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祈り

私の世界をそっと包み込んで、守ってくれる柔らかで優しい繭。

水面に広がる泡のように、夜空に浮かぶ花火のように、そして心から想いがふつふつと沸き立つように、暗い底から目覚める無数の祈り。

ことばの海をただよううちに、ボートはどんどん流されて、どこへ向かうのかは誰も知らない。


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少し長めの旅から帰ったら、Kojiさんから温かいことばと共に、素敵なブックカバーが届いていた。

以前から気になっていたカバーを2つ、どちらもお願いすることにした。自分の目で見て、触って確かめて、どちらを使うか決めたいと思ったから。

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『ことばの海』

ブルーの海にただよう宝石みたいなキラキラたちがなんとも美しく、パッと目をひく色づかい。折りたたんで置いたとき、不思議と裏表それぞれの面ごとにがらっとイメージが変わる。


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『祈り』

闇に浮かび上がる、白い無数のひかり。誰かの想いや、ことばの生まれるところのような、深い底をのぞき込んだような、不思議な空間。


どちらもとても素敵な絵柄だったけど、私の宝物を包んでいてほしいと感じたのは『祈り』の方だった。

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神様のボートにのってしまったら、もう戻ることはできない。

あなたにたどり着くまで。


普段は静かで穏やかに見えるけど、荒れ狂ったらひとの手には負えない、深くて暗い海のような女とその娘の旅路を描いた作品。


狂気の物語、と著者本人が言うくらいの本だ。


これ!というものに出逢えてよかった。

これから私の世界を、この『祈り』が守ってくれる。


『ことばの海』の方は、自分で別の本に使うのも良いし、これがとっても似合いそうな大好きな友達が思い浮かんでいるので、彼女へのプレゼントにするも良し、どちらにしようかまだ決めかねている。


また、明日から短い旅に出ることにしている。

旅のおともに、『祈り』とこの本とが、私のお守りになってくれそうだ。





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