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ささやか物語17〜35歳仮面〜

素晴らしく放置してしまった間に
35歳になってしまった。
もはやアラサーではなく、アラフォーに突入。

久々のささやか物語は、アラフォー突入のみみのお話。

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2月8日。0時。
35歳になった。

気づいたのは0時20分。
「あっ。。」
最近、入れた語学学習アプリをポチポチしていたら35歳になっていた。
アプリでフランス語を面白半分に学んでいて、いつまでたっても猫や馬を数えてる…

「いつまで猫数えんねん!」なんて呑気に突っ込んでいたらアラフォーに突入していた。旦那がYouTubeを見ながらこちらノールックで「おめでとー」とやる気のない声をかける。

0時きっかりにメールや電話、SNSが鳴る
事もなく…

あぁ10代20代の誕生日は人生の一大イベントみたいに友人と飲みに行って
0時になった瞬間のクラッカーや無駄なジャンプが懐かしい。

いつの間にか
自分が36になるのか35になるのか分からなくなって…ひたすらに前厄か後厄かの心配をするくらいには誕生日の価値は変わった。

世の中、自分が誕生日だろうがなんだろうが仕事はあるし、
「私!今日誕生日なんです!」なんて職場に宣言もしない。

35歳初日も通常営業だった。
なんなら23時までオンラインミーティングをセットされる。
そう。当たり前だが、私が誕生日であろうが、なかろうが、世界は回っている。

SNSにチラホラ届くバースデーメッセージ。
今や平均年齢の上がったFacebookに続々と仕事関係の先輩方からメッセージが入る。こうゆう時の年配者の律儀さは本当尊敬する。誕生日にしか連絡取らないけど。嫌じゃない。

そんなこんなで、夜に好きなワインを飲んで、旦那が珍しく夕飯を担当し、それなりに誕生日終了。ケーキは後日、好きなものを食べよう。次の休みに寿司でも行こうか…なんてサプライズも何もない会話をしながら…

翌日…
なんだか…モヤモヤとしている自分に気がついた。

なににモヤついているのか、、すら分からなかった。
ただ、何かに疲れを感じていた。

ホルモンかな、、
誕生日をとびきりに祝って欲しかったのか??いや違う…
なんだろ、、とモヤつきながら休日を迎えた。

珍しく東京に雪が降り、外出も面倒だ。
ソファでゴロゴロしながら動画を見ていたらあっとゆうまに時間が過ぎていく。
ご飯を作り、片付け、今日も一日が終わる。モヤモヤはあるけど、別に生活へ何も支障はない程度。

お風呂に入り、肌の手入れをし、寝る。ルーティン。

その時、、久々にもらったお香を炊いた。

…ん??

なんか心がムクムクと…動いている。

間接照明をつけ

おっ…

なんか良いムードだ。なんだ。なんだ?
せっかくだから、お気に入りの紅茶を入れて
20代に聞いていたクラムボンのベストアルバムを流す

おおおぉ!きた!きた!きた!


なんか…心が…

ときめいている!!!!!


そう。一人暮らしの夜。よく、間接照明にお香、好きな音楽を流し、今で言うチルなタイムをしていた…あの…夜のワクワクした感覚がムクムクと湧いてきた。

お気に入りのヴェレダのマッサージオイルを引っ張り出し、ひとり癒しタイム突入


あぁ…わたし…ワクワクしたかったんだ。


心の奥深くにあった気持ちにそっと触れた気がした。

35歳になって、、

なんだか利口に処理できることが増えて

全てわかったような顔して

役割をこなせるようになって

いろんな責任を背負って

周りを見渡せば、
収入もあって、仕事もあって、支えてくれる人がいて、期待してくれる人がいて
困らない程度の物が揃っていて
年相応の

恵まれている不自由ない生活が広がっている。文句などない。
世界から見たら、誰かと比べたら、贅沢な悩みかもしれないけど
けど…けど…

なんだか、いつの間にか、年相応の仮面をかぶる事に慣れてしまって。疲れた。

仮面の下の下の下には

6歳の走り回る私
12歳の可愛い物が好きな私
18歳の恋する私
20歳の夜更かしが楽しい私
25歳のがむしゃらな私
30歳の不安な私

がいて

いつだってワクワクしたいし、わからない事も沢山あるし、

お利口さんなんかじゃない


私がいた。
いつしか、その私を忘れて、薄っぺらい仮面で生きている息苦しさがモヤモヤしていたのだ。

外は35。中は12。
さい
くらいなのだ。結局。

たまには、昔の私に戻って、ワクワクする事を許してあげよう。

モヤモヤが溶けていく気がした…

次の休みは

ヒール履いて、お気に入りのワンピで、カフェにでも行こうか。
仮面の下の私に出会いに。

誕生日おめでとう。自分。



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