なぜ私はフォロワー7000人で書籍が出版できたのか。勝手に紐解いてみた
フォロワー7000人という多いんだか少ないんだかのわたしが書籍を出版するってイッツァミラクル以外の何でもないと思う。というかたぶん依頼してもらったときはもっと少なかったんじゃないかな。
もしも自分が出版社側の人間だとしたら、「フォロワー」というわかりやすい指標は、上に提案するときの材料にもなるし、ある程度は購入してもらえるという保証にもなるので、まぁまぁなフォロワー数を求めてしまう気がする。
一方で、「フォロワーが多い=いい本が書ける」というものでもない。このあたりは日頃のツイートや実際に書いてみた文章を読んでみて、「この人はどんなものが書けそうか」というのを判断する必要がある。
では、どうしてわたしに白羽の矢が立ったのかというと、理由がふたつある。
ひとつは、編集さんが抱いていた「こんな本があったらいいな」という思いと、わたしが発信していた内容がピッタリと重なっていたからだ。
編集さんは、「世の中にはいろんな文章本があるけど、その一歩手前のマインドを伝える本はない」と感じていた。
一方でわたしは、「世の中にはいろんな文章本があるけど、そもそも『書くこと』そのものを好きになれないと書くってしんどくない?」とぼんやりと思っていた。
文章本の切り口は、「この型に沿って書けば、文章が苦手でも論理的な文章が書けるようになる」「このポイントさえ押さえておけば、読みやすい文章が書ける」というもので、教科書のようなお作法や、穴埋めドリルのようなテンプレートを紹介してくれている。
それはもちろん、とても役に立つ。そのルールさえ守っていれば、たとえ文章が苦手だろうと、サクサクと文章が書けてしまうのだから。
でも自分は、もっと日常レベルに落とし込んでみたかった。「今日は楽しいことがあったな、書き残しておこう!」ぐらいのライトな気持ちで筆を取ってほしかった。
なぜならその積み重ねで、「書くこと」を好きになっていくからだ。
型にはめていくと、「このテーマを主張するなら、理由も合わせて書かなきゃ」「落としどころはどこにすればいいんだろう?」と決めるところを決めていかなくてはならないので、きちんとした文章になる一方で、「それは果たして楽しいんか?????」ということになってしまう。
だから、世の中に一冊ぐらい、まるっと「ゆるくてもいいから自由に書いてみようよ〜〜〜〜!!」と謳う本があっても良いと思ったのだ。
そして出版できたもうひとつの理由は、わたしがその「思っていたこと」を小さくても形にしていたからだ。
800〜2000字程度のnoteが16本。
こういっちゃあ何だか、大して時間はかかっていないと思う。外出自粛中の暇〜な時間を使い、長くても1日1時間程度を16本なので…じゅ、16時間!? (自分でも短すぎて引いた)
本業の傍らでやっていたので、そもそもそんなにリソースを割くつもりもなかったし、よく読むと別に理路整然ともしてない。「こうすればいいんじゃね?」というオリジナリティ溢れるメソッドを垂れ流しているマガジンである。
ただ、かけた時間が短かろうが、内容のクオリティが低かろうが、「一応ちゃんと形に残していた」というのが大きなポイントなのである。
形になっていたからこそ、この広大なインターネットの海で編集さんがたまたまマガジンを見つけ、声をかけてくださった。
どんなに些細なことでも良いから、素直に言葉にして残しておくことが、いかに大切なことか…!!
先日同業のライターの方とお話をする機会があり、出版の経緯を聞かれたのだが、
「誰かが求めていたこと」を「たまたま形にしていたから」
これに尽きると思う。別に書籍に限らずYouTubeでもそうだと思うけど、頭で思っているだけなのと、ちゃんと形にしているのとでは全然違うのだ。思っているだけでは、誰にも伝わらないし、遠くに届けられない。
でも、小さくても良いから形にしていれば、遠くに届く可能性がある。
であれば、わたしたちはひたすら言葉を形にして、誰かに届けるように投げ続けるのみだ。
余談だけど、そのライターさんもボールをこねて投げていたら、編集者さんの目に留まり、現在書籍についての打ち合わせを進めているそうだ。
もちろん、すべての人がトントン拍子にうまくいくわけではない。わたしだって発信自体は3年近くやりつづけているし、すごい人は短期間で結果を出せると思う。
でも、自分は平凡だと思うならなおさら、せめてボールをこねる手は止めず、ゆるくても良いからせっせと作りつづけてみてほしい。いつかそのボールをキャッチしてくれる人が現れることを信じて。
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