ooshio

What am I doing here. パキスタンでの日々。暮らしと旅。

ooshio

What am I doing here. パキスタンでの日々。暮らしと旅。

最近の記事

JFSAとアル・カイール・アカデミーのこと

JFSAという団体がある。正確にはNPO法人日本ファイバーリサイクル連帯協議会。古着の回収を行い、その販売益で長年、カラチのスラムにある学校アル・カイール・アカデミーの運営を支援してきた。JFSAの成り立ち自体も非常にユニークでいつかちゃんと書きたいのだけれど、日本側とパキスタン側、友人としてリスペクトし合う関係性というのがとても気持ちがいいといつも思う。 家の片付けをする時に、父や義父の遺品の背広を捨てるのが惜しくて引き取り先を探していた時に出会ったのがJFSAを知った最

    • カラチの山羊は救世主かもしれないと思った話

      リビアに暮らし始めてすぐだったか、大家さんがBBQで歓迎してくれた。お肉は羊。お肉の部位ごとに味が違うらしく、これもお食べ、あれもお食べと奇っ怪かつ大きな骨付き塊を渡してくれるのだけれど、無限の蝿がうんうん寄ってくるうえ、お肉の匂いもパンチが強烈すぎて喉を通らない。それどころか、以来、リビア滞在中は羊の肉がほぼ食べられなくなってしまった。シェーブルチーズさえアウト、ミンチがスパイスたっぷりのシシカバブになっていればなんとかいける。結果、肉屋で羊肉を買ったこともない。 イスラ

      • 冬の魚市場でオコゼ発見

        一時帰国から戻ったカラチは冬、最低気温11度と日本の晩秋くらいでしょうか。建物は万事酷暑の夏向きの作りになっており、外気が24度もある昼間でも家の中がうすら寒く感じます。 今回は日本滞在が長かったのでギアチェンジに苦労するかもとゆっくりの滑り出しにしたのだけれど、海はベタ凪、魚のベストシーズンでもあり気力を振り絞って魚市場へ行くことにしました。 魚市場は、カラチ港の西端ウェストワーフの漁港に併設されています。初めて来た7月は完全に時期を間違えていて、港に至る穴ぼこだらけの悪

        • パキスタン大洪水2022、その後…

          8月末にパキスタンを襲った大洪水。9月にはまだ多くの被災地発の情報があったものの、統計が出てからの関心は復興関連の数字に移っており、報道されるとしても今後の資金不足にまつわるトピックがほとんど。また、エジプトでのCOP27の開催もあり、パキスタンのような脆弱な国に気候変動が最も壊滅的な災害をもたらす不公正を訴える「気候正義」に絡む論説が出回りました。一方、被災した土地、人々の現状を伝えるニュースはまず見かけない。11月に日本から戻ったら、水は引かないがニュースは引いている、と

        JFSAとアル・カイール・アカデミーのこと

          かぶる、かぶらない

          「で、かぶってるの、あなたも?」 一時帰国したときに友だちに口々に聞かれましたが、いいえ、ヴェールはかぶってません。女性の服装を取り締まる国もあるようですが、カラチではそんなことありませんし。以前、北アフリカのリビアに暮らしていたときは、髪をまとめて、つば広の帽子をいつも深々とかぶっていました。でもそのあたり、カラチはまたちょっと事情が違います。 11月、涼しくなってから、街で女性たちの姿を見かけるようになりました。コロナ第5波到来前の11月のある日、カラチ随一のモダンなシ

          かぶる、かぶらない

          庭とスモッグ

          1か月の日本一時帰国から、カラチに戻りました。パキスタンの話を聞きたいと言ってくれる友だちの声が意外でもあり嬉しくもあり、もう少し気軽にnote書こうと思います。 最初の3か月は慣れるのに精一杯だったうえ、見聞きすることの多さと複雑さに胸がつかえるような気持ちがしていたのでした。まるで、大きな魚を丸呑みしてしまったよう。その辺りはまた、おいおい。 極寒の日本から戻った1月下旬のカラチの気温は日本の3月終わりくらいでしょうか、朝夕に部屋で暖かい上着を引っ掛けるくらいの気候でし

          庭とスモッグ

          初めの1か月

          アッサラーム・アレイクム。 人もすなるnoteというものをついに始めてみることにしました。日本でのコロナ第5波がようやく下火になりかけた2021年の9月11日、奇しくも、アメリカでの同時多発テロから20年目のメモリアルデーにドバイを経由して土埃舞うカラチ空港に降り立ちました。 最初の、印象を書き残しておかなければ忘れてしまいそうです。 この時期パキスタンに来るのは正直気が進みませんでした。COVID-19の不安と搭乗手続きの煩雑さもあったものの、それ以上に心を憂鬱にして

          初めの1か月