シェア
プチボワ
2022年8月20日 01:07
紀行文のつもりで思い出を記す。あの夏は暑かったな、といずれ記憶の片隅から引っ張り出せるように、新鮮なうちに文字に起こそう。空は高かった。どこまでもどこまでも続くような水色に、秋の気配を感じさせる一筆書きのような雲と、大きな積乱雲がお互いを牽制し合うかのようにひしめき合っていた。気温は高く、ひどく蒸していた。相も変わらず詰め込めるだけ詰め込んだ肩がけの鞄は重く、否応なしに肌に食い込んできた。