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映画の花束 〜 1本1本に想いを込めて #4 <「大いなる沈黙へ」公開までの長〜い道のり>

#3 <運命の映画との出逢い> は↓


さて、2006年のトロント国際映画祭で上映された映画が、

日本で公開されるまでなぜそんなに時間がかかったのか?

と皆さん不思議に思われることでしょう。


映画が日本で公開されるには、その映画の権利を買って日本で配給する


「映画配給会社」という存在が必要です。



最初にこの映画を見つけた当時に私が在籍していた配給会社では、社内の同意が得られずこの映画を買い付けることが叶いませんでした。その後吸収合併となり転籍した会社、その後に転職した会社でも、社内で提案してみましたが、

「長すぎる」

「退屈」

との意見が大半で賛同してくれる人はいませんでした。

紆余曲折した末に、フリーランスとなってミモザフィルムズを立ち上げようと思った理由はいろいろありますが、



この映画を配給したかったのが

一番の理由です。



実はトロント国際映画祭でこの映画を観た時に、


この映画を上映するのにふさわしい劇場は、

岩波ホールしかない!


と思い、帰国後にVHS(2006年にはまだまだVHSでした)を取り寄せて、当時岩波ホールの編成をなさっていた原田健秀さんに観ていただきました。原田さんは大変評価してくださり、ぜひ上映したいと仰ってくださったのですが、岩波ホール側にもいろいろ事情があって、決定には至りませんでした。

私の方も社長に岩波ホールが決まれば買っても良いと言わせるところまで説得していたのでとても落ち込みました。


それからは原田さんと顔を合わせる度に


「修道院の映画、必ずやりましょうね!」

が合言葉でした。


まさかそれが実現するまで8年もかかるとは

想像もしませんでした!


その間この映画の権利を持っていたドイツの会社の名前は変わり、担当者も変わっていきました。フィルムマーケットの度に私がブースに顔を出して、この映画が売れてないかどうかを確認していたので、

「そんなに欲しいならさっさと買ったら?」

と毎回言われてました。

そうして会社設立後の2012年のカンヌ国際映画祭でようやく買い付けることができたのです。嬉しい事に値段も6年も経つと格安です。


「持ってけドロボー!」です。



何より最もラッキーだったのは、私がこの映画を買い付けるまでの6年間、他にこの映画を買おうとする会社が無かったことです。





そう、この映画は私を待っていてくれたのです!




つづく。




#5<「大いなる沈黙へ」公開までの長〜い道のり パート2> 



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