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【最重要知識】性暴力被害に遭った際の初動まとめ

1.被害直後(~数時間)

・安全を確保する
まずは自身の安全を確保しましょう。加害者から離れて落ち着ける場所で心身を休めましょう。外出先で被害に遭ったなど、状況によってはすぐに近くの警察に行きましょう。

・証拠を残す(経緯や時間を記録、身に着けていた衣服等まとめる)
スマホでメモした内容を自分宛てにメールで送る等、客観的に時間を残すことのできる方法だとより良いです。身に着けていた衣服は警察に持っていくまでポリ袋、ビニール袋に入れて保管するのが良いです。

・シャワーは浴びない【重要】
非常に気持ちが悪いかもしれませんが、DNA等は性暴力という重大犯罪を立証するための証拠として大きいものです。証拠が残せるかどうかで、その後の刑事手続きに影響します。早めに、シャワーを浴びていない状態で証拠を残せるのが良いですが、シャワーを浴びてしまったという場合でも、長い時間が経っていなければまだ証拠が検出されることもありますので、諦めずに証拠採取をすることをおすすめします。

・信頼できる人に連絡する
精神的にも、身の安全のためにも、誰かに一緒にいてもらう(電話を繋いでいてもらう)ことが大切です。身近に頼れる人がいない場合は、ワンストップセンターに連絡することをおすすめします。

・ワンストップセンターに相談する(#8891)
 (・警察に通報する(#8103))
ワンストップセンターでは、性暴力被害に関する相談に乗るだけでなく、警察への同行や医師、弁護士の紹介等、長い期間に渡ってサポートが得られます。性暴力被害に遭った際、まずワンストップセンターに繋がることをつよくおすすめします。なるべく早く警察に通報できるとよいですが、状況によっては難しいこともあります。こちらについては項目3で記載します。

2.緊急外来に行く(婦人科ではなく緊急外来にレイプキットがある)

・傷や怪我がないかを診てもらう・アフターピルをもらう
望まない妊娠を避けるために、72時間以内に服用するようにします。

・性感染症の検査をする
被害直後の検査では、被害によってうつされた病気は分かりません。(潜伏期間が1か月程度あるため)しかし被害直後に一度検査を受けておくことで、元々自分が病気になっていたのか、加害者によってうつされた病気なのかをはっきりさせることができます。(裁判等で訴える際に加害者の過失であることをはっきりさせられます)
被害に遭ってから1か月後くらいに、もう一度検査をすることをおすすめします。1か月後の検査で、被害時に感染症をうつされていないかどうか結果が出ます。

(・証拠を取ってもらう)
後ほど記述しますが、警察を通して病院に行った場合は、加害者のDNA等犯罪を立証するための証拠を病院で採取することができます。

3. 警察に行くかどうかの決断について

警察に行くかどうかは自分の意志で。後悔しないために社会資源を遠慮せず使いましょう。
 
・自身の安全を確保するために警察に行くという考え方
犯人、加害者に脅されている場合は、警察に行くことに非常に恐怖を感じることと思います。筆者の場合も、誰にも言うなと脅されていたため、通報をすることで報復を受けるのではないかと怖かったです。ケースや加害者との関係にもよりますが、筆者のケースでは加害者が見知らぬ人であったため、加害者が分からない場所へ避難したうえで警察に通報しました。その後も常に誰かと一緒にいてもらうようにしました。当初あまりの恐怖から警察には行きたくないという状態でしたが、周囲やワンストップセンターに状況説明をし相談したうえで、警察に行った方が安全だと判断しました。後から振り返ると、早く警察に行ったことはとても良かったです。

・被害届を出すかどうか(捜査をしてほしいかどうか)
その時処罰感情が湧いてこなくても、恐怖によって「加害者への怒り」が感じられていない場合があります。(被害届を出さないのはほとんどの場合、恐怖ややむを得ない理由からです。)時間が経って後悔してしまうことも。しかし、被害直後に被害者が一人で刑事手続きをすることは、かなり精神的負担がかかるものです。だからこそ、周囲の人の協力が重要になります。周囲の人の協力を得ることが難しい場合は、ワンストップセンターの支援等、社会的資源を遠慮せずに利用しましょう。
 ケースによっては、警察が被害届の受理を拒むこともあります。被害者一人で対応した際などは、被害届の取り下げを促されたり、被害者側も精神的負担からそういった決断をせざるを得ない状況になってしまいがちです。被害者一人にこういった警察対応の負担をさせないよう、ワンストップセンターの方や、保護者、家族に同伴してもらうことがおすすめです。
 筆者の場合は、ワンストップセンターの方に同伴してもらい、ワンストップセンターの方が、その知識から警察の方との間に入って、わたしの様々な希望を伝えてくれました。(仕事を休む必要があり、診断書をもらえますかということや、現場検証の際に周囲に警察と分からないように車両や服装を変えてほしい等)被害直後でそういった希望や、不安なことなどを上手く伝えられない状態で、ワンストップセンターの方のサポートは本当に力になりました。

・警察に連絡しないとDNA等の決定的証拠は残せない
犯罪を立証するためのDNA等の証拠採取は、警察を通してでないと病院で対応してくれません。(対応してくれる病院もあるかもしれませんが、筆者の方では正確に把握できていません...。)
 筆者の場合は、被害直後にアフターピルをもらいに行った病院で証拠の採取をお願いしてみましたが、警察からの依頼でないと証拠は採れないと言われてしまいました。当初警察には怖くて行きたくないという状況でしたが、後々訴え出ればよかったと後悔するのが嫌だったので証拠は残そうと考えていました。そのため、時間は経ってしまいましたが翌日警察に行き、刑事さんの立会いの下、警察の側で予約をしてくれた病院で証拠採取をしました。

刑事手続きはどこでも、途中で辞めても良い。訴え出ることだけでも大きな意味がある

ここまで書いてきた事柄を、1日~2日でやることは本当に大変なことです。
被害届を出したあとは捜査も始まり、加害者が無事逮捕されれば、裁判をすることにもなります。とても長い期間、それぞれの段階で難しい決断を重ねていくことになります。それは加害者と闘うことの始まりでもあります。
訴え出ることを被害に遭った方に「強制」することもできません。しかし、これらのことを経験した筆者個人としては、「被害を訴え出てよかった」と感じています。被害を訴え出たことで、被害に遭ったことによる通院代や、のちの精神的苦痛のカウンセリング代等も、自身で負担することなく被害回復に努めることができました。一人で闘うよりも社会的資源と、多くの人の協力を得ることができます。

たくさんのことを書いてきましたが、ここまですれば初動としてはかなり十分です。もしもの時のために、自身でなくても家族や大切な人のためにも、覚えておくと良い知識です。

もしも被害に遭ったら
被害に遭われた直後は非常に動揺して、どうしたら良いか分からない状況になってしまうものです。そういったことは当然の反応で、あなたが弱いなどということは決してありません。以上に書いた事柄をしなかった、できなかったとしても、決して悪いことではありません。自身の心身を一番大切にして、ゆっくり休養をとることが大切です。


※こちらの記事内容は、筆者の経験から必要だと感じた知識をまとめたものです。それぞれの被害ケースや状況によって対応も変わってくるかと思いますので、あくまでも参考としていただければと思います。
※被害に遭った際は、専門の機関に相談しましょう。
※被害後の対応を簡単にまとめた記事になるので、それぞれの項目の詳細は別記事で追記していきます。