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自由人

後日談。

週の半ば、アルゼンチン人の友人からメッセージが届く。
「こっちに戻ってきてるから、お茶でもしようよ!」
あれ、しばらく祖国に帰るんじゃなかったの…?
子供達は…??
疑問符だらけで、好奇心も伴って、とりあえずお茶をすることにした。

4か月ぶりに会う彼女。
カフェに着いて開口一番、こう言った。
「いろいろ旅行に行ってきたの。日本以外のアジアの国が知りたくて、タイ、マレーシア、ベトナムを3か月かけてゆっくり旅行してき
たわ。」
はい????
お喋りな彼女は私に質問させる隙を与えない。

どうやら話をまとめると、40歳を記念して彼氏がアジア旅行に誘ってくれたから行ってきちゃった!ということらしい。
今まで恋人と二人で旅行に行ったことがなかったからラブラブ旅行というものをしてみたかったの ♡ だとか…。
なんというか、返す言葉もない。

そのためにわざわざ裁判所を通して子供の監護権を子供の父親に引き渡す手続きや、もう一人の子供(高校生)の受け入れ先家族(見ず知らずの他人)を探すって…。
なんていうか本当に信じられない。
だったら最初から本当のことを元カレである子供の父親に話して3か月預かってもらえるよう交渉するとか、高校生の子に至っては友人や知り合いの家族に頼むとか方法はいろいろあるはず。
なんていうか、なんていうか、もう、自由人!!
どんだけ人を振り回すんだ、この人は。
私なんて全く無関係なのに子供の父親の心情とか、子供たちに与える様々な影響とか考えて悩んじゃったよ。

詳しくは聞かなかったけれど、元カレが100%面倒をみるのは物理的に結構大変そうだったのでまた半々で面倒をみることになるんだと思う。
元カレが面倒見切れないことを見越しての作戦だったのかも、と今は思う。

「4歳の男の子の反応は?」
一番気になっていたことを聞く。
「最初は嫌がって会ってもくれなかったけど、もう大丈夫だよ。」とのこと。
何をもって大丈夫と言っているのか全く不明だけれど、きっとあの子の記憶には刻まれているだろうな。
人間不信に、女性不信にならないように祈るのみ。
人を疑いながら生きるのは辛いことだと思うから。
15歳の女の子は来月からまた一緒に暮らすらしい。
彼女はもうきっと母親のことを信用しないだろう。

その後も旅行がどんなだったかをひとしきり話して、日本と旅行先の雰囲気の違いに驚いただとか(そう、アジアは広いんだよ)、ベトナムはビーチが綺麗じゃなかっただとかひたすら旅行話を続けていた。
そんなかんじで彼氏と3か月旅行をし、最終的には喧嘩して別れたらしい。
なんだそりゃ。

ちなみに裁判所を通してオフィシャルに監護権を手放したんだから、元カレからの養育費も、行政からの独り親のための支援金ももらえなくなるんだけど、そこんとこよくわかってるのかな…?

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