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if 〜もしも〜。

「もしも生まれ変わるなら雀になりたいな」

私が小学生の頃、祖母がそう語っていた。

そもそも生まれ変わるなんてことがあるのかと
祖母に問いたい気持ちでいっぱいの私。

私の言いたいことが
生まれ変わることを前提で話す祖母の
無垢な気持ちを否定するかも知れないと
子どもながらに恐れて
「カラスやハトよりすずめはかわいいもんね」
などと子どもっぽく返してみた記憶がある。

こんな風に、一般的に
女の子はわりと小さな頃から
リアリストな生き物だなと思う。

正確にいうと
リアリストな部分と夢見がちな部分という
相反するような世界を
持ち合わせた生き物ってところかしら。

リアリストだからこそ傷ついて
小さな夢を見たくなるのかもしれないけれど。

人は何年もかけて成長していき
成長することに疲れては休み
そうして人生の輪を何周か廻り
心がいろいろと巡りに巡って
生まれ変わったら…と現実逃避したり
もしも…と都合よく妄想したり
するのかもしれない。

その後も何度か雀トークを往復させたけれど
〝雀は幸せそう〟みたいな言葉を放つ祖母に
小学生の私は
〝すずめはすずめで大変だと思うよ?〟
と言った。

「なんでそんな事を言うの〜」と言われ
私が見ている世界と祖母に見えている世界は
雀ひとつを挙げてもまったく違う世界なんだと
さらなるリアリストの階段を上ったのだった。

もし私が鳥だったら
今は虹の向こうにいるあなたのところへ
飛んで行けるのだろうか。



結局、何十年もかけて
私もリアリストと夢見がちを共存させた大人に
仕上がったようだ。



今回は山根あきらさん
青ブラ文学部のお題「#鳥だったら」に
参加してみました。



最後までお読みいただきありがとうございます。
ではまたね。

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