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スペイン巡礼 おばちゃん一人旅 2022年6月 ⑤ 私の洗濯物はどこ?

2022年6月4日 1日目その1
パンプローナ(Pamplona) - プエンテ・ラ・レイナ(Puente la Reina) エウナテ(Eunate)教会経由 27キロ 

洗礼を受ける

昨夜は初日にして早くも「2段ベッドの大部屋」の洗礼を受けた。
確かにいびきの大合唱。上からも周りからも。でも私は自分もいびきをかく自覚があるので、お互い様と寛容である。

それよりも怖かったのだ。

上段に寝る大柄のお兄さんが寝返りを打つ度に、ベッドが揺れて大きな音で軋み、上段のマットレスを支える木の板が目の前でしなる。上のベッドが落ちてくるのではないかと怯えた。

そんなワケで寝不足の朝。6時起床。
いよいよ出発の日。7時には出たい。

でも、私の洗濯物が戻ってきていない。

昨日、洗濯物を宿屋にお願いした。日本を出発してからの2日分。自分で洗濯するものと思っていたが、ここの宿の洗濯システムは宿におまかせ。洗濯物を渡せば乾燥して就寝までに戻してくれる。7ユーロ。

寝る前にスタッフが来て、洗濯に時間がかかっているけど、終わり次第ベッドの端に置いておくからと言っていた、と思う。

でも朝になってもベッドには洗濯物の姿形がない。

スタッフを探すが、宿には常在していない様子。朝食を食べながら、連絡先を探す。電話番号が見つかり、スタッフに繋がった。

洗濯物が戻ってきてない旨を話すと、昨夜遅くなってしまいまだ乾燥機の中だと言う。

探しに行くと、乾燥機の中の物は確かに私の衣類。でも靴下2足の片方ずつが見あたらない。

キョロキョロすると、乾燥機の前にある洗濯機の前に落ちている。

これはひょっとして... 湿ってる。

よりによって、ウール混紡の一番乾きにくいもの。

7ユーロ払ってこれかあ。ため息。
でも、パリで長年仕事をしている友人は、こんなことで怒ってはいけない、ヨーロッパでは日常茶飯事なのだから、ときっと言うだろう。大事なことは人任せにはしない。最後まで確認する、と。以前似たような件で愚痴った私に返ってきた言葉。

これもまた一つの洗礼であった。

サンティアゴ巡礼のシンボルのホタテ貝。大きい貝が売り切れだったのでピンを買う。


バックパックを運んでもらう

悩んだ挙句、バックパックを運んでもらうことにした。

私のバックパックはおそらく8キロほど。水を加えると9キロちょっと。
出発前に出来るだけ荷物を減らしたが、背負って毎日20キロ以上歩く自信がないまま出発地点まで来てしまった。四国遍路の時は7キロほどの荷物を背負って毎日歩いたが、今回は寝袋など荷物がもう少し多い。それにあれから6年経っており、十分なトレーニングもせず来たので今ひとつ脚にも自信がない。背負って短い距離を歩くか。ウダウダ悩む。

結局、業者に27キロ先の次の宿まで運んでもらうことにした。

前日までに集荷依頼をし、業者の封筒に宿名を書きお金を入れて荷物に括り付ける。当日の朝8時までに所定の位置に置いておくと、2時までに宿屋に届けてくれる。5ユーロ

このカミーノ(スペイン巡礼路)にある素晴らしいシステム。

宿のスタッフは私に業者の封筒を渡しながら
「荷物を運んでもらうといいよ。プエンテ・ラ・レイナまではペルドン峠の登りもあるし、何より、その後の石ころゴロゴロの歩きにくい下り道があるからね」
と言って、業者に集荷の連絡をしてくれた。

というわけでで、デイパックに雨具とおやつと水を入れて身軽に出発。
自分を巡礼者と呼ぶには気が引けるが、私にとっては毎日歩き続けることが何より大事。

身軽になった分、どこまでも歩ける気がする。

デリバリー業者は2〜3社あり、巡礼者が泊まる宿には封筒が必ずある。


1日目その2につづく

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