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行動経済学「ナッジ」を学校教育に取り入れる/+ブースト/小学校

ナッジとは?


ナッジ(nudge:肘で小突く)とは、意思決定者に判断や意思決定を自由に行わせる余地を残しつつ、よりよいと考えられる選択を後押しするための工夫を指します。

分かりにくいですね。今日は隠れミッキーを全部探したがるタイプの人しか楽しめない記事になっています。飛ばしていただいて構いません。

ディズニーランドをあますことなく楽しみたい方、
ぜひご覧ください。

早速、ナッジの例を紹介します

この概念は、2008年に行動経済学者リチャード・セイラーと法律学者キャス・サンスティーンによって世に紹介されました。彼らは、人間の行動が常に合理的ではないことを認識し、この現実を基にナッジ理論を展開しています。
  1. スーパーマーケットのレジの足跡マーク:

    • スーパーマーケットのレジ前に足跡マークを設置して、買い物客にソーシャルディスタンスを保つよう促す。

  2. 小便器のハエのステッカー:

    • 公共のトイレの小便器にハエのイラストのステッカーを貼り、利用者がそのポイントを狙うようにして、便器周りの清潔を保つ。

  3. エスカレーターの立ち位置案内:

    • エスカレーターのステップに立ち位置を示すマークを設置し、左側は立ち止まる、右側は歩くといったルールを促す。

  4. 電車内のマナーポスター:

    • 電車内に「静かにしましょう」や「ごみは持ち帰りましょう」といったマナーを促すポスターを掲示。

  5. ゴミ箱の分別表示:

    • ゴミ箱にリサイクル可能なもの、燃えるゴミ、燃えないゴミなどの分別を示す明確な表示をすることで、正しいゴミの分別を促す。

  6. 節電の呼びかけステッカー:

    • オフィスや公共施設に「最後の人が消してね」というメッセージのステッカーを貼り、節電を促す。

どうでしょうか。こう聞くと「なーんだ、そんなことか」と感じると思います。このように、ナッジは私たちの周りに溢れています。

その全てが「強制でない」ことがみそです。人々の自由意志を尊重しながらも、より良い意思決定を促す効果をもっています。

健康を促す公共のキャンペーン、節約を助ける電気料金のプラン、さらには選挙に行くよう促す通知まで、日々の生活の中でさまざまな形でナッジは活用されています。

ナッジの目的は?何のために?

ナッジは、大きな制約やルールを設けることなく、人々の行動を穏やかにかつ効果的に良い方向に導くために設計されます。人々の本能的な行動や心理的傾向を理解し、それを利用してポジティブな社会的変化を促すのが本来のナッジの目的です。

この目的を悪用するナッジの悪用版「スラッジ」をはじめ、「それでは管理社会になってしまうのではないか」「主体性がなくなるのではないか」という欠点が指摘されることもありますが、こちらの対策は別の記事で説明します。

選択のアーキテクチャ(枠組み)

ナッジの核心である「選択のアーキテクチャ」にも
少し言及しておきます。選択のアーキテクチャとは、簡単に言えば、人々の行動を望ましい方へ導くための環境設計のことです。

例えば、あなたがファーストフード店で昼食を選ぶとき、どの食べ物が一番目につく位置に置かれているか、それが消費者の選択にどう影響するかを考えてみましょう。

もしヘルシーなサラダが一番手前にあれば、あなたはサラダを選びやすくなります。逆に、フライドポテトが目立つ場所にあれば、それを選ぶ可能性が高くなります。ここでの「食べ物の配置」が選択のアーキテクチャの一例です。

スーパーマーケットの商品の陳列から、学校の時間割、さらにはアプリのデザインに至るまで、私たちの周囲のあらゆる場所に存在しています

選択のアーキテクチャとは、私たちの周りの環境が、私たちの選択や決断にどのように影響を与えるか、という考え方です。

ここまで読まれた方、スタートダッシュです


ここまで読まれていた方は、
続きの実践の記事を
容易に理解していただけることと思います。
ぜひまた、目を通してもらえると幸いです。


参考文献
Richard H. Thaler & Cass R. Sunstein 
Nudge: Improving Decisions About Health, Wealth and Happiness 及びその邦訳(実践行動経済学、2009)
本田秀仁:よい判断・意思決定とは何か〜合理性の本質を探る〜共立出版(2021)


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