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映画の花束 〜 1本1本に想いを込めて #7<来日ゲストとの思い出:天使のヤナちゃん>

#6<映画の買付を決める瞬間>は


映画の公開前の宣伝活動として、マスコミ試写会を行いメディアに売り込んだり、一般試写会にゲストを呼んでトークイベントを行ったり、企業やお店などとタイアップをしたりと色々ありますが、最も大変だけれど楽しいプロモーションは来日ゲストを迎える事だと感じています。


弊社では、可能な限り監督や主演俳優を招聘しています。残念ながら7月10日に公開するメキシコ映画「グッド・ワイフ」では、監督と主演女優を招聘する予定でしたが、コロナ禍で断念しました。


ゲスト招聘は、フライトやホテルの手配、通訳さんの手配、ヘアメイクさんの手配、会食場所の予約、取材の売り込みなど、多岐にわたって細かい準備が必要です。


2015年4月18日に彩プロさんと共同配給した「ザ・トライブ」で、主演のヤナ・ノヴィコヴァちゃんがベラルーシから来日したのは公開の約1ヶ月前でした。「ザ・トライブ」は全て実際の聾唖者が演じています。ヤナちゃんも生後2週間で病気のために聴覚を失いました。


当然通訳は手話による通訳になるのですが、手話にもいろいろあって、ヤナちゃんの手話をさらに手話で伝えて日本語に訳す、ということが必要なこともあり、この時は取材以外の時間では、私たちアテンドチームはヤナちゃんとメモ帳に筆談でコミュニケーションを取り合いました。


ヤナちゃんは当時21歳、この子のどこにあの過酷な役を演じる度胸があったのだろう?と思ってしまうくらい、外見はまだ幼さが残るロシアの美少女、という雰囲気でしたが、仕事に関しては超プロフェッショナルでした。


私も近くで見て初めて知りましたが、手話ってまさにボディ・ランゲージ、すごく体力を使いそうです。なのに丸3日間、朝10時から18時までの分刻みの過酷な取材を、全く弱音を吐くこともなく誠実に、しかも笑顔でこなしてくれたのです。


取材した全ての人が、天使のようなヤナちゃんの微笑みと人柄に

ノックアウトされてました。


フリーの日はたった1日しかなくて、渋谷でショッピングなど楽しんでましたが、東京観光すらゆっくりさせてあげられなくてごめんなさい、という気持ちです。

ヤナちゃんの帰国日、成田で涙涙のお別れになってしまいました。


ヤナちゃん、また来てくれたら桜の季節の京都に連れて行ってあげるからね!



つづく。



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