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「ナッジで変わるあいさつ」〜教師が強制しない挨拶指導法〜小学校
そうじの次の困りごと「あいさつ」
2学期のはじまり、
「おはようございます」という
朝の挨拶が学級内で少ないことが
気になりはじめました。
私自身、
先生らしい元気な大きい声での
あいさつが苦手であり、
そこまで重要視していなかったことが、
学級の姿として如実に現れていました。
1学期から数回ほど、
「挨拶はできるとよいですよね」
という旨の話をしていましたが、
当然子どもに響くはずもありませんでした。
この「困りごと」も
ナッジで解消できないかと考え、
ナッジのフレームワークを活用し、
次のような手立てを考えました。
ナッジ①目的の共有(transparent)
![](https://assets.st-note.com/img/1705156576685-VYN6ylw4b2.png?width=800)
まずはじめに、
朝の会を利用して、
私自身が明るく大きな声での
あいさつが苦手なことを
子どもたちに話しました。
そして、それでもなお
「なぜあいさつを大切にすべきなのか」を
子どもたちと考え、
あいさつの目的を共有しました。
今回は、そうじと異なり、
あいさつは大事だということが
もともと全員腑に落ちていたので、
あっさりと共有を終えました。
(念のため、あいさつをすることのメリットがわかるデータを用意したり、著名人の名言を用意したりしていました)
ナッジ②自己評価の共有(Social)
![](https://assets.st-note.com/img/1705163448280-vh1oSdxq8N.png?width=800)
「あいさつの回数を増やす」
という目標を目指すため、
朝あいさつを
・「ともだち」にできたか
・「担任」にできたか
・「ほかの大人」にできたか
3つの項目にわけ、
朝の会に聞きとる取り組みを
行うことにしました。
①「ともだち」「担任」「他の大人」
という選択肢を提示することで、
「する・しない」という選択肢から
「誰にしよう」という選択肢になる、
「初期値の引き上げ」をねらうことができる
②「あいさつ」の可視化をすることで、
「あいさつはできるならばした方がよい」と
いう認知を得ることができる
(できるできないは別として)
以上2点のねらいをもとに、
集計を繰り返しました。
時間としては、
朝の会の1分ほどで
終えることができました。
(詳しくはDM、コメントください)
取り組みのポイント
![](https://assets.st-note.com/img/1705162651857-tFnxcei4hS.jpg?width=800)
掃除ナッジと同じく、
挨拶を必ずしなさい、
という強制的な指導は一切しません。
「応援しているね」
というスタンスのみで
毎日聞き取りを行います。
あいさつが苦手な子には、
教師からアプローチをするのも
ありですが、
私は友達同士ですることをすすめています。
ナッジ実践のみそは、
「できる・できない」ではなく、
「できたらいいなぁ」と
ゆるく思える環境を作ることにあります。
また、教師自身が大きな声で
ハキハキと挨拶することが
苦手であることも伝え、
声の大きさは人それぞれであり、
互いの挨拶を認め合うことも
大切だと合わせて伝えました。
最初の反応〜1ヶ月後
![](https://assets.st-note.com/img/1705163497654-uxFk4wrrjl.jpg?width=800)
行動&継続を最優先とし、その後、
子どもたちの実態に合わせ、微調整するのがよいです。
子どもから意見をもらうこともあります。
取り組み初日、
19人いるクラスで
聞き取り調査を行ったところ、
「ともだち」が2人
「担任」が0人
「他の大人」が5人でした。
悲しいかな、当然の結果です。
しかし、その後、
効果はすぐに現れました。
1週間後には
「ともだち」が11人、
「担任」が11人、
「他の大人」が12人
が平均の数値となりました。
この取り組みをする以前、
自ら挨拶をしてくる子どもは
2、3人でした。
こちらから挨拶をしても、
きちんと返事が返ってくる子どもは
数人だけでした。
取り組みを始めたあとは、
驚くほど気持ちの良い挨拶を
子どもが自らするようになりました。
導入2ヶ月目
![](https://assets.st-note.com/img/1705165276553-tSbBHQrPjm.png?width=800)
10月では仕組みにも慣れ、
挨拶ができる子どもと
なかなかできない子の
二極化が進みました。
そこで、
挨拶ができると
どんな気持ちになるか、
どんな良いことがあるかを、
子どもと話し合う時間を
朝の会に5回設けることにしました。
これはいわゆる、
ブーストの役割になります。
以降、
平均の数値に大きな変化は
見られませんでしたが、
今まで挨拶をすることができなかった生徒が
はじめて挨拶をする、という変化が
見られるようになりました。
あいさつをすることのメリットや体験談を
仲間の言葉で聞いたり、話し合ったりする
価値の高さを改めて感じました。
導入3ヶ月目
![](https://assets.st-note.com/img/1705227812513-Bb7laTgH9f.jpg?width=800)
プラスで子どもの素敵な発言をメモしていました。
イラストや画像を好みで付け足してもいいと思います。
好きなように、やりたいように、何でもOKです。
私の信念は「楽!」です笑
11月、子どもから
「全部できた」という調査項目を
増やしてほしいと要望が上がりました。
承諾し、シートに組み込んだところ、
横ばいであった平均値が
20%増加する変容が見られました。
ナッジの案が子どもから自発的に
出るというのは非常に望ましい
状態になります。
早くから子どもと話し合う機会を
設ければよかったのですが、
教師としては大方満足していたのが
正直なところでした。
反省するとともに、
子どもの成長を嬉しく思いました。
ナッジで得たあいさつ指導の成果
![](https://assets.st-note.com/img/1705167370229-9AL4rjqiGB.jpg?width=800)
こうして、
挨拶を「すべきである」という指導を
一切することなく、
挨拶のなかった集団から
自主的な気持ちのよい挨拶をする集団へと
生まれ変わりました。
場面緘黙に近いと言われていた子が
なぜかクラスで1番大きい声で
挨拶をするような変化も
みられました。
そして何より、恥ずかしながら、
私自身が子どもたちに影響を受け、
心からの挨拶ができるようになりました。
教師は「見本であるべき」かもしれませんが、
私は自身が未熟であることを強みとし、
子どもと共に成長できる
教師という仕事の魅力を
本音で伝えていきたいと思います。
同じような先生方の支えとなれれば、
幸いです。
この実践はいつからでも始められます。
指導の流れは至ってシンプルですが、
コメントかDMくだされば、
指導の手順とスプレッドシート
をお渡しします。
質問があればどうぞ。
追加 あいさつナッジver2
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