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学校ナッジ「廊下を歩く文化」の作り方⑤【行動経済学×生徒指導】

前回のあらすじ


前回の記事では、
「集計したデータの使い方」についてまとめました。

今回の記事では、
第5弾【データの調整を図る】
という内容に焦点をあて、
学校ナッジ「廊下を歩く文化」の作り方の
まとめの記事とさせていただきます。

「廊下を歩く文化」の作り方マップ

①校長への打診↓
(まだの方はこちらから順にご覧ください)

②全校生徒へのオリエンテーション↓

③生活安全委員でナッジ組織を発足↓

④月末に集計した歩行データの使い方↓

⑤データの調整を図る【本記事】

⑤データの調整を図る

1:毎月集計したデータをもとに、試行錯誤を繰り返す


前記事でご紹介したように、
データをもとに各部署で調整を繰り返す活動が
基本となります。
子どもも教師も大切なのは、
目標に向かって試行錯誤を繰り返す姿勢です。
もちろん社会にでた時、
結果を出すことを求められますし、
結果は重要なものです。
しかし、中長期的に様々なことを
見守ることができる学校教育だからこそ、
社会に出る前の義務教育の期間にこそ、
失敗をしながら目標に向かうことに価値があるという経験
ぜひ提供してほしいと思います。
全ての事象に価値があるという気づきの機会を提供できる
学校教育の意義を、今一度伝えたい。
これが私が学校でナッジを提案する究極の理由です。
だからこそ、いわゆる
「ナッジ」と「教室ナッジ」の目的は
似て非なるものであると、提案し続けたいと思っています。

2:ナッジが上手くいった時の語り

具体的な語りについて例を挙げたいと思います。
教員
「データを見ると、廊下歩行の文化が少しずつ生まれてきていることがわかります。これは本当にすごいことだと思います。大人だけの力ではなし得なかったことです。もちろん皆さんの取り組みの効果ですが、私たちの提案を受けて、よい行動を選び取ろうと考えてくれた学校の皆のおかげでもあります。そして、文化というのは、【根づいてこそ】初めて文化と呼びます。一瞬で終わってしまっては、ただの「トレンド(流行)」です。どうしたら、皆が続けようと思うのか、文化として大切にしていきたいと思えるのか、そういったことを考えていきましょう」

ナッジが成功することは本当にすごいことであると、
心から認める言葉がけをしながら、
文化を根付かせていくイメージを子供と共有します。

3:ナッジが上手くいかなかった時の語り

教員
「データでは今現在、結果が出ていませんね。けれど、これだけは知っておいてください。結果とはすぐに出る時と出ない時があります。歴史上の人物もたった数ヶ月で何かを成し得たわけではありません。それでも絶えず、考え、試行錯誤したからこそ、文化をつくることができたのです。結果を分析して、向き合い続ける途中に、必ず意味があります。悩んだり、苦しかったりしたら、仲間を頼りましょう。支えましょう。休みましょう。先生に相談しましょう。支え合う経験にすら大きな大きな価値があります。結果も大切です。が、みんなでこのナッジを考える時間を、この瞬間を、大切にしていきましょう。」

毎回こんな熱い語りをするわけではありません。
上手くいかないことに焦りや不安が蔓延した時、
このような内容で語るとよいと思います。
子供に活動の中身は委ねますが、
教師はここぞという時の船の舵取りをする必要があります

学校ナッジは周りへの配慮を大切に

学級や学年を対象にした教室ナッジとは異なり、
学校ナッジは多くの方々の協力、理解を得る必要があります
手前味噌ではありますが、
学校ナッジを通して改めて、
周りの方々への感謝や余白づくりに貢献する心
意識していただけるのではないかと思います。
そして、実践される先生が何より無理せず、
ゆるやかにナッジしていただけたらと思います。

全5記事にわたる「廊下を歩く文化」の作り方。
お読みいただき、ありがとうございました。
来年度、検証結果を記事にしていきたいと思います。
ぜひ、一緒に取り組んでみたいという先生方のコメントも
お待ちしております。
また、次の記事でお会いしましょう


そうじナッジ↓(これで掃除指導の悩みから救われました)

あいさつナッジ↓(ナッジの中で一番簡単かつ楽しいです)

サポートナッジ↓(課題のある子が自ら変わる、画期的なナッジです)


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