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特別編 鬼滅の刃(公開10日間)

本来、250館以上公開の実写邦画を扱うことをルールにしておりますが、今週も熱狂冷めやらぬ「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」の公開10日間の大スパークを見守ります。特別編です!

① 10日間の興行収入

先週同様、新海誠監督作品と比較します。

鬼滅の刃 :¥10,754,000,000
君の名は。:¥ 3,873,000,000
天気の子 :¥ 3,990,000,000

3作品とも数年に一度の特大メガヒットにもかかわらず、新海誠監督作品が霞んで見えますね…

② 要素別に図解

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累計興収を折れ線グラフで。この時点で、初週金土日の勢い、2週目金土日の勢いが、よくわかります。ちなみに、赤が鬼滅、オレンジが君の名は、グレイが天気の子です。

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先ほどの折れ線グラフに、単日興収を棒グラフで加えます。週末は言わずもがなですが、月曜日(4日目)に勢いが落ちないところに鬼滅の凄まじさを感じます。

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続いて館数。鬼滅は君の名はと同水準で、むしろ天気の子が一番の拡大ロードショーだったことがわかります。

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続いて平均キャパ。君の名は、天気の子、鬼滅の順。鬼滅は、日によっては、君の名はの半分しかキャパを取れていないことがわかります。

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続いて平均回数。君の名はが6回水準、天気の子が8回水準なのに対して、鬼滅は20回以上の上映回数。こんな数字は日本映画史上いまだかつてなかったことでしょう。

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続いて稼働率。ここも鬼滅が他を圧倒してます。

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最後は単価。こちらは3作品とも大差はありません。

③ 考察

大きく分類すると以下になるかと。

鬼滅の刃 :平均回数型
君の名は。:平均キャパ型
天気の子 :館数型

なぜ鬼滅の刃が、ここまでヒットしたのか?作品の魅力や配信&テレビとの連動は他にゆずるとして、ここでは興行施策的に考えたく思います。

逆説的に…

なぜ鬼滅は館数で天気の子より低いのか。それは君の名はで記録的大ヒットした新海誠監督の次回作だったから。それに比べると、劇場側の期待値は低かったから。

なぜ鬼滅は平均キャパで君の名はより低いのか。それは昨今の事情で有効座席が100%に戻らない劇場があるから。

そんななか鬼滅にとって追い風になったのは…洋画をはじめ劇場がかけたい大作がなかったこと。

だから平均回数20回以上という前代未聞の現象が起きた。1スクリーンで1日あたり6回上映されるとすると、各シネコンの約4スクリーンをジャックしていたことになります。

同時に、ライバルになり得る強力な対抗馬がなかったから、稼働率も60%以上の数字に。

コロナという特殊な状況を、すべて追い風に変えた結果の大ヒットと言えるのではないでしょうか。映画業界も苦しいこの時期に、映画館を盛り上げる鬼滅旋風!どこまで続いてくれるか、目が離せません!

以上、「鬼滅の刃」でした!

#見守り太郎

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