甲状腺乳頭癌の話7 癌転移
「リンパ節に転移していますね。
本体もだいぶ大きくなったし、9年も経ってますし、もう切った方がいいタイミングですね。
まだ若いんだし、今のうちに切った方がいいと思いますよ。」
50代の自分に対して「まだ若い」とは、私への気遣い?それとも切除する年齢としてはまだ若い方、という意味?そんなどうでもいい点に一瞬気が散りました。
確かに元々の甲状腺乳頭癌も9年かけて徐々に増大し、1cmになっていました。
転移の可能性は当初より説明は受けていましたし、状態は10年は変わらないでしょう、と言われた10年ももう直ぐです。
想定出来ていた事、いつかは起こるだろう事がとうとうやってきたという話です。
ですが、私の主観的には想定はしていませんでした。
そして「このまま経過観察ではダメということでしょうか?」という正直な言葉が出ました。
「私からは切除をすすめます。いずれにしても、この後、細胞診検査をすることになるので、その後で判断すればいいですよ。それでおそらく悪性という結果が出るでしょうから、そうしたら切る決心もつくでしょう。その決心をつけるためにもまずは細胞診検査をしましょう。」
これってもう、リンパ節に癌、転移、確定ですね。
今まで考えることから逃げていたことに、しっかり向き合わなくてはならなくなりました。
この約1ヶ月前、夫の病気が発覚しました。
何の病気も怪我もなかった人でしたので、経過観察でいいという状況とはいえ、心配事が増えました。
というよりも、私がしっかりしなくては!という思いを強く持った矢先でした。
二人揃ってこんなことになるとは。
→ 続く
お読みいただき、ありがとうございました。
追記:見出し画像は、「みんなのフォトギャラリー」から選択し、wolf0215さんからお借りしました。ありがとうございます!