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『列』を読んで

中村文則さんが好き
中村文則さんのかっこいい文章がすごく好き
名作って、最初の1行で分かりますよね?

ある日のことでございます。
とか、
メロスは激怒した。
とかさ。
あさ、眼をさますときの気持ちは、面白い。
こっちの方が好き。
その列は長く、動かなかった。
とか。
冒頭の一行がたまらないです

サイン会に行きたい
吉祥寺パルコで買ったサイン本は持っているけど、
中村文則さんにお会いしてみたい
でも、目が合った瞬間に全てを見透かされそう
くだらない女だと、瞬時にばれそう
いや、女とも思ってもらえないか
若くないし
若い女性が好きそう
だれでも、そうか
中村さんをひどく疲れさせそう
だから申し訳なくてサイン会には行けないな
でも遠くから見てみたい
本当にクマがすごいのか確認したい

列を読んだ
素晴らしかった
とても面白かった
整形外科の待合室で読んでいて、泣いてしまった(骨折してるんだ)
中村さんはやっぱりイッちゃってて、かっこよかった
私が絶対に思いつかないこと
この本を読まなかったら、死ぬまで気付かなかったこと
どっちを向いても列に並んでいるなら
もう並ぶしかないんだったら
それでも、
私は、みすぼらしい、恥ずかしい整理券を持ったままでいいから
そんな自分を許せますように





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