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甲状腺乳頭癌の話14 切除のすすめ

再開した経過観察生活にもすっかり慣れた頃でした。
またいつものように病院に検査に行き、その結果を聞きに、診察室に入りました。
先生からは「大きな変化は見られないですね。」とこれまでと変わらない言葉をいただきました。

しかしその直後に、「そろそろ切除を考えた方がいいですね。」
「えっ?なぜそうなりますか?」と心の中で答えました。

脳外科のお医者様の世界では、腫瘍は早めに切った方がいいという流派となるべく切らずに経過観察した方がいいという流派があるらしいと、知り合いの知り合いのさらに知り合いから又聞きしたことがあります。
甲状腺業界でそのような流派があるのかは分かりませんが、もしあるならば、最近みてくださっている先生は経過観察の流派だろうと、勝手に決めつけておりました。

理由を伺うと、発覚当初の10年前は、甲状腺癌は6mmでしたが、ここ数回の検査で毎回1cmになっているため、もう誤差の範囲とは言えず、増大したと考えるのが自然であること、また悪性ではなかったとはいえ、リンパ節にも腫瘍広がっていること、そして、このまま経過観察を続け、さらに癌細胞が増大した場合は、切除手術も大掛かりとなったり全摘出となる可能性もある、等を考慮するとそろそろ切除すべき時期ではないか、ということでした。

とても論理的で説得力があるので、頭ではすんなり納得できました。
でも心は、まだ認めたくないようでした。

通院当初から聞いていたことですが、手術は申込みから早くても6ヶ月先となるため、その点を踏まえて、ここ1、2年の間にゆっくり考えればいいという話で診察を終えたのでした。

これまでの経緯の中で、いつかは切らなければいけなくなるかも、とは思っていました。
でも頭と心の乖離があると、なんともモヤっとします。
それは以前悩まされた不安や焦りともまた違うものでした。

家族や周りの人達にも相談してみると、やはり切除手術を懸念する声もありました。
そして、大きな手術を勧められたのだから、まずはセカンドオピニオンを受けるべきではないか、という話になっていきました。

頭と心の折り合いをなんとかつけたいものです。
そのためにも、セカンドオピニオンをもらうべく、動き始めたのでした。

→ 続く

お読みいただき、ありがとうございました。

追記:見出し画像は、「みんなのフォトギャラリー」から選択し、t_and_s_coachさんからお借りしました。ありがとうございます!

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