすめていく。
読みながら、動悸がしたり、指が冷えたり、胃が熱くなったり。
感情とは身体感覚なのだと、改めて思う。


2/6 火曜日 くもり時々雨

朝ごはん
みそ焼きおにぎり。

昼ごはん
担々麺、杏仁豆腐、コーヒー。
前から行ってみたかった中華料理のお店へ。
ハイレベルな中華。
上品で繊細、だけど食べごたえもある。
明確に、こういう方向性のおいしさを味わって欲しい、という心意気のつまった担々麺。
しみた。
この前担々麺を食べにいったらいまいち好みに合わなくてしょんぼりした、その胸に残っていた気持ちがぱっと晴れた。
杏仁豆腐も並々ならぬおいしさ。
満たされた。
満腹になったうえに、妊娠後期で胃が圧迫されて、帰り道はのっそりのっそりスロウに歩いた。

夜ごはん
ジャーマンポテト、もち麦入り白米、かつお菜となめこと豆腐のお味噌汁。
膨満感が消えず、夜はほんの少しにしておく。
でもおいしくてそこそこは食べてしまう。それが夫のごはん。

読んだ本
『おかあさんの扉』13巻
13歳ってこんな感じなんだ、とにこにこして、時々声を出して笑いながら読んだ。
伊藤理佐さんと吉田戦車さんが、子どもの成長をさかなにちょくちょく飲んでいるのが、すごく好き。
卒乳したら、わたしもやろう。

『黄色い家』
子どもを寝かしつけて一緒に少し眠り、深夜に目が覚めて、そこからラストまで一気読み。
主人公が必死に、ひたむきに生き延びていく、その過程を一緒に駆け抜けた。
金はエネルギーそのもの、と叶恭子さんが本で述べていたのを思い出した。
金は状況に応じていろんな顔を見せ、人を激しく揺さぶる。心も行動も人生も。
物語の主人公は、金というある種のお守りを、積み上げては崩され、それを繰り返して、最後にはほとんど失ってしまう。
けれど、崩され奪われて消え去っても、降り積もって残る形のないものがある。
他者のために金を出す、自分の人生を差し出す、そうでなくても、人と人がつながることは可能なのだと提示するラストシーンは、今の社会を生きる自分にとって、ものすごく前向きな示唆だと思えた。
あととにかく、文章が最高。日本語の達人。
話し言葉に慎重に近づけつつも、作者のつむぐ文章の本質は、やっぱり詩だと思った。
昔、川上未映子さんとエレファントカシマシの宮本浩次さんが対談するテレビ番組を観たことがある。
「世界中の人におはよう! と言いたくなるような、そんな気持ちになる物語を」といったような内容のことを川上さんが語られていて(ただかなり昔のことなので記憶違いしているかもしれない)、その「おはよう!」の声と笑顔の明るさが今も私のなかに残っていて光っている。
この本もまた、わたしにとって特別な一冊になった。


2/7 水曜日 くもり

天気が不安定。
そろそろ晴れた空が見たい。

朝ごはん
納豆、梅干し、もち麦入り白米、白菜とにんじんと豆腐と玉子のお味噌汁、いちご。
夫が朝からしっかり和食のごはんを作ってくれる。
安心する。
取ってあったいちごの、最後のひと粒も食べた。
じわっとあまい。

昼ごはん
肉野菜そば。
豚肉と白菜としょうがを甘辛く炒めて、かけそばにのせ、フライパンでごま油をカンカンに熱したところに刻んだ青ねぎを放り込んで作った即席ねぎ油をまわしかけて完成。
ちょっと甘めになったので、七味もかけて。
食べたい味にしあがったし、あったまった。

おやつ
いちごチョコクリームパン、メロンパン。
小さめのパンだから、大丈夫、大丈夫。

夜ごはん
かつお菜とアンチョビのペペロンチーノ、さばの南蛮漬け、きのこの塩漬け。
夫がかつお菜で作ったペペロンチーノ、おいしかった!
家でつくるごはんの新しいメニューは、作る人も食べる人もテンションが上がる。
今日もよく食べた。

