10年前の自分のへっぽこブログから読み解く「読まれる」コツ
友だちが「10年前の自分が書いた文章と今の自分が書いた文章を比較してみる」というのをやっていたので、面白そうだと思い、10年前のブログを掘り起こしてみた。
これはひどい。
要約すると「部屋を片付けたよ!さて、マイメロは何匹いるでしょう?」という中身もクソもないブログなわけだが、このブログには賞賛ポイントが3つある。
ひとつは、「このしょうもない文章を全世界に公開した勇気」である。
しかもこの記事に限らず、当時のブログを読み返してみると全部この調子で書いている。
基本的にその場のテンションに任せて10分程度でさささっと書いて更新。でもちゃんと毎日更新しているし、多い日なんか1日に5回も書いている日もある。えらい。
なにに臆することもなく、こんなへっぽこブログを全世界に公開する強靭なメンタル。しかしこの原体験は今となっては宝だ。
わたしの「しょうもなくてもとりあえず書く」という勇気は、きっとこのころに培われたのだと思う。このころに比べれば、今はもう少しまともな文章を書けているはずなので、臆する理由がないのだ。
なぜならもっとひどいものをたくさん投下してきてるから。
ふたつめは、へっぽこブログでありながらも、なんだかんだ読者を楽しませるエンタメ精神があるところである。
日記を日記だけでおわらせない方法は、「まるでわたしに言われてるみたい!」と思わせることなのだが、それがナチュラルにできているのだ。
それがこの、「さぁみんな!ゆぴルームに何匹いるか探してみよう!」の一文に込められているのである。これは日記ではない。誰かに向けた報告だ。メッセージだ。
ゆぴちゃんは今日掃除をしたんですよ。ピカピカでしょ?マイメロもいっぱいいるの見える?何匹いると思う?
…とひとりパソコンに向かいながら読者に話しかけているのである。想像するとシュールだが、この一文が読者との交流を育むきっかけとなっているのだ。
そしてみっつめは、なんだかんだで読まれているということ。
恐るべきことにこのブログ、公開してから3時間で10コメントぐらいついているのだ。そんなん今のご時世noteだってつかないのに!
たぶん当時交流があったのは、大人と同世代半々ぐらいなのだが、みんなこのしょうもないブログにちゃんと答えようとしてくれている。
マイメロ、何匹だろう?というしょうもない問いに。
今改めて見返してみると、「人気ブロガーかよ…」と錯覚しそうになる。しかし実はこれ、わたしの努力の賜物でもあるのだ。
ブログを始めたての中学2年生のころ、当たり前だがわたしのブログにはコメントが一切なかった。それでも更新はしていたけど、やはりコメントはつかない。どうしたら読んでもらえるんだろう。
ひとしきり考えたのち、ほかのブログを訪問してみることにした。いろんなブログを読んで、感想と一緒に「よかったらわたしのブログにも遊びにきてください」と添えてみた。
リアルの友人にもブログの存在を教えるために、年賀状50枚に手書きでブログのURLを書いて送った。
すると、そこからどんどんと交流が広がって、読者がついていったのだ。
お店を開いて待っているだけじゃ客は来ない。自分から「こんなお店があるんですよ」と言わなくちゃ知ってもらえない。
そのことを知っているからこそ、たぶんわたしは自分から動くようになったし、「誰かに語りかけるように書く」ということを覚えた。
もしかしたら、本当にセンスのある面白い文章なら、待っているだけでも読んでもらえるのかもしれない。でも、そうじゃないのなら、読まれるための努力はできるだけ惜しみたくないなと思う。
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