【小説】ダメOL、webライターになる 第2話

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「今日、婚活で三国志オタクの男に会いました。

三国志の人物なら、誰が好き？俺は孔明派！とか言われました。

んなもん、わかるわけねーだろ。女の気持ち考えてから質問しろよバーロー！だから、モテないんだよ！

と内心思いつつも、とりあえずその男性に「へー。三国志といったら、やっぱりレッドクリフですよね。私は、ちなみに金城武派です。」と、完全に知ったかぶりで答えました。

すると、「えっ！レッドクリフわかるんだ！」という感じで、どんどんその男の質問がマニアックになりました。

ギブアップー。助けてー。

心の中で叫んでいると、「5分経ちました！さあ、お席チェンジです！」と言われました。

三国志男の次は、マルチ系男子でした。

「君は、本当の顔は綺麗な作りをしているのに損をしているよ。肌が少しボロボロだから、今からケアした方がいいよ。

そうだ。君は、フ○ウっていうサプリメント知っているかい？

僕は、本当はアトピー性皮膚炎で肌がボロボロだったんだ・・。学校でも虐められたし、女性にもモテなくてさ。

でも、ある人からこのサプリメントを勧められて飲むようになったんだ！すると、僕の肌のアトピー性皮膚炎が完全に改善されて、今のような赤ちゃん肌になったんだよ。

僕の人生は、めまぐるしく変わっていったよ。学校でも虐められなくなったし、就職も出来るようになったんだ。

ただ、今の就職先の給料が手取り10万円しかないんだ。

だから、こうして友達に紹介されたサプリメントを紹介してインセンティブも貰えるバイトもしてるんだ・・。」

手取り10万の仕事に就いて、俺の人生変わったと言われてもなぁ・・・。雑誌の巻末とかに出てくる、ラピス体験談よりもネタが貧相。

まだ、超絶美女と交際して童貞卒業したんですとか、札束風呂に入れるようになったとか位の夢のあるホラを吹いてくれよ。

そんな中途半端なあんたの体験談で、一体だれがあんたの次にサプリメントを売ろうと思うんだよっ！

ネズミ講してる暇あるなら、転職先探せよ！と、イライラする私。

ああ、私の婚活地獄はいつまで続くのでしょうか。

こうして、好きでもない男のつまらない会話を聞き続けて一体何になるというのでしょうか。

こんな事をしている暇があるなら、ほんと。趣味のダンスで踊り狂いたい勢いだわ・・・。

そして一心不乱に踊り続けて、婚活で出会った男達の顔を全部忘れたい・・・。

ああ、私はこれからどうすればいいのでしょうか・・。」

こんな感じの赤裸々な婚活体験記を、ブログに綴り続けた私。

片桐くんからは「お前、にほんブログ村ランキングに登録してブログにバナーを貼り付けろ。

ブログランキングの上位になれば、注目度も集まるようになる。

正直！
赤裸々な婚活体験記は、今までだって沢山出てきている。

しかし、みんなと同じような事を書いていては一番にはなれない。

他のブログの研究は、あくまで参考程度にしておけ。お前の個性は、他にないから自信を持て！

大丈夫、お前の婚活記事は色々とツッコミ所満載で面白い！絶対人気出るから。自信持って、これからも書き続けよーぜ！

おまえは、圧倒的に変人だ。
何故なら、発想が物凄く変わっているからだ。

これを欠点とすれば欠点になるし、長所とすれば長所になるんだよ。

変人である事を隠すのではなく、いっそ変人である事に誇りを持つんだ。

それは、他にないお前の個性だ。自信を持って発信し続けることで、ちゃんと理解者は現れる筈だ。

お前は婚活で感じた思いを、ブログに全てぶつけるんだ！

人の心を動かすのは、どんな時も強い信念と情熱だ！

お前は、一生懸命婚活を今まで通り続けろ。そして、ブログを書き続けろ。一生懸命やり続けるんだ！」

片桐くんは、何故私に婚活ブログを書かせ続けるのだろうか・・・。

私のブログを読み返しても、ネガティヴな事や弱音ばかりじゃん。

こんなの、一体誰が見るのだろうか？
私のブログ見ても、一体誰の得になるの？そんな暇な人いるの？

・・と思っていたら、主婦の方から「いつも婚活ブログ拝見させていただいています。

結婚したら、ドキドキする事はなくなります。

色んな人とデートにいく記事をみては、トキメキを思い出したりして楽しんでいます！これからも、頑張ってくださいね！応援しています！」

と、コメントが来た。

婚活ブログって、婚活している女子だけが読む訳じゃないんだ・・・。

婚活ブログを書いて気づいた事がある。
それは、婚活ブログは婚活者だけのブログではなかったという事だった。

主婦や既婚者の叔父さん、女子高校生など幅広い方からコメントや読者登録をして頂けた事。

ブログを書くと、こんなに色んな人の反響を受ける事が出来るんだ。文章を書くのって楽しいな。

いつか、文章を書く仕事が出来たらいいな・・・。

そんな野心を抱えていた矢先の事だった。とある街コンにて、キビキビと動くイケメンを発見した私。

明らかに、他の男性よりも随分オーラが半端ない・・。街コンにも、こんな凄いカッコいい人来るんだ・・。

あの人、凄いカッコいいんだけどスタッフかな？他の参加者男子はモタモタしてるし、モテなさそうだし・・。

よーし、あのイケメンの電話番号ゲットするぞ！

思い立ったら、即行動の私は一目散にイケメンの元へ歩み寄る事に・・・。

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