読んだ本
『煌夜祭』
すごく楽しく読んだ。
おもしろいファンタジーは心を遠くに飛ばしてくれる。作中のつらいできごとも、勇気を持って味わい尽くせる。
『レーエンデ物語』を読むまで知らなかった作家さん。
作者はもちろんのこと、こういう面白い本を、出版されて月日が経っても途絶えさせずに、書店に並べ続けてくれているすべての方々に、本好きとしては感謝が尽きない。


2/8 木曜日 くもり

朝ごはん
はちみつバタートースト、目玉焼き。

昼ごはん
肉野菜うどん。
鶏肉と白菜としょうがを甘辛く炒め、うどんにドン。
青ねぎも散らす。
あったまった。
寒いと汁そばを求めがち。

おやつ
チョコクロワッサン、クリームパン。
パン屋さんでクロワッサンが焼きたてと言われたら食べるしかないと思う。
おともは今日もハニー珈琲。
香りがすごくよくて、ふあーっとなる。

夜ごはん
鯛のお刺身、かつお菜のごまあえ、もち麦入り白米、納豆玉子、かつお菜となめこと豆腐のお味噌汁。
夕食は努力して控えめに。
最近ノンアルコールのウメッシュとゆずッシュをよく飲んでいる。


読んだ本

『ゆりあ先生の赤い糸』
号泣である。
年を重ねていくのが怖くなくなった。
きついことや怖いことは起きないと思える、というわけじゃなくて、きついことや怖いことが起きてもきっとやっていける、自分たちは強くあれる、そう思わせてくれるマンガ。
とにかく、すごく夢がある。
描いてくださってありがとうございます、と感謝せずにいられない。

『まんが親』
吉田戦車さんの育児マンガ。
妻である伊藤理佐さんの育児マンガの最新刊を昨日読んだいきおいで、こちらも読みはじめる。
おもしろいし、お子さんがかわいい。


2/9 金曜日 くもり

妊婦検診の日。

朝ごはん
みそ焼きおにぎり、玉子焼き。
子ども、保育園に行きたくないと大泣き。
夫のだっこで登園。

昼ごはん
スープカレー。
テイクアウト。
野菜たっぷりで満たされた。

おやつ
いちごのフルーツサンド。
検診の帰りに見かけてつい。
夫と半分こした。

夜ごはん
鶏肉と白菜と玉ねぎのクリームシチュー、ジャーマンポテト、春菊とバナナのサラダ、もち麦入り白米。
夫のシチュー、あったまる!
野菜もとろとろでおいしかった。

読んだ本
『料理のコツ』
宮内庁の料理人のかたの料理本。
戦後まもなくに書かれたものだけど、内容は古びておらず、文章がみずみずしくて、とても面白い。
血の通った言葉を読んでいると、ほっとする。

『ミトンとふびん』
吉本ばななさんの短編集。
しんとした気持ちで読み返す。
さらっと読ませるのに、ところどころで、ふっと気持ちを持ち上げて、ゆるめてくれる。
すごい技。


移住先で保育園に通いはじめた子ども、1ヶ月もたたずに、博多弁を習得しはじめている。
「◯◯けん」「◯◯と?」など、語尾が時々変化。
イントネーションも、たまに平板に。
かわいくてきゅんとくると同時に、生まれた場所で話していた言葉が、子どものなかで薄らいでいくことが、意外なほど強くさみしい。
関東出身の夫はわたし以上にさみしがっている。
夫ひとり東京弁話者という孤独(わたし自身は博多弁と東京弁のバイリンガルなので、孤独は感じない)。
家のなかでは、夫とこれまで一番よく会話してきた東京弁のままでいこうと思っている。長年東京にいたから、博多弁もちょっと怪しいし。
いまお腹のなかにいる子ふくめ、我々の子どもたちはバイリンガルになるのか、博多弁オンリーになるのか、行く末やいかに。



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