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恋愛詩

12
恋愛の詩をまとめてます。
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記事一覧

指先で包まれる

指先で包まれる

白い吐息を見て
魔法だよ!
と笑う君を観て
僕は魔法だと思った

雪雲は白く街を包み
眠りを深くしていく

山から見下ろして君は言う
幻想的で素敵だね!
その感性も
僕は素敵だと思った

夜空は僕たちを冷やす

指先から君を感じてる

時間は忘れてしまうけど
この瞬間は忘れない

あぁ
なんて暖かいのだろう

冬の春

冬の春

一杯のコーヒー
一欠片のチョコレート

一口

一口ずつ

貴方を想い

焦がれてる

願望

願望

君が綺麗な景色を観たい時
誰と観たいだろう

僕は思い浮かばない

君が良いことがあった時
誰に言いたいだろう

僕は思い浮かばない

君が髪を染めた時
誰に気づいて欲しいだろう

僕は思い浮かばない

君が目を瞑るとき
誰が映るだろう

僕は思い浮かばない

今世紀最大の発明

今世紀最大の発明

なんだか落ち着かない
日々を受け入れることが難しくて
自分のことさえ考えられないのに
また下らぬ講釈を垂れてる

あの人の言葉が忘れられない
答えのない堂々巡りの嵐
捻り出した稚拙な2行は
未読無視を通知してる

予測変換に彩られる虚詠
温度のない顔文字が
今日も煌々としてる
今夜も輝々と光る画面に
理想の自分を象っていく
上出来だろう

落ち着きを求める体
拒否反応のノイズが止まらない
自分の幸

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焦がれずに包む

焦がれずに包む

別に何とも思ってなかった
彼氏彼女がどうとか
気になるあの人とか
そっぽ向いて
どこか達観してた

恋愛なんて
どうでもいい顔して
性懲りもなく
繋がりを求めてる

最初は何とも思ってなくて
君の苦しみを解すほど
苦しみが増えていく
見ない様にして
曖昧にしてる

本気になるのが怖くて
避けてきた感情
触れ合う肌に
幸せを感じてしまった

恋愛なんて
どうでもいいけど

君には
幸せになってほしい

無味

無味

お腹空いたね

ホテルから出てぶらつく二人
いつもの調子で歩を進める
ビルの隙間から覗いた陽が
僕達の横顔を祝福してた

君が食べさせてあげたいと言った
あの街の名物
噛み締めるほどに幸せで
ちょっぴり辛い
魅惑的な味

久しぶり

笑いながらぶらつく二人
忘れ物がない様語らう
夕日が伸ばす君の影を
眺める事しか出来なかった

君が見に行きたいと言った
あの街の古着屋
沢山の「誰か」の思い出が

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海馬を降って

海馬を降って

想起される事柄は
幾度となく定着せず
未だに仕舞い込め無い
光る画面に暗く照らされ
現実を悲劇的に写す
未読が理解できない
しようとしない

目から溢れる水は
何味だろうか
それは初冬の苺の様な
甘酸っぱい
そうか僕らは早過ぎたんだ

鼻に染み付いた
君の首筋の香り
ほんのり香る
甘くて不安定な香り
心揺さぶられ何もかもが
衝動的になる

バカ甘い蜂蜜でも飲んで
満面の笑みを浮かべて叫んで
爆ぜる

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変わらない僕が俯瞰して

変わらない僕が俯瞰して

夜中1時過ぎに
24時間限定の情報が
眠れない脳を流れていく
骨董の様な思い出にかき乱され
滑稽な現状を煙に混ぜて
度し難い思いを誤魔化そう

きっとあのセリフは嘘じゃないよね
そっと優しさでコーティングした残虐性
友達でいようだなんて
信じなくて良かったと思うし
後悔なんてしてない

真夜中なんてとっくに過ぎて
24時間限定の情報が
君の新しい春の訪れを知らせる
眠ることを忘れさせ
締め付ける様

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残香(ザンキョウ)

残香(ザンキョウ)

散らかった車内を
片付ける
色んな街に出かけた
色んなものを見た
数えきれない思い出ができた
全てにキリをつけよう

ダッシュボードに残された
君の好きな銘柄
今でも残り香が掠めるよう
否応なく呼び起こされる記憶は
ひと昔前の映画ばかりを
垂れ流す

幸せな記憶に上塗りするように
悲しみが込み上がる
先立たぬ後悔が
結果を過剰に演出してる
慣れない手つきで火を灯す
見様見真似で落とした灰を
いつま

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仮面が崩れる

仮面が崩れる

笑うってなんだろう
自分にとって普通なのに
元気かどうか聞かれる
元気じゃないといけないんですか?
普通じゃダメなんですか?

面白いこととか
興味をそそられれば
自然と笑えますよ
無理やり笑っても元気なんでしょうか
笑わなくても元気な時だってある

人が心配するからと
すっかり板についてしまいました
元気でもないのに笑ってしまう
笑いたいときに笑えない
それが
怖くて
怖くて

鏡が見れません

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微睡

微睡

寝るまでの一時間
今日もあーだこーだと
何気ない会話をする
二人だけの特別な習慣

沈黙さえも愛しくて
心地よいノイズ音で
貴方の存在を感じてる
近くて遠い距離感

文字では感じられない温度を
今宵も電波に乗せて感じて
貴方の声に包まれたまま
幸せに微睡んでいく

意味もなく開くSNS
眠れるまでの時間潰し
何気ないことでよぎる
失われた習慣

沈黙にも慣れた
静かな携帯電話は
貴方の着信を待って

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記憶と記録

記憶と記録

思い出になるには
十分な時が過ぎたな
君はどうだろうか
そんなことももう考えなくなった

君とは沢山の太陽を見たね
包み込む様なピンクだったり
目も眩む様な黄金だったり
淡い光で見守る様な白色
全てを思い出に

道は違えど1番の理解者ではいよう
そんな言葉が
冷酷な温もりが
君を思い出にさせてくれない

炎の中心だったあの街
3時間6000円のキングベッド
線香花火は二度の寒さに耐えきれず
笑い合

